見出し画像

なんとなく なんとなく

なんとなく、YouTubeを見ていていたら。

「なんとなくなんとなく」という歌が出てきました。
最近よく聞いています。

ウクレレの音色とシンプルな歌詞。
そして、つじあやのさんの素朴な歌声で、なんとなくほんわかした感じになる曲です。

なんとなくなんとなく
 
君と逢った その日から
なんとなく しあわせ
君と逢った その日から
夢のような しあわせ
 
こんな気持ち はじめてなのさ
分けてあげたい このしあわせを
 
なんとなく なんとなく
大声上げて 叫びたい
 
困っちゃったなあ
君を好きになっちゃたんだ
ただなんとなく
 
こんな気持ち はじめてなのさ
分けてあげたい このしあわせを
 
なんとなく なんとなく
なんとなく しあわせ
 
なんとなく なんとなく
なんとなく しあわせ
なんとなく なんとなく…

「なんとなくなんとなく」作詞・作曲 かまやつひろし

 実はこの曲のオリジナルは、60年代グループサウンズの「ザ・スパイダーズ」の曲とのこと。

それを つじあやのさんがカバー曲として歌っているようです。

ザ・スパイダーズといえば堺正明、井上順もいた伝説のグループ。
そしてこの曲は、かまやつひろしが作詞作曲。
こちらのオリジナルの曲も、とってもなんだかいい感じです。

歌詞は日常のどこにでもある平凡な言葉。途中の独白はストレートでまじめな感じがちょっとコミカルな感じにも。

難しい言葉を使っているわけでもなく、表現に技巧を凝らしているわけでもない。

そして、シンプルな楽曲。

それでも、それだからこそ、伝わってくるものがあるのかもしれません。

そういえば、なんとなくふと、井上ひさしの言葉を思い出しました。

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかくかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに書くこと

「夜中の電話」井上麻矢(集英社文庫p60)

がん療養中の父:井上ひさしが娘の井上麻矢に夜中に電話をかけてくるようになった。娘に自分の劇団「こまつ座」の運営後継者としての心構えを電話越しに話をした言葉を中心に、井上ひさしの生き方が娘の視線から綴られているエッセイ集。
そしてこの本の中に、「むずかしいことをやさしく、、」この言葉がおさめされています。

井上ひさしの劇団運営の考えというより、組織運営、
生き方のヒントが詰まっている感じです。

父(井上ひさし)の書斎の机の前には、この言葉のメモが目玉クリップで挟まれ、ずっと吊るされてあったそうです。最後まで自分に課した創作への基本姿勢を記したのがこの言葉だったとのこと。

むずかしい言葉をなるべくやさしい言葉で表現するということは、どれだけその事を良く理解しているかに繋がると言われています。

しかし、それに終わらずに、その後に続く考えは、さらに奥に分け入っている感じです。

そして最後は「愉快に」つなげて行くのがいいなあと思いました。

「なんとなくなんとなく」の曲は井上ひさしの言葉に通ずるものがあるような気がしています。

#なんなくなんとなく #つじあやの #ザスパイダーズ #井上ひさし #井上麻矢 #夜中の電話 #むずかしいことをやさしく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?