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THE W決勝の各コンビを褒めまくってみた

構成作家・放送作家・漫才作家の里村です。

今年もTHE Wの優勝者が決定しましたね。吉住さん、おめでとうございます。今回で4回目となりましたが、年々レベルが上がっていってると思います。1回目の時は叩かれまくったものですが、優勝者をスターにすることで番組の格を上げ、女性芸人の底上げに貢献しているのは間違いないです。

それぞれのネタの感想を書いていこうと思うのですが、作家が単なる感想を書いても仕方ないので、それぞれのネタがなぜ決勝に行くに値したのか、ネタの優れた部分を挙げていきます。「THE W面白くなかった」とケチつける人がいますが、決勝に来ている理由があるはずなのでとにかく全部褒めます(どうも最近は傷つけない笑いが流行ってるそうですし)。女性芸人のみなさんのネタ作りの参考になればと思います。

Aブロック
①TEAM BANANA


得意の腹立つ女子への偏見やあるあるネタだが、それを漫才の王道の設定であるシンデレラと融合してきたところがまず評価のポイント。女性芸人がこの「女子への偏見・あるある」のネタで陥りやすいのが、偏見やあるあるを終始並べるだけで終わり、設定が取って付けただけになること(例えば「計算高い子とデートに行ったら…」のような設定。これではただ単にネタのテーマを決めただけで、ネタのプラスになることはない)。逆にしっかりした設定にはめることで、多少ありきたりなあるあるもウケるように持って行っていた(これはシンデレラという現実離れした童話に、現実が入ってくるというギャップが生まれるため)。

さらにネタ時間が4分ということもあり、「女子への偏見・あるある」と相方いじりの両構えであったことも評価が高い。前述のこのタイプのネタのダメな点は羅列なので飽きるという所。3分では逃げ切れるが、4分となると右肩下がりになることが多いのでそれを解消している。また、こういう場合に女性芸人は一度話からズレると戻ってこないことが多いのだが、相方いじりがシンデレラの話に帰結するように持っていってたのも見事。

また、ツッコミの藤本がただ否定するだけではなく、のっかるところはのって、ツッコむところはツッコむメリハリも良かった。

テクニカルな女性漫才師という点で、ダントツで巧かった。最高のトップバッターとして今大会を盛り上げてくれた。

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