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『やかんの麦茶』【商品分析㉑】

TVコマーシャルを見て、思わずふっと笑ってしまったのが『やかんの麦茶』(コカ・コーラシステム)です。

綾鷹に続く第二弾が「やかん」ときましたか!という感じです。

ところで、『綾鷹』のコンセプトですが、

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急須でいれたような「本物の味わい」が楽しめ、本物のお茶で得られるような上質で満ち足りた気持ちが味わえる緑茶

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でした。

 そしてこの「本格的な味わい」を実現したのが「にごり」でした。「にごり」は他の商品にはなかったので、見た目で納得感がありました。

CMもお茶にうるさそうな人たちに飲んでもらい、「選ばれたのは綾鷹でした。」というフレーズが頭に残りました。このCMからこだわりが伝わってきました。

今まで家で飲んでいた緑茶の代わりに市販のペットボトルの緑茶として飲むのは、工場でつくられた「まがい物感」がまだあったころでしたので、このCMで急須で入れたお茶なら違和感がないという感じがしたのを覚えています。

実際に飲んでみても、程よい苦みが本物のような感じがします。

これだけきっちりツボを押さえていたので、激戦するペットボトルの緑茶市場でシェアを取ることができたのだと思います。


さて、今度は「やかん」です。

コンセプトは、

「やかんで煮出した麦茶のようなしっかりとした味わいの本格的な麦茶」

これを実現したのが、

「大麦100%と高温煮出し製法」

です。

CMは小芝風花さん扮するエプロン姿の麦茶屋店主が、やかんで麦茶をわかし、氷が入った桶にそのやかんを入れて冷やすというもの。やかんを上から見て麦茶が煮出されている様子がとてもおいしそうです。

コンセプトだけを見ると、綾鷹に比べしっくりツボにはまったという感じは弱いようなきがしますが、市場拡大する麦茶市場でどれだけのシェアを獲得するのか興味が湧きます。

あくまでも私の感想としては、(担当者様、お気を悪くされませんように・・・。私はいつも辛口です。)

昔のように大きなやかんで麦茶を煮出すという習慣がずいぶん前からなく、CMのような麦茶をつくっているシーンにどれだけの人が、「あーこれ飲みたい」と思うのかな?と思います。

綾鷹は「にごり」という目に見えた説得材料で「本格」ということに納得がいきましたが、目に見えない「大麦100%と高温煮出し製法」にどれくらいの説得力があるのかな?とも思います。

色目だけでなく、香ばしい香りが麦茶の神髄だと思いますので、キャップを開けた時どんな香りがするのかがポイントのような気がします。

商品を手に入れようとスーパーに行ってきましたが、残念ながら近所のスーパーにはまだ置かれていませんでした。

麦茶を買うシーンとしては、暑い夏にすぐにでも飲みたいというときに近くのコンビニやスーパーで買うと思いますので、そこでパッケージを見て選ばれやすいようにする必要があると思います。

ですから、ただやかんのイラストが付いているだけでは、おいしそうな感じはしにくく、TVCMのような煮出している様子か氷の入った桶にやかんが入っているイラストだと手が伸びそうです。

もちろん、おいしければケース買いをするようになると思います。

なんとなく、綾鷹が急須だったので、麦茶はやかんでというつながりだけのような気がします。(すみません、辛口です。)

というのが私の見方ですが、この夏の戦線を見守りたいと思います。





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