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セッションや伴奏で大事なこと

先日、バンド形式のセッション会にアコギ(と、一曲だけ歌)で参加してきました。
セッションといっても、弾く曲をステージ上で決めて即興アレンジの掛け合いを楽しむような高度なものではなく、ボーカルが歌いたい歌を予め指定して順番に1-2曲ずつ歌い、プレーヤーは事前に曲を割り振られ、独自アレンジではなく原曲を再現する方向性で各自練習していって当日合わせる・・・というものです。

ネット上では不特定多数が見ていますからね。
どこのどんなセッションだったかは、聞かないでくださいね。
どの会の事か分かっちゃったって人も、コメント欄等に書かないでくださいね🩷

残念だったことと、嬉しかったことがありました。

残念だったこと

古株プレーヤーの一人が非常に癖の強い人で。
音響のテストをしているだけの段階で突然「君はバンドサウンドってものを理解してない」とこちらを全否定する言葉をぶつけてきたのに始まって、いちいち喧嘩腰で突っかかる突っかかる
歩み寄る気は皆無、「え、それはアコギのせいじゃないでしょ」って事までアコギのせいにして一方的にこちらを否定し、命令する。
自分のお気に入りらしき人達が明らかに準備不足だったり大きくミスっても何も言わず、自分自身が大きなミスをしても謝らず、そのセッション会では新参だった私に集中砲火

練習スタジオや控え室での出来事じゃないですよ?
本番のステージ上、参加者全員が見ている前で!!

私は私の演奏レベルを知る幹事に誘われて参加していたので、場違いなレベルで参加してしまった訳ではないですよ?
というか、たとえ場違いなレベルの人が間違って参加してきたとしても、他人をあそこまでけなしていいものではないです。

非常に不愉快な思いをさせられました。

セッションで大事なこと

その人の態度は、私が途中でキレて会場を去ったとしても誰も咎めないだろうなという位酷かったのだけど。

少なくとも私の解釈では、セッション会で一番大事なのは、バンドが一丸となってボーカルが気持ちよく歌える場を作り出すことだから。

ステージ上で、衆人環視状態で他の演奏者を侮辱して恥をかかせたり動揺させたり、それを見ている他の演奏者やボーカルを萎縮させたりしたらもうそれだけで、どれだけ個人としての演奏スキルが高かったとしても、そいつはセッションプレーヤー失格だよ。

私は、会を楽しみにして参加してきているボーカル達から歌う場を奪いたくない。
何か月も前から準備してきた幹事の顔を潰したくない。

だとしたら私がすべきことは、ステージ上で喧嘩を買ったり席を蹴って立ち去ることではなく、与えられた枠の中で皆に楽しんでもらうことに全振りすることだけ。

私は私よりもっとずっと上手く、セッション慣れもしていて、ボーカルや当日の雰囲気に合わせて変幻自在に弾く内容を変えられるアコギ弾きが大勢いることを知っている。

でも、私の演奏も、後で聞き返してみても、テンポずれてない。リズムずれてない。キメずれてない。
セッション慣れはしていない分、ちゃんと練習していったし、原曲と基本を忠実に守って、他のプレーヤーを邪魔するようなスタンドプレーはしていない。
事前に各自練習してきたものを合わせればいいだけのはずの気軽なセッションだったのに、その人から直前になって変更を要求された。その部分も私はちゃんと弾いてみせたし
ボーカルが小節をすっ飛ばした時にもちゃんとついていったし
本番中に他の楽器の奏者が弾くべき内容を忘れて演奏が止まりかけた時にはその楽器のパートをアコギで弾いて繋いだし
その古株氏が撒き散らす毒の防波堤になって私自身は冷静・にこやかに振る舞い(苦笑)
前奏の拍を上手く数えられないと相談してきたボーカルがいれば前奏の終わりに合図の音を入れ、曲中で迷子になったボーカルがいれば目線で合図し、とサポートもして。

私は、私の仕事をきちんとやり遂げたと、はっきりと言える。

ボーカル達が皆楽しそうに歌っていたこと。
あなたのアコギは歌いやすかったと感謝してもらえたこと。
そして、演奏の最中で歌い出しに不安を覚えたボーカル達が「セッションのベテラン」のはずのその人には目もくれず、私を頼ってきたこと。

