見出し画像

初心者にとって楽器店でギターを買うのは怖くないけれど注意点もあると思う

「楽器店でギターを買う」初心者にはハードルが高いですよね。
私もでした。
価格の相場も、どんなギターが欲しいかも分からない状態ではなおさらです。

楽器店の店員は熱いけど、怖くはない

楽器店の店員は自分もギター弾きであることが多いから
単板命!ヤイリLOVE!
みたいにご自身のギター愛と信条に溢れた接客をしてくれる店員さんが多いです。

だからこそ初心者はビビってしまうのですが
何店舗か回って何人かの店員さん達の話を聞いていると
・・・店員はそれぞれ熱い「推し」を持っているだけで、言ってる事は案外バラバラだなとわかってきます。
そもそもギターの客観的な価値はすべて価格に反映されていますから、結局は予算の中で好きなものを買えばいいんですね。
そして、勇気を出して試奏するうちに
自分はどんなギターが欲しいのかイメージがわいてきます。

お店ごとに品ぞろえも違うし
手取り足取り説明してほしいのか、自分で気が済むまで試奏したい=放っておいてほしいのか、という距離感的な店員さんとの相性もあるので何店舗か回るの、重要

弾いても分からなければ、弾いてもらう

お店での試奏は初心者にとって高いハードルですが、これは簡単な話。店員さんに頼めば弾いてもらえます
ある程度弾ける人も、ギターは前に音が出る楽器なので、店員さんにも弾いてもらって前から聞くのも大事かと。
ギターの音なんか分からない、と思っていても案外好みはあるもので、分かる分からないではなく好き嫌いで選んでいいところだと思います。

試奏は上手くなくていい

多少でも弾ける人は、ぜひ試奏して選んでください。上手くなくても大丈夫。
試奏でサラサラっと超絶技巧を繰り出して居合わせた人達が足を止める、みたいのは憧れますけどね!
私はあえて練習中で上手く弾けないフレーズを試奏しまくりました。どんなギターでもスラスラ弾けるようなフレーズでは弾きやすさを確認できませんからね。

サイズも、とても重要

抱えてみてしっくりくるサイズかを確認するのも、とても重要です。
ギターの良し悪しとは別に、体格との相性で、おさまりがいいギター・悪いギターがあります。
アコギの場合、有名なギターには「ドレッドノート」と呼ばれる大きいギターが多いのですが、初心者、特に女性の場合は「フォークタイプ」と呼ばれるやや小ぶりでウエストがあるギターの方が弾きやすく疲れにくく挫折しにくいと思います。

女性は、ネックも細めの短めがいい、と思う

これは巷ではあまり聞かない意見なのですが、女性はネックの太さと長さもチェックした方がいいと思います。
ギターは元々、西洋人の体格に合わせて発達してきた楽器ですから、ボディもネックも、すべてが小さ目のものの方が日本女性の体格にはフィットしやすい、「指が届かない」問題が起こりにくいと感じています。

こんなお店には要注意

大体そんな感じで、楽器店は怖いことなんかなかったのですが
初心者とみると強引な売りつけをしてくる店員もいるから注意も必要です。

楽器店内は湿度調整や防音の関係もあってわりと密室感があり、またギターを出してもらいチューニングしてもらい説明してもらい試奏までさせてもらって断るって出来るだろうか?と不安になりがちですが、
忘れないでください。どんな場合でも、即決する必要はありません。

私が経験したのは
「アコギを買うのは初めてなので色々弾き比べて選びたい
と言ってる端から私の要望は無視して
ギターを選ぶ手順は
メーカー→型番、生音→アンプの音
弾き比べるのは必ず二本だけ、というマイルールを押し付けてきた店員さん

(注:アコギを買うのは初めてだけど、サイレントギターを数年弾いてきていてギター自体は初めてではなく、そこそこの値段の長く使えるギターを買いにいった時の話です。)

ヤマハとマーチンから一本ずつ持ってきて選ばせ
マーチンを選んだら次はマーチンとギブソンとで選ばせてメーカー決定。
次は、マーチンの中から予算内の二本持ってきて選ばせ・・・という具合。
「ギブソンとももう一度弾き比べたい」
と伝えても「一度却下したメーカーなら何度弾いても同じ」と言って却下。
(いやいや。ほんの少し触った位では判断できないし、同じメーカーでも、大きさや材質、個体によっても音、違いますよね?)
エレアコだったのでアンプを通した音も聴きたいと言っても「それは生音でギターを選んだ後、最後に確認してもらいます」と却下。
(いやいや。生音とアンプを通した音はかなり違うし。エレアコで生音とアンプを通した音、どちらを重視するかは店員が決めることじゃないでしょ?)

終始、店員さんのルールでギターが運んでこられ、どんどん絞り込むよう指示されて・・・
(注:楽器店では、客は勝手にギターを触ってはいけません。店員さんが許可してくれたギターしか試奏できません。)

ついに「最後の2本」になり「どちらにしますか」と聞かれたとき。
・・・え、なにこれ。ここでどちらかを選んだら「お買い上げ」宣言をしたような流れになっちゃうじゃん!
私はどちらも買いたいと思わなかったので「検討します(=どちらも買いません)」と伝えたのですが、その時の表情で「ああ,この人はこうやって自分のペースに巻き込んで考える暇を与えず、買わない選択肢はないような心理にもちこんで、即決で売りつけるのが手だったのだな」と確信しました。

ギターは初心者セットでも数万、長く使う用なら十数万~数十万はする買い物ですから、即決はしないのは普通のことです。
少しでも迷ったら。
いいえ、買う方に気持ちが傾いていても即決はせず、一旦はお店を出て冷静になってから決めた方が無難です。
普通に良識のある店員さんなら気持ちよく送り出してくれます。

初心者は基本的に「自分はギターが分からない」という不安を抱えています。
断定的な事を言ってくる店員さん(=プロ)がいると
内心は「これじゃない、気がする」と感じていても
自分の感覚の方が違うのではないか、と思ってしまいがち
です。

勿論、店員に決めてもらいたいと思う人はそれで構わないし、「ギターは何を基準に選んだらいいか分からない」と戸惑う初心者は多いでしょうから、その店員さん流の体系立った絞り込み方の提案自体は、非常に参考になるものだったと思います。

でも、あなたが初心者ならなおさら、納得できないギター、ワクワクしないギターはだめです。
理由は明確。弾かなくなるからです。
特に、高いのに気に入らないギターなんて最悪です。
ギターなんて最初は指が痛くなるばっかりでちっとも弾けるようにならないのに、「自分は無駄金を払ったのかも」とモヤモヤを抱えていれば、ギターを見るのがしんどくなって余計に弾かなくなる、の悪循環が始まります。

音は「分からない」と思っていても案外好みはあるものです。
他にも、色でも手触りでもいい。
好きなミュージシャンと同じ型番、という理由でもいい。
木目の模様が犬みたいに見えるのに親しみを感じる、でもいい。
分からなくていい。とにかく「これがいい」と感じるギターを選ぶのが重要です。

結局私は、店員ではなく「私が」弾いてみたいギターを何本でも試奏させてくれ、もっとこんな音のギターはないかと聞けば何本か見繕ってきてくれて試奏させてくれ、まるっと半日も居座って10本位弾かせてもらったお店で・・・予算オーバーだったけれど音に惚れ込んだギターを買って帰ってきました。

世の中、楽器店はたくさんあって
いくつか回るうちに自分の好みもはっきりしてくるし
初心者でもワクワク出来るギターを探すのを手伝ってくれる店員さんはきっとどこかにいるので
最初から何店かは回るつもりで探してみるのがいいように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?