共振・共鳴・同期
先日、ジャズライブを観に行ってきました。
国内で活躍の有名ジャズバンドと様々なジャンルのミュージシャンが2、3曲コラボしていくという贅沢な企画。
国際的ジャズピアニストとのセッションでは超絶技巧の演奏、即興の掛け合い。
ざわっと鳥肌が立つ感じで、ミュージシャンのパフォーマンスを見入って(聴き入って)しまいました。
様々なミュージシャンの音楽を楽しめましたが、隣の席の女性の楽しいノリノリの姿もまた面白く楽しめました(笑)。
観客数千人を収容するコンサートホールなので基本的には皆座って聞くスタイル。
手拍子はもちろん曲に合わせて手で膝を軽く叩きながらリズムを取ったり、体を揺らしたり。
とっても楽しそう。
「いやー、あの子良いわ〜」と隣の彼氏に熱く語ったり。
感動した曲にはスタンディングオベーション。
3階席にいたのですが周りは立ちあがらず、、
彼氏は静かに聞いているタイプかその対比も面白く。
その彼女は、気持を動かされた演奏にはぐすんと涙を流したり。
ジャズライブを自由に全身で楽しんでいる。
3階席からよく見える1階の様子を見ると、手拍子やノッテてる人やその一角の人たちからだんだんそのノリが広がって行く感じもありました。
自分はそんなにノリがいい方でないので、隣の人のノリは正直始めは「うーん」という感じでした。
しかし、隣の人がノリノリであまりにも楽しく自由に時間を過ごしていると、自分もそれにつられて体を「揺らしたくなる」、
いや「揺れてくる」、
いやいや「揺らさざるを得ない」、、
なんだか、不思議な感じでした。
これもまた共振、共鳴し、同期して行く過程なのかなと思いました。
家に帰って、改めて、複数のメトロノームが同期していく画像を見てみました。
32個のメトロノームをばらばらに動かしても、やがて全部のメトロノームが同期して同じタイミングでリズムを刻んでいく現象。
始めはバラバラなのに、1分30秒くらいには、ほぼほぼそろってきている。
一方で、一番右列の前から2番目のメトロノーム君が全員とまだ同期せず、なんだか踏ん張って自己主張している感じがして、なんだか微笑ましい。(応援したくなる感じも)
2分40秒くらいにはそのメトロノーム君も(あきらめて?)全員の行動に合わせて振る舞うようになる。
ちなにみ、メトロノーム100個の映像も見てみると、こちらも1分過ぎくらいからだんだん揃ってくる。
100個のメトロノームであっても2分過ぎるともう足並みが揃ってくるのは驚きです。
この同期現象を起こすポイントは、メトロノームを動く台にに乗せていること。
メトロノームを乗せる台を左右から吊るすことで台が動くような実験装置となっている。
細かい物理理論は分からないのですが、このような「共通の基盤」を経由して個々の固有の振動が、基盤に伝わり共通の振動になり、そして増幅され、それがまた個々の物体に伝わり、共通の振動数、タイミングとなってくるという感じでしょうか。
ジャズライブのコンサートホールでは、チケットを購入してくる人々なので、その「共通の基盤」が既に出来上がっており、あるいは直ぐに形成しやすい状況にある。
従って、私みたいなノリの悪い人でもなんだか乗ってくるようなフィードバックを隣の人から直接、そして「共通の基盤」から受けていたのかもしれません。
メトロノームという物体と人間を比較する訳にはいかないのかもしれませんが、人間社会、あるいは会社など、一個人と集団との関係においても似たようなことも言えるのではないか。
意図的に、あるいは意図せざる状況で形成された「共通の基盤」からの間接、直接的なフィードバックにより同じ意識、行為をしていきがちであるといういことを認識しておくことは大事かと思いました。
また、一方で、一人、数人の行為が振動となりそれをきっかけに「共通の基盤」が短期間でも形成される可能性があり、そしてそれををゆらし、全体に作用していくことにも繋がっている。
となると、先日、隣でご一緒させた頂いたあの女性のように、明るく楽しく自由に振る舞い、なんか楽しそうと思ってもらうことが「共通の基盤」の形成と伝播に繋がっていくことかなと思いました。
久しぶりのジャズライブ堪能してきました。
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