『プラダを着た悪魔』金曜ロードショーから【コラム】

昨日の金曜ロードショーで、映画館で観て以来、久しぶりにこの映画を観ました。2006年の映画なのに色あせず、ファッションも街並みもすべてが美しく、テンポも良い素敵な作品ですね。

あらすじは、ネットで沢山紹介されていますので、そちらをご覧ください。

感想ですが、

 皆が憧れる、世界で最も有名なファッション誌「ランウェイ  アメリカ版」のカリスマ編集長のミランダの仕事っぷりが素晴らしいと思いました。オフィス環境や一緒に働く人たちの服装までも美しい世界にこだわっている点や雑誌で話題のお店をチェックする点など、意識が非常に高いです。ここまで自分を追い詰めているのですね。そして、アシスタントに無理難題を要求するところですが、ミランダもここまで来るのに、いろいろな壁を乗り越えてきたのでしょう。それに近いレベルの意識を持った人と働きたかったのだと思います。

 新卒のアンディは、家賃稼ぎとキャリアのためと割り切って、全く興味のないファッション誌の編集部で、ミランダの第二アシスタントとして働き始めますが、仕事に目覚めミランダに認めてもらおうとファッションに磨きをかけ、ミランダからの頻繁な携帯電話からの難題指示になんとか応えようと獅子奮迅の働きをするところが、パワーをもらえます。今でしたら、完全にパワハラですよね。ミランダもアートディレクターのナイジェルも様々な表現の仕方でアンディに仕事に対する姿勢を教えます。素敵な上司たちですね。

 そして、ミランダが「ランウェイ  アメリカ版」の編集長のポストを「ランウェイ  フランス版」の編集長ジャクリーヌに奪われそうになったとき、裏工作をして、ナイジェルに約束された地位をジャクリーヌに回して自分の地位を守るシーンは、(きっと賛否両論だと思いますが、)異変を察知する能力、対処能力、交渉力が凄いです。これだけの強さがないと多くの人を魅了することはできないのかもしれません。

 他人を押しのけ、家族を犠牲にする生き方に、もやもやを感じていたアンディは最後に車の中でミランダに質問します。

アンディ:「もしも、この世界を望んでいなかったら?」
ミランダ:「バカを言わないで、誰もが望んでいることよ。誰もが憧れているの」

このやり取りの後、アンディはミランダの元を去っていきます。

ここで本当に自分が望んでいることは何かに気が付いたのでしょうね。

その後、本来自分が目指していたジャーナリストの道を行くべく新聞社に就職し、恋人とよりを戻します。服も自分のお気に入りを着ています。

そしてラストは、アンディがミランダに会いに行き、車に乗ろうとするミランダに手を振ります。ミランダも無表情で目を合わせますが、車の中でほくそ笑ます。

ミランダの仕事は、自分が輝くことで、「読者に本来の自分に目覚めさせて、前に進めさせること。」だったのではないでしょうか。そして、アンディもミランダのお陰で、本当に自分が進むべき道がはっきりとわかったのでしょう。ミランダもまた1人自立させて満足だったのではないでしょうか?

ミランダとアンディは生き方・価値観が対照的ですが、自分に正直になって自分に自信をもって生きていくのが素敵な生き方なのだと学びました。


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