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【要約】大手町のランダムウォーカーさんの「世界一楽しい 決算書の読み方」は会計・ビジネスの教養に役立つ一冊!

どうもこんにちは。チカトサです。  

今回は、大手町のランダムウォーカーさんの「世界一楽しい 決算書の読み方」の要約をしていこうと思います。

この本は財務諸表の読み方をわかりやすく楽しく教えてくれている1冊です。
公認会計士や会社での経理担当者だけでなく、一般の人にも決算書が読めるようにわかりやすく説明してくれています。

この本を読むことで財務諸表の読み方だけでなく、色々な会社のビジネスモデルについて詳しくなります。

読み終えた後は、いや読んでいる途中から興味ある会社の財務諸表を見てみたくなります。

というわけで、この記事では「【要約】大手町のランダムウォーカーさんの「世界一楽しい 決算書の読み方」は会計・ビジネスの教養に役立つ一冊!」について書いていきます。

大手町のランダムウォーカーさんの“世界一楽しい 決算書の読み方“とはどんな本?【概要】

「世界一楽しい 決算書の読み方」は 、2020年3月に発売された本です。
図解などを多用してわかりやすく説明されている本で、集中して読めば全197ページを【約4時間】で読み終えることができます。

著者の大手町のランダムウォーカーさんのプロフィールも紹介しておきます。

大手町のランダムウォーカー

Twitterフォロワー数3万人超。公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て独立。
「日本人全員が財務諸表を読める世界を創る」を合言葉に「大手町のランダムウォーカー」として「#会計クイズ」を始め、様々な業種・立場の人をネット上で巻き込み好評を博す。現在は株式会社Fundaにて「#会計クイズ」を運営するほか、企業研修やコンサルティング業務も行っている。

“世界一楽しい 決算書の読み方”の 目次は以下の通りです。

はじめに
Chapter 0 introduction:決算書の全体像って?

Chapter 1 貸借対照表(B/S)ってどんなもの?
Chapter 2 損益計算書(P/L)ってどんなもの?
Chapter 3 キャッシュフロー計算書(C/S)ってどんなもの?
Chapter 4 B/S + P/Lの複合問題に挑め!
おわりに

決算書とは

決算書とは、その会計年度における会社の利益と損失がどのくらいだったのか、会社が今どのような財政状態にあるのかといった、会社の状況を報告するための書類です。

上場企業の場合は、
事業内容の説明などを加えた書類である「有価証券報告書」年に一度
有価証券報告書の経過報告的位置づけの「四半期報告書」3ヶ月に一度
提出することが求められています。

決算書を開示しないと、多くのステークホルダー(利害関係者)が損害を被ってしまう可能性があるのです。

〇決算書の中身
決算書は一般的に、

① 貸借対照表(B/S)
② 損益計算書(P/L)
③ キャッシュ・フロー計算書(C/S)
④ 株主資本等変動計算書

の4つからなります。
中でも、①~③のB/S、P/L、C/Sの情報は特に重要で「財務三表」とも呼びます。
企業は日々膨大な数の取引を行っており、取引ごとに記録をつけておかないと、今現金がどれくらい残っているのか、累計でどれくらいの費用がかかったのか、ということがわからなくなってしまうのです。

〇決算書を読む目的
決算書を読む目的は立場や状況によってまちまちです。

①企業内部の目的
企業の現状把握や今後の事業戦略などを考慮する。

②銀行や投資家の目的
お金を貸したり、投資したりするに値するのかどうかを判断する。

③企業間取引での目的

取引企業の財政状態、経営成績から、企業の安全性の分析をする。

貸借対照表とは

貸借対照表とは決算日における会社の財政状態(資産/負債)を表します。
企業の資産/負債のバランスを比較することで、財政状態を把握する決算書類として利用されます。

〇財政状況の把握
企業が保有している財産(現金や建物など)の残高を記録したものを確認することができます。
「財産に関する情報」(財政状態とも呼ぶ)をまとめたものが、貸借対照表です。

〇貸借対照表=バランスシート(B/S)
英語では「バランスシート」とも言い、「B/S」とも表記したりします。

〇項目ごとに左右に分ける
左側(借方)に資産、右側(貸方)に負債純資産をまとめます。
何故、負債と純資産が同じグループなのかと思われるかもしれませんが、
右側(貸方)は、左側(借方)の資産がどのように調達されたのか、調達状況を示します
つまり負債は返済義務のあるもの純資産は返済義務がないもの、ということで同じグループになります。

〇借方と貸方は一致する
資産の合計と貸方(負債と純資産)の合計は必ず一致します。
上でも記述した通り、
資産を作るのに負債または純資産によって築いているため必ず一致するのです。

損益計算書とは

損益計算書は、企業の1年間の活動の中で、いくら売り上げて、いくら費用がかかったのか、その結果いくら利益が出たのかを記録したものです。
言ってしまえば企業の経営成績表です。

