シスター 夏の分かれ道


シスター 夏の分かれ道


泣きました…後半は特に

自分が物語の背景がわかっていなかったからか、なんでこんな扱いを受けているの?ってなってしまったから、最初から知ってたら物語に入り込めてたのかな…と少し残念に思いつつ

結構良い話でした
自分の思うように強く生きたくても、そうさせてくれない世の中でもがきながら生きている姿は見ていて苦しかった。

一人っ子政策、家父長制が風習として存在する中国。
主人公のアン・ランのもとに、疎遠となっていた両親が交通事故で亡くなった知らせが届く。
そして葬儀の時に知った、弟の存在。なぜ自分に弟が?それは、自分が必要とされていなかった。女性として生まれたから…。
自分が必要とされていなかったことについて自覚していたのは、アン・ランの過去回想から読み取れたけど、家族写真の裏に隠された、「娘の足の障害のため、第二子を望む」と書かれた紙を発見。その望まれた子が、急に自分の前に現れ、親戚はその子の世話は姉であるからあなたがするべきなのは当然でしょうと押し付けられる。
自分は自分の人生がある。自分の人生は自分で生きる。だからその子の面倒なんて見てられない。そもそも、両親の愛情はその弟に注がれてきたんだとわかってるなら尚更無理だと思う。

養子に出すために里親を探す。その間は仕方がないから面倒を見る。
自分だって面倒見たくて見てるわけじゃないのに、周りにあれこれ言われるなんてたまったもんじゃない。ならあなた達が面倒見てよ!と言いたくなる。
お姉ちゃんは、気が強くて、言いたいことはハッキリ言う。責任持てないから責任持てないってはっきり言う。

おばさんとスイカ食べるシーンの会話に感動。それまでのおばさんの話的には、私はあなたのお父さんを学校に行かせるために働いた。長女だから。だからアンタも我慢しないといけないのよ
と言った感じに受けていたけど、そのおばさんもやりたいことがあったのに、諦めざるを得なかった、自分よりも弟の方が可愛がられていたことから、主人公のことを告白する。そこから出てきた、「自分の人生を生きなさい」という言葉。
「自分の人生は自分で決めて生きていきたい」そうして親から自立し、頼れるのは自分だけだと、1人強く生きてきたアン・ラン。
でもそんな彼女が生きるのは男子優先な社会。生きづらい世の中で必死にもがきながら生きる彼女にとって、誰かに言って欲しかった言葉だと思う。そりゃ刺さりますよね…

看護師として勤めていた病院を辞める時、妊娠していた妊婦が他の病院に緊急搬送される。だが、このまま出産させるのは母親の命も危険に晒す。それでも出産させると聞かない夫。
「女性に、自分に決めさせて!」と叫ぶ姿は、自分の心の叫び声なんだろう…娘もすでに2人もいるのに、なぜ子供を望むの!?母親の命を落としてまですることなの!?と、
望まれずに生まれた自分の存在についての、問いかけでもあるのだろうかという感じがした。女として生まれることはそんなにいけないことなの?と
…考えすぎかな?でもほんと、私も長女として生まれていているので、その叫びがとても痛かった。

先輩医師との会話、「看護師なんかじゃなくて、医者になればいいのに」その言葉に、〒看護師じゃダメなんですか!?」と突っかかる
なんでそんなに?と思ってたら、過去に理由が遭った。自分は臨床医師を志望したのに、看護師になったのは、両親が希望を変えたから。
長女は地元に残って家族の世話をするものだって。

弟がわがままで、最初は何この子!とか思っちゃったんだけど、彼は幼稚園通いで、両親がこの世からいなくなったことを最初は受け止められていなかった。自分に愛を注いでくれていた存在が突然いなくなるんだから不安でたまらないし、信じられないだろう。その上に親戚は誰が育てるかと
自分のことで揉めている。

お姉ちゃんが北京の大学院にどうしても行きたい思いを静かに汲み取って、幼稚園の女の子(両親の車両と事故ったトラックの運転者の娘)に協力してもらって、養子候補の夫婦に電話かけ、自分から養子になろうとする行動、泣けてしまった。ほんとは行きたくない、お姉ちゃんと一緒にいたいけど、お姉ちゃんのために。
そんな行動をとった弟に、何度も腕を叩いて問いかける。どうして?どういうこと?と。
弟が泣き出してしまい、お姉ちゃんが突き飛ばされ、「お姉ちゃんなんかいらない」と。
私的には、そう弟に言わせる(里親たちの前で)ことで、きっぱりと養子に出せる。自分では育てられない、ならお金もあって大切にしてくれる夫婦に育ててもらう方が弟の今後の人生にとってもいいと思ってわざと冷たく、怖く当たったのかじゃないと思って。その、姉弟がお互いのために、自分の本心では望んでいないことを、相手のために、自分の気持ちを抑えて行動しているように思って涙がボロボロ流れた。そういうのに弱い私。
その場から離れたお姉ちゃんが廊下でボロボロ泣く姿がトドメでした。



その後、養子に迎えてくれる親の家、父親から出されたのが、今後、弟とは2度と会わないで欲しいという承諾書…
ペンを持つ手から戸惑いが伝わる。そして、次々に溢れ出す涙。

ここからどうするんだろうか、たぶん、夢を諦めることになるのだろうけど…自分の思うように生きてくれていたらいいなぁ


彼も1人が寂しい、怖いんだろうな
「僕にはおねいちゃんしかいない、おねいちゃんは灰にならないでね」という時の表情…演技上手いね

自分の人生を自分で歩む
自分の人生は自分だけのもののはずなのに、なぜもこうも苦しく思えるのだろうか

幼少期から周囲の大人は誰も信じられない、信じられるのは自分だけ。と、自分1人で、自分の人生を自分の思うように生きてきたから、おそらく蓋をしてきたであろう、誰かに愛されたい、誰かに必要とされたいという気持ちを、突然現れた何歳も歳の離れた弟と過ごす日々で、少しずつ、その感覚を取り戻したんじゃないかなと自分の奥底に眠ってた愛情、それを選んだのかな…何にも変え難い感情を…。


本当に欲しかったのは、誰かから必要とされている、愛されている実感、無償の愛だったんじゃないかなぁ

また、だらだらと思ったことをかいただけになってしまいめしたが、、ここまで読んでいただけて大変嬉しいです。
ありがとうございました。

もっと文章勉強しなきゃ

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