自分は差別していると認めたくない人の言い訳に。

「同性婚を認めたら社会が変わってしまう。」「隣に住んでいるのも嫌。」

その言葉を聞いて真っ先に思い浮かんだのは数年前に自死の道を選んだ仲間と、同性パートナーとの婚姻を待ち望みながら闘病の末に亡くなった人たちの顔だった。

「結婚」というシステムを同性同士でも使用できるようにする
というたったそれだけのことを、親の仇の如く忌み嫌われる意味が僕にはよく分からなくて、
Twitterで得意のエゴサーチしてみた。

そうしたら一番に「犯罪が増える」というワードが目に飛び込んできた。
「スパイが同性と偽装結婚をして国内に侵入して犯罪を犯す！」というのだ。

そこまで想像力があるのはすごいと思ったし、そうなのか…と納得しそうになったけれど、
よく考えたらSPY×FAMILYでロイドが偽装結婚の相手に選んだのはヨルさんだ。思いっきり異性婚。
異性婚でも偽装結婚してスパイ潜入できたということに、僕は気がついてしまった。

同性婚を認めたら起きると言われていた犯罪は、異性同士もできるんだ。
同性愛者になすりつけないでもらいたい。全くもう。

それに同性愛者でも異性愛者でも、犯罪者は犯罪者だし、そうでない人はそうでない人だ。
同性愛者だけが犯罪を犯す！みたいな勢いで同性婚を認めることに反対している人は、
もう少し世間のニュース見た方がいいと思う。異性愛者の人も犯罪は犯してるから。

こういうことを一つ一つ丁寧に「それは同性愛者だけの問題じゃないですよね」と説明をしても
理解をしてくれない人が多いのはとても残念に思う。

結局はご自身の中にある嫌悪感や不快感に、それっぽい理由をつけたいだけだ。
多くの人は「進んで差別をしている」と思われるのが嫌だからね。

自分のこの感情は正統だ、差別ではなく日本国を思ってのものだ。そう思い込みたいのだ。

同性愛者が既に子育てをしていても、そこから目を逸らして「少子化が進む」というし
異性愛者だって犯罪を犯しているけれど、それは無視して「同性婚を認めたら犯罪が増える」という。
社会的な補償をする必要がないというならば、税金を払わないようにしてほしい。
同性愛者だって皆と同じように所得税も住民税も消費税も払っている。社会的な補償を受けるのは国民の権利だ。

ちなみに、同性婚を認めていない日本で、既に少子化は進んでいるんだから少子化は同性愛者のせいではないと思う。

こういう風に説得すると最終的にみんな「気持ち悪い」「受け入れられない」に至る。

ほらね。そこなんだよね。

自分の嫌悪感や感情で、同性愛者の人生を否定するんだ。
嫌なら、関わらなければいい。同性愛者と縁を切ればいい。

そうやって世界を狭めて、生きにくくなればいいよ。
それを、今まさに同性愛者に押し付けているんだから。

この生きにくい社会の中で、あなたの隣で、
今日も僕は推しを愛でている。