見出し画像

家に帰る

午後8時25分わたしが帰路に着くころ

ふと、もうここ(この世)にはいないかもしれない

と思ったころ

たしかに、もう、いなくなってしまった

デイサービスに通ってくれていたOさん

家族が介護に不安を感じていたため
デイサービスにいる時間が長かったけれど

いつも
「家に帰りたい」
「家のベッドで寝たい」
と言っていた

本人の意思は固く
わたしたちもそのお手伝いをする

わたしたちのような
日中活動をしない
何もしないデイサービスを
好いて
楽しんでくれていた

週が明けた今日、
顔を見せるように
最期の日にも
「えらい」と言いながらも
にこりと微笑んでデイサービスに来てくれていた

Oさんは最期までしっかりしていた

家族の待つ家に帰り
あの世へいった


わたしのおばあちゃんも今年のお正月
最期に家族に見守られて

一筋の涙を流してこの世の命を終わらせていた

「ありがとう」と
おばあちゃんが言っているように思えた

わたしも
「ありがとう」って思う


最期の最後まで

一緒に笑って生きていたい

そう心に刻みながら

目の前の大切な人と過ごしていく



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?