恋なんてきらい

だめだよ

忘れられないよ

だから恋なんて嫌いなんだよ

何をしてても思い出す


あの人に会いたい


でもそんな願いは

叶うはずもなく


苦いコーヒーを入れて

一気に飲み干す

「まずい」

この苦くなった恋心も

さっさと離れてくれればいいのに

一向にその気配はなく


うざったい


心なんてなくなればいいと

あたしは端的に考えて

体の痺れという無言の反逆に悩まされる

「ごめんて」

まったく

自分の体なのに

思い通りにならないんだもんな

重い体を支えきれなくて

目の前のテーブルに突っ伏した


はーあ

恋心なんて

さくっと忘れられたらいいのに


どうにもならない堂々巡り

これで一体何巡目?

本当いい加減にしてほしい

なんて

まるで他人事


だって

自分でどうにもできないんだもの

どうしろっていうのよ実際


失恋には新しい恋だ

なんて言うけれど

その恋もいずれ終わるのよ

終わった後には

このくさくさと心がささくれ立った状態が残るの


もう恋なんてこりごりよ

人を好きになるのなんてこりごりよ


あたしはもう人を好きになんてならないんだから

そう決めたんだから

ってそれも

何度目の決意なのか

頭が痛くなる


痺れるくらいの眩暈を覚えて

あたしは眠りに身を委ねる


このまま溶けて消えたらいいのに


恋なんて大っ嫌いだ



#創作 #恋

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