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THEDAY.HAKUBAブランド ツリーラン専用モデルのストーリーと僕の想いを語る

白馬の山を滑るためだけに開発したスノーボード THEDAY.HAKUBA ブランド。ラインナップの一つにツリーラン専用(森の中を滑ること)として開発した白馬スペシャル150モデルがあります。

ボードのコンセプトは「白馬バレーの森をイルカのように泳ぐ」こと。
ボードのカラーのピンクは、白馬のモルゲンロート(朝焼け)で輝くピンク色のパウダースノーを分析して同じような色にしています。

何故、イルカなのか? 何故、マニアックなツリーラン専用を開発しようと思ったのか?そしてツリーランを通じて滑り手のスノーボーダーに何を伝えたいのか?についてストーリーと僕の想いを語ります。

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なぜツリーラン専用を開発しようと思ったのか?

当初、沢山の方々に「コンセプトがマニアック過ぎて需要ないよ」「ツリーランのためにスノーボードは買わないよ」等など... ご指摘を頂きました。

大丈夫です。
ゴールは失敗なので問題ありません。

需要のためにやっているのではなく、僕自身がツリーランに対して森と一体感が感じられ、まるで薄暗い秘密基地に向かって滑っていくようなあの感覚が好きだからです。

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森の中を滑っていると森に守られているような感覚や子供の頃に子供同士で遊んだあのワクワクした気持ちに戻れるのも好きな要因です。

なので僕が、住んでいる大好きなフィールドである白馬バレーの森をスノーボーダー目線で研究。

木の立ち方や間隔、木と木の間をクイックかつ軽量で仲間と滑れるようなシェイプ(設計)にしました。スノーボードとスノースケートの中間的なフィーリングです。

しかし、それは表面的なことで森を知れば知るほど深い事実を知った。

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実は、人間が見えている森が全てではない

森について30年間研究し続けてきた生態学者のスザンヌさんによると「木々は会話し複雑な社会生活を送っている」ということ。
人間同様、森にもシナプスがあり地下の細菌ネットワークにより炭素を送り助け合い木々が共存している。

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人間が目で見えている森は表面だけだった。
木々は、生存競争をしているのではなく長い年月でお互い不足しているところに炭素を送り合い助け合って生きているということ。

つまり森の地下には森だけの社会&インターネットのようなものがあったという事実。

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見えている森が全てではなく、森の地下を含めた部分が「本当の森」であるということ。地球で例えると地上の部分だけではなく、海の底も含めて「地球」であるのと同じ。

つまり、僕達スノーボーダーは、ツリーランにおいて森の地上と地下のちょうど境目を滑っている。海でいう「イルカ」であるということ。

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※生態学者のスザンヌさんの動画は下記より※

そんな中、世界の森林は破壊され続けている

2050年世界人口は100億人へ。30年で1.3倍へ。
このまま人口増加&現状の大量生産、大量消費型が続くと森が破壊され続けると言われている。
つまり、同時に人間より遥かに長い年月で構築してきた森の地下ネットワークも破壊しているということ。

一例として、マレーシア領、インドネシア領にまたがるボルネオ島ではパーム油の生産を目的とする熱帯雨林の農地転換によりすでに50%以上の森林が消失していると言われている。

パーム油は、消費国において主にポテトチップスやカップラーメン、フライドポテトを揚げるために使われる。

僕達の生活は大量生産、大量消費から切り離せない部分も多く1人1人が何をどう行動したら良いのか分からない部分が多い。

何が正解かではなく、白馬の森を滑ることにより滑り手の皆さんに少しでも「森」について考えてもらうキッカケをスノーボードで作りたい。

FireShot Capture 134 - 森林破壊の原因って?森林破壊を止めるために、今日からできること|WWFジャパン|WWFジャパン - www.wwf.or.jp

(※参考  https://www.wwf.or.jp/campaign/forest/)

最後に:白馬スペシャル150のスノーボードを通じて

僕達スノーボーダーはツリーランの時、目で見えてる森が全てではなく、人間より遥かに長い年月でできた森の地下ネットワークをボードのソールで感じながら境目を滑っている。ということ。

そしてツリーランは、何千年レベルの森の生命の生と死の連続性の上に小さな自分がいることを滑りながら教えてくれる。
それらの伝達手段の一つがスノーボードやスキーであると思っている。

白馬スペシャルモデルのコンセプトでもある「白馬バレーの森をイルカのように泳ぐ」を通じて、仲間と楽しく白馬の森を滑りながら一人一人が「森」について何かを考えるキッカケになりますように。

(※カッコいいことを言っていますが、下記のツリーランの時は何も考えず夢中で滑っていました※)

ー終わりー

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