それらを見た時に、私は私の戦いに「勝った」と思ったんだ。

私は過去に、その古株氏を聴衆として観ていた時に、やはり他のプレーヤーの演奏に口をはさんで・・・その時の被害者は見るからにセッション初心者で「頑張ってなんとか一曲仕上げてきました!」という感じの人だったのに、ステージ上で突然、練習してきたのとは違う内容を弾けと命令され、気の毒に演奏を崩壊させてしまった。
正直、彼が原因でセッションが怖くなったり、楽器そのものをやめてしまった人もいると思う。
今回も参加者の中には、その人の私への攻撃を客席から見ていて「なにこれ怖い。もう帰りたい」と言ってる人がいた。

それがその人の言う「バンドサウンドを理解する」ということなら、私は一生、理解するつもりはない。

嬉しかったこと

こんな目に遭って、私も動揺してその後の演奏が崩壊してもおかしくなかったのに
曲の冒頭がアコギのピックアルペジオによる独奏といったプレッシャーがかかる部分も含め、演奏そのものを乱すような大きなミスは、ゼロですよ。ゼロ!
(小さいミスはしましたよう。そんなの、みんなそうでしょ?)
私、豆腐メンタルなのに、すごくない?

それでね。
なんであれだけキツく当たってこられたのに平常心でいられたのか、自分でも不思議だったのだけど

後になって「そうか」と気付いたんだ。

私は、アコギパートでセッションに参加し始めてからはまだ日が浅いけれど、ボーカルのみでは二十年近く前からセッションに、十年近く前から弾き語り会に参加してきているんだよね。

私は大人になってから歌や音楽を始めて、始めたての頃は謙遜抜きで滅茶苦茶下手だったんだけど、
明らかに声が出ていなかった時にも
アコギを始めたてで雑音しか出ていなかった時にも
よく来たねって笑いかけてくれて、緊張をほぐそうとしてくれたり、さりげなくサポートしてくれたり、良い所をみつけて褒めたり前向きな助言をくれた人達が、大勢いた。

先輩アコギ弾きに、こんな質問にお付き合い頂いたりも。聞かれた方は困ったと思うなー・・・w

他のセッション会でアコギデビューした時も、ボーカル達は次々と、危なっかしい演奏しかできないと知った上で私を指名して、自分のバックで弾かせてくれた

他方で一部には、他人のことをけなしたりマウントして回る残念な人達にも出会ってきたから、・・・その手の人に遭遇しても、今更驚きはしない。😂

バンドセッションでは、アコギはせっかく難しいコードや旋律を弾きこなしても、他の楽器にかき消されて観客の耳には届かないことも多い(なのに何故かミスった時だけは目立つ!)という切ない役回りなのだけど
過去にボーカルとして参加したセッションで、アコギが隣で淡々とコードを鳴らし続けてくれることでボーカルが迷子にならずに歌えるのだと実感したから、今回のセッションでは私自身が、ボーカルを支えることを意識して弾いたよ。

(わしもそう思うー。卵に砂入れました的なやつ代わりに振っといてもバレないと思うー。)

私は、事前に原曲を聴いたりカラオケで練習していっても、色んな楽器の生音が一斉に耳に入ってきた途端に歌い出しを見失ってしまうことがあるのを知ってる。
だから私は、ボーカルのサポートもできるプレーヤーでありたいと思うよ。

今回私がしたことは、全部全部、私がしてもらってきたこと。

事前に、アコギの先生に譜面や演奏、バンド内でのアコギの役割について色々相談しチェックしてもらっていて「指導いただいた通り・練習した通りに弾けば、大丈夫」という自信があったのも大きかった。
プロギタリストがOKと言っている演奏なのだから、アマチュアバンドマンがいくらNGと言ってきても、OKでしょう。普通に考えて。
いずれは誰に頼らなくてもゆるぎなく弾けるギター弾きになれたらと憧れるけれど、今はバックアップし導いてくれる存在に甘えましょう。

なんだ。私、色んな人達から
本当にたくさんの事を教えてもらってきたんだ。
本当にたくさんの、「宝物」を受け取ってきていたんだ。

私は、伴奏する時には、ボーカル達が安心してのびのび歌える伴奏が出来るアコギ弾きでありたい。
そんな軸は既に私に沁み込んでいて、ゆるがない。

すごく残念な思いもしたけれど、楽しむべき人達にはちゃんと楽しんでもらえたと思うし、私も楽しめた部分はあったし、大事な事にも気付けたから

とてもいい気付きを得た一日になったと思ったんだよ。

そして、これまで出会ってきた皆に、大きな声で「ありがとう」って言いたくなったんだ。

(画像引用元:のだめカンタービレ 二ノ宮知子、Yahoo!知恵袋)


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