見出し画像

ゴールデンシバスキー、そんな犬種はないですが ー3

ガンと余命宣告

去勢手術して3年。
テツ13歳の頃です。
その日は朝から嘔吐し、ご飯も食べず、また嘔吐。
テツは家の中ではトイレしないので、必ず朝晩散歩に行くのですが、散歩に行ってもまたトボトボ歩き。
というよりも歩くのすらしんどそう。
獣医さんのところに行くと、お腹に癌ができているとのこと。
かなり大きいので取り切れるかわからない、取っても治る保証はできないし、取らなければ余命は週〜月単位でしょう、そんな説明を受けました。
歳も歳だ。。
できることはやったんだと思って見送りたかったので、とにかく諦めず、手術を受けさせることにしました。
手術費用を聞いてびっくり仰天しましたが、テツのためだ!と、実家と兄弟にカンパをしてもらって、13歳の冬の日、手術してもらいました。

去勢手術の時はその日のうちに帰れたのですが、今回は3日の入院。
3日たって家主さんと連れて帰ってきたのですが、ぐったりしていてなかなかシャキッとしません。
それでも、だんだん元気になって、先生もびっくりの回復を見せました。
ゴールデンシバスキーは強い!

家主さんの犬と。テツは若い犬が苦手

私も変化

結婚を機に、家主さんの元を離れて、車がほとんど来ないような那須の山の方、雑木林の中にあるバリアフリーの平屋に引越すことになりました。
手術後、約半年経った頃。
余命宣告されたことが嘘のようです。
家の周りは、ごろごろとした石ばかりの未舗装道路で転倒の危険があり、私の外歩きは自ずと車いすです。
ですが、これが幸いしました。

以前はよく整備された公園を散歩させていましたが、私の足の問題であまり長い距離を散歩できませんでした。彼にはかわいそうなことをしました。
今は長い距離を付き合えます。
テツはクン活が朝晩の飯より大好き。草や落ち葉、電柱、木、大きな石、そういうのを一つ一つ嗅いで回ります。
私は車イスに座っていられるので体が楽、しかも安全。
私も軽くクン活。朝の空気、夕方の空気、雨上がりの空気。木の匂い、葉っぱの匂い、近所の牛舎の匂いなどを嗅いで、那須の山を眺めながら、鳥が木をつつく音や囀りの声を聞きながら、ゆっくりと散歩します。
車が来ないばかりか、人とも犬ともめったに会わないので、リードを長くしても大丈夫。
公園の時は短いリードでしたが、こちらでは伸縮リードを使います。
那須の冬は雪も降るし風も強い。雨の日も、車いすでカッパを着て出かけます。

カッパを着るのも初めは嫌がり、夫婦二人がかりでした

ボケたのか

引っ越して2年目の冬、テツにまた異変が起こりました。
そわそわと歩き回るのです。
そして家の中で粗相。大も小も。うんちはややゆる便です。
彼は家の中で粗相することがなく、だからこそ我慢させないように散歩に出るのですが、この時は様子が違いました。
じっとしていられず、おしっこやうんちのポーズばかりして家中を走り回ります。
見かねて外に出しますが、リードが木や石に引っかかって間に合わないほどで、仕方なく放してやりました。
庭中をうろうろしているので、ボケてしまったのか・・と。
かかりつけの獣医さんがその日は休みだったので、別の獣医さんのところへ連れて行き、その日は下痢止めの薬をもらって帰ってきました。
幸い夕方ごろには落ち着いてきましたが、その日から家中にトイレシートを敷くようになりました。

真冬の最中で、迂闊にも水道を凍らせてしまって水が出なくなった日のことでした。思い出すだに辛い試練だった・・・。
4リットルの焼酎ペットボトルに、ご近所さんで水をたくさん入れてもらって運んできて・・・。
そんな折も折、テツがおかしなことになって、ベッドや何やらをペット専用のコインランドリーまで洗濯に行くという、障がい者にとってはかなり過酷な事態。
この頃から、犬の老いについて先々を心配するようになりました。

膀胱炎です

という診断でした。
かかりつけの獣医さんはテツの病気は、なんでも一発でわかってしまう人です。
「膀胱の壁がこんなに厚くなっている、これは相当ですよ」

抗生剤を飲ませて様子を見ると、飲み切る前にはもう落ち着いてきました。
粗相事件の時にトイレを作ってやったのですが、「そこにしていいんだよ」と言い聞かせても絶対に家の中ではトイレしません。
ヤバい事態になると、自分のベッドにしてしまいます。
人間の場所を汚さないように、という彼なりの配慮かなぁ、などと理解してあげてます。

膀胱炎を患ってから、テツは大量の水を飲んでたくさんおしっこを出すようになり、今に至っています。
誰に言われなくても、自分で膀胱炎の回避の方法をわかっているようです。年齢的にも、膀胱が硬くなってあまり溜められないのかな。
それで、朝晩の散歩のほかに、朝寝起き一番、午前中もしくはお昼、夕ご飯の後、寝る前、に、すぐそこの玄関先ですが、トイレに出すようにしています(すぐしてすぐ戻るテツ)。

現在は、甲状腺の他に膀胱炎の検査も定期的にしてもらって、様子を見ています。

→4に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?