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わたしの好きなポルトガル語⑩:そぼろ(sobrou)

こんにちは、さちこです。普段は、外国の方に第二言語としての日本語を教えています。どうぞよろしくお願いします。

ブラジルでは週末によくホームパーティーが行われていました。
ホームパーティーといっても、兄弟姉妹にその配偶者や恋人、その子供や孫、さらには配偶者のご両親や兄弟姉妹、さらにはそれらの人々のお友達なども来たりすることもあるので、数人ぐらいのこともあれば、2、30人集まっているということもあります。
来れる人が来て、用事がある人は遅れてきたり、早めに帰ったり、ゆるーい感じ。
親に言われて渋々顔を出し、ご飯を食べたら速攻友達と消えるティーンエイジャーの姿は、日本と同じだなーなんておもったり。

いわゆるポットラックパーティーで、料理やらデザートやらを持ち寄り、さらに会場となったお家でシュハスコ(ブラジルのBBQ)が焼かれたりするので、食べ物が大量に集います。

お昼どきぐらいからゆるーく集まり始め、集まった人から持ち寄った料理や焼きあがったお肉を食べ始め、そこここでおしゃべりをしたり食べたりします。
サッカーの試合があればTV前で盛り上がっている人達がいたり、食べ終わった子ども達がTV ゲームをしていたり、めいめいが気ままに過ごしています。

とはいえ、この気ままな感じがポルトガル語がほとんどできない身には、どこで誰と何を話して時間を過ごすか、身の置きどころに困ることもありました。
デザートを食べてしばらくして、そろそろ帰るのかなーと思い始めた頃、
お母さん達が、コシーニャ(コロッケのような揚げ物)とか
パステウ(四角い揚げ餃子のような料理)などのスナックを揚げ始め、
出来立てあつあつを摘むことになります。つまり、まだ帰らない。

とっぷり日が暮れた頃、ようよう帰る準備が始まります。めいめいが持ち帰れるよう、持ち寄った料理の残りを大きなタッパに分け合って入れます。お料理を入れたタッパの譲り合いが始まったりして、日本の母親連と同じだなーなんてほのぼの。

滞在先に戻ってしばらくすると、一緒にパーティーに行っていたお母さんが、
「さちこ、今日の晩ご飯だけど、」と言い始めます。

(え、晩ご飯?まだ食べるの!?)とは心の声。

「そぼろでいい?」

そぼろってまさか日本のそぼろじゃないよね!?と思いつつ
「そぼろって何?」とたずねると、
くだんのタッパを開けて見せてくれます。

なるほどと思い、「食べたい、食べたい」と答えました。

それで、「そぼろ」は「余り物」の意味なんだと思っていたのですが、
このnoteを書くにあたり、電子辞書で調べてみたところ、思いつく綴りを入れてみてもうまく見つけられませんでした。
ブラジル人の知り合いにも聞いてみたのですが、わからないないとのことで途方に暮れました。(あまり料理や家事に関心のない人に聞いたのが敗因と思われます)
見つからないとなると気になるもので、最後の悪あがきにと紙の辞書をめくり、「そぼろ」に近い音の並びの単語覧を例文と共に眺めていて、見つけました!

Sobrou bastante comida na festa.|パーティーではたくさんの食べ物が余った

動詞の活用形だったので、見つけられなかったんだとわかりました。
一目で見渡せる紙の辞書の偉大さよ。

※お読みくださり、ありがとうございました。


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