狂人に屈してはならない
タイトル通りです
発端
「へぇ~鳥飼ってるんだ。最終的に食べたりするの?」
「じゃあ逆に聞きますけどあなたは自分の飼っている犬を食べるんですか?」
相手「AしてるってことはBするんですか?」
自分「じゃああなたはCをBするんですね?」
こういう構文の文章を、twitterで見たことはあるでしょうか。
「私にとってのAはあなたにとってのCと同様である。なのでBすることはない」という事を示すときによく使われます。
例を示すなら、上記の「ペットとしては珍しい生き物を飼っている人」、あるいは「恋愛小説を読んでいる人」が当たるでしょう。
相手をほぼ確実に納得させられることから、かなり説得力が強い構文です。
しかし、この構文には致命的な弱点があります。
それが、
「相手が狂人であった場合全てが終る(ついる)」という事です。
互いに「飼い犬を食べることはない」という共通認識があることを前提とした構文であるため、相手が大サイコ(おおさいこ)であった場合、全てが終了してしまうのです。
こんなこと言われたら母音だけで構成された悲鳴をあげながら逃げ出すことしかできないでしょう。
例として挙げた恋愛小説についてもそうです。
「恋愛小説読んでるんだ。やっぱ恋愛したいとか思ってんの?」
「は?じゃあお前推理小説読んでるけど人殺したいの?」
世界一怖い2文字でしょこんなの。
こんなこと言われたら赤ん坊のように「不快である」という事を全身で表明しながら(具体的に言うと泣き叫びながら)後ずさりすることしかできません。
こういう時、どうすればいいんでしょうか。
考えられる選択肢は3つです。
謝罪して逃げる
"三六計逃げるにしかず"とも言います。
相手が危険な人物だと判断した場合は、その場をすぐに立ち去るのも一つの手です。
ただこの手法は「会話が対面で行われていないこと」と「相手がもう生涯合う必要のない人物であること」、そして「自分の逃げ足が相手より優っていること」という条件でのみ使うことができます。
上記3つの条件を満たしていないときに使用した場合、確実に逃走は失敗します。
そうなったらもう今までの人生を振り返る事しかできないので、使用するときは状況判断を忘れずに行いましょう。
自分も狂人であることをアピールする
逆に攻撃に転じる、ハイリスクハイリターンな戦法です。
あなB構文で会話が終了しなかった時点で、相手が狂人であることはすでに確定しています。
「狂人相手だったら何思われてもいいや」という強い心を持つ人はやってみてください。
例としては、
相手「はい、飼い犬食べますけど」
自分「忍者の栗 伊賀ぐり」
こんな感じですね。相手に「こいつやべぇ」と思わせることができれば、あなたの勝利と言ってもいいでしょう。
ただこの手法は「相手を確実に怯ませることができるかどうか」をしっかり確認した上で使ってください。
最悪の場合、「自分が出した狂気の最高地点を悠々と超えられ、レスバとしても狂人力比べとしても敗北する」という最悪のパターンにつながりかねません。
そこは気を付けてください。
もし最悪の場合になったときは、できるだけ大きな声で泣いて、周りの人が気付いてくれることに賭けましょう。
真摯な態度で伝える
これが一番の解決手段な気はします。
そもそも、あなB構文って攻撃的会話(相手を言い負かそうとする会話)なんですよね。
あなB構文を使ったという事は、あなたが会話中に「こいつむかつくから黙らせてやろう」と少なからず思ったということです。
攻撃的な態度を取られて気分のいい人はそういないでしょう。
「あなたにとってはとるに足らないことかもしれませんが、私にとってCは他の人にとってのAのように大切なものなのです。どうかBするなどと言わないでくれませんか?」
ここまで丁寧に話し、協調的な姿勢を示したのであれば、飼い犬を食う人も推理小説を殺人計画を練るために読んでいる人もさすがに「なるほど。私には理解できないけどそういうものなんだろうな」と思ってくれるのではないでしょうか。
これで駄目だったらもう諦めましょう。
「あいうえお」だけで完成する命乞いを考えながら逃げてください。
おわりに
どうでしょうか。
「狂人に屈しない」という目的で書き始めたこの記事ですが、むしろこちら側が狂人になってしまっているような気がするのは気のせいでしょうか。
皆さんも狂人には気を付けて、健やかな日々を送ってください。
私は「え!?王!?王位!?え!?愛!!愛!!!!」以外の「あいうえお」だけで作れる命乞いを考えて過ごすことにします。
お疲れさまでした。