2017年の短歌

(tumblrに置いてたものたち)

女だと知らしめる如く塗りつける
あかは血の色 唇の色
(20170305)

死のうかと笑った君は駆け出して
僕を置き去り花と紛れる
(20170317/#君・僕・死で文を作ると好みがわかる)

その位置が探しやすくなり気づく
それがきみの選んだ場所だと
(20170405)

その曲にその振付に選ばれたことが教える
「独りではない」
(20170406)

君が言うあの人の声、眼差しは遠い異国の夏に似ている

遠く翳む君の言葉で浮かぶ夏
僕の知らない色をしている

言葉を連ね君はふらふら異国へと
織られる景色は僕には見えない

教室で君が嘯く異国語をいつのまにやら僕が呟く

(20170507/そんな夏など僕は知らない)

「大人」だと言った君がこの中で一番の童顔の持ち主
(20170615)

6本の道が交わり星になる
さあここからどう輝こうか

最高のワイルドカードを手に入れた僕ら何だってできるさ

(20170615/Asterisk)

あたたかさもあの夏の冷たさと同じく教える
これは人の手
(20170615)

人は所詮独りなのかもしれないが傘を差しかけることはできる
(20170615)

独りなら濡れずに済むのかもだけど独りじゃ相合傘はできない
(20170615)

熱狂の手触りとともに春が終わる
いつかの夏を夢見るみたいに
(20170615)

横たわり、疲れたと零す背骨を指で数える午前一時半

くすぐりには弱いと思ってたのにな。身じろぐこともしてはくれない
(20170910)

ひらひらときらめく裾をゆらめかす君を海の底まで観てたい
(20171223/短歌ハッシュ8月号「海」または「みる」(詠み込み不要))

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