見出し画像

私はこのギターと一緒に歌いたいと思ってしまったんだ。

私は最初、アコギは買わずにアコギ風のサイレントギター一本で、5年位?練習してきた。
それは、集合住宅住まいの私にとっては、正解の選択だったと思う。
最初から練習場所に気を遣わないとならないアコギを買っていたら、確実に挫折してたと思うから。

最初の数年は中々練習も捗らない「万年初級者状態」ではあったものの、1年以内に挫折する人が9割と言われるアコギが5年続いた頃「そろそろサイレントではない本物のアコギ買ってもいいんじゃない?」って思って
初めてのアコギを買いに出かけたんだけど。

なんだかイメージに合うギターがなくて

サイレントギターすら弾いたことのない初心者ならね。言われるままに2,3万で買える初心者セットか、もっと予算がある場合は有名どころのギブソン・マーチン・テイラーの中から予算に合うものを買ったんだと思う。

でも、「初めてのアコギ」を買いたいと思った当時の私は、サイレントギター歴だけは既にあって、耳だけは育っていて。
ギブソンもマーチンもテイラーも、素晴らしいのだけど「なんだか私が欲しいギターの音色とは違う」とか感じてしまったんだよね。

楽器店、5軒も周って。

購入の相談をしてたベテランギター弾き君も
「コイツ買う買う詐欺で結局買わないんじゃ・・・」
と疑い始めている空気がヒシヒシ伝わり始めて

私自身も「もうここら辺で決めないと、もうどこに行っても同じかも」と思い始めた頃に

🎸姫(=私のギターの名前)と出会ったんだ。

予算的・メーカー的に「これ、でも、いいかも」というギターは何本かあった。
ま。ギブソンかマーチンかテイラーあたりで選んでおけば、あるいは国内では手堅いヤイリのギターから選べば、大外れの音はしないし、どこに持っていっても引け目は感じなくて済むし、大きい後悔はしないよね。

でも、「これ、が、いい」と感じたギターは、ダナ・ボジョアなる、知る人は知るけど知らない人は知らない、当時の私は聞いたこともなかった職人さんがつくった、姫だけだった。

しかもね。姫の音を聞いた時、私、

「私はこのコと一緒にうたいたい」
って思っちゃったんだよね。

ギターが伴奏をして、私が歌うんじゃない。
このギターと一緒に歌いたい。

わかる?

まあつまり・・・それは、ギター用語に直すと
ソロギター的な演奏をしながら歌うっていう
めっちゃ難しい類の弾き語りをしたいってこと・・・なんだよね。

あれは、呪いだったかもしれない。
祝福だったのかもしれない。
それは、きっともっと先になって、分かること。

私は姫と出会った瞬間のあの瞬間に感じた鮮烈なイメージを現実のものにしたくて、今も格闘を続けてる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?