〇3つの情報
損益計算書に記載されている情報は大きく分けて3つの情報があります。

① 収益:企業が1年間に売り上げた金額
② 費用:従業員の給料や、広告費用など、企業が1年間でかけた費用
③ 利益/損失:収益と費用の差で出てくる金額


〇損益計算書=P/L
英語では「プロフィット&ロス・ステイトメント(Profit & Loss Statement)」と言い、「P/L」と表記されることもあります。

〇項目ごとに左右に分ける
P/Lでは、左側(借方)に「費用」、右側(貸方)に「収益」をまとめます。

〇借方と貸方は一致する
費用の合計額と収益の合計額には差が生じますが、この差は「利益」もしくは「損失」になります。

「利益」が出ている場合:費用 + 利益 = 収益
「損失」が出ている場合:費用 = 収益 + 損失

ということになります。

〇5つの利益
P/Lには5種類の利益があります。

① 売上総利益:売上高 - 売上原価
② 営業利益:①売上総利益 - 販管費(給料、広告費、運送費、家賃…)
③ 経常利益:②営業利益 - 営業外費用(本業外の費用)
④ 税引前当期純利益:③経常利益 - 特別損失(臨時の損失)
⑤ 当期純利益:④税引前当期純利益 - 法人税等(税金コスト)

キャッシュ・フロー計算書とは

キャッシュ・フロー計算書は、「その企業の現金・預金がどれくらい増減したのか」を計算する書類のことです。

〇キャッシュ・フロー計算書=C/S
英語ではCash Flow Statementと言い、「C/S」を使用し、単に「キャッシュ・フロー」というワードの略称としては「C/F」を使用します。

〇企業の3つの活動
企業の活動には、大きく分けて「営業活動」「投資活動」「財務活動」があります。

① 営業活動:本業の営業活動による現金預金の増減
② 投資活動:固定資産や、株式などの投資による現金預金の増減
③ 財務活動:資金調達や、借入金の返済等による現金預金の増減

〇営業C/F
営業C/Fは3つの区分の中でも特に重要です。
本業からの現金預金の収入・支出を表しており、ここがプラスになっているかどうかは、利益が出ているかどうかよりも重要視される場合があります。

〇投資C/F
企業の投資活動によって流入・流出した現金の動きが記載されます。
この投資C/Fは「マイナスだからダメ」と言うことではなく、現金を投資して、「事業拡大を目指した動き」を取れているか、という点が重要になってきます。
投資を行わない企業は現状維持のままで終わってしまうため、将来性を見込むことはできません。
投資C/Fを読み解くことで、企業の投資方針や経営スタンスを推測することができます。

〇財務C/F
企業が株式や借入金を通して資金調達を行う際の、調達と返済の状況が記載されます。
上場することで一般投資家から何十億、何百億といった資金を調達することができるため、上場のタイミングで財務C/Fが大きくなることが多いです。

〇3つの活動の数字の意味

          ↑ プラス        ↓ マイナス
営業活動    
 本業で資金を獲得     本業で資金が流出
投資活動     設備や株を売却      設備や株への投資
財務活動     資金を調達           返済

ビジネスモデルを紐解く

これまで説明してきた財務三表は決して単体で完結している訳ではありません。B/SとP/Lは利益と純資産という部分でつながっており、密接に連携しています。
単体で見て分析した後は、B/SとP/Lを同時に見ることによってより深い分析が可能になります。

〇同業界でも異なるビジネス
ここでは詳しく解説することはできませんが、楽天とAmazonでは同じEC事業を行っている会社に見えて、ビジネスモデルは大きく異なります。
楽天はECモールを貸し出すビジネスなのに対し、AmazonはEC販売事業です。
そのため、楽天は倉庫を持ちませんが、Amazonは倉庫を持ちます。
当然ながらB/SとP/Lの動きも違うのです。

このように財務諸表の数字からビジネスモデルの違いに着目することで、企業の経営方針の違いやスタンスの違いを知ることができます。

大手町のランダムウォーカーさんの“世界一楽しい 決算書の読み方“を読んだ感想

 この記事では、大手町のランダムウォーカーさんの「世界一楽しい 決算書の読み方」について書いてきました。

決算書の読み方だけでなく、多くの業界や企業のビジネスモデルについても学ぶことができたと思います。
同じ業界でも収益構造が違うということも知り、これから生活していく中で、企業の見え方が変わってきそうな気がします。

実際の決算書はよくわからない項目と大きな数字だらけで、専門外の人からするとちょっと面食らってしまいますが、この本で抽象度を高くして解説してもらえるので、怯まずに決算書と向き合うことができると思います。

とりあえずは投資したい会社の財務諸表を見て、その企業分析を行いたいと思います。

というわけで、今回の記事は以上です。

ぜひ、また見に来てください♪

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