来年から、医学部を休学することにしました。

こんにちは。
なんだかんだバタバタしており、久々の投稿になってしまいました。
突然なのですが、来年の4月から医学部を1年間休学し、その後医学部6年生に復学することにしました。
自分の中ではかなり前向きな休学なので、関係各位にはご安心いただけたら幸いです。

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私事なのですが、約2-3年ほど前から、自分の中で人生のフェーズが変わってきたなと感じています。
なんというか、突如「人生のウォーミングアップが終わった」という感覚がやってきて、自分のやりたいことは積極的にやってみよう、と思えるようになりました。

20歳ごろまでの私の人生は、自分の決断を自らの意思で選択することを放棄し、親の影響や他人からどう思われるかを基準に決めてきてしまったことが多かったです。
しかし、この3年ほどは、少しづつ自分に問いかけながらやりたいことと向き合うことで、ようやく自分の深層にある感覚を取り戻してきたような気がしています。

一度、自分の意思で大きくレールから外れる経験をしたこともあり(賛否両論あるものだったので、ここに詳しくは書けないのですが)その経験を通じて大きく成長できたことも、休学の決断を後押ししてくれました。

これまで、自分の経験を振り返るnote記事をいくつか書いてきました。
過去の記事を読んでくれた方や、普段私と関わってくれる方はおわかりかもしれませんが、私がこれまでしてきたことは必ずしも医療に関わることではなく、むしろ全然医療と関係のないことも多いです。

興味の対象を限定せずにいろいろ経験し、医学を学び始めて早5年になりましたが、いまだに自分が力を発揮できる分野が医療なのか、はっきりとは答えが出せていません。
しかし、わたしがこれまでしてきた人と違う経験は、自分の視野や興味関心の幅を確実に広げてくれた、とても意味のあるものだったなと感じています。

いろいろな人と会ったり情報収集をしたりする中で、「私は『人々がよりよく、生きがいを持って健やかに暮らせる社会づくり』にかかわりたいのではないか?」という仮説にもたどり着くことができました。

今回の休学は、この仮説を掘り下げるためのものです。
これまでしてきた医学の勉強からは少し離れて、様々な場所で営まれる「人々のくらし」を見て、わたしはこれから何をしていくべきかを考える時間にします。

正直、自分のこともまだ全然わからないですし、しっかりしたビジョンも持てていません。この仮説も全然違うかもしれません。
ですが、自分なりに数年間悩んで行動し、休学を決断したので、この1年で何かを自分の中に残せるんじゃないかと思っています。

で、休学中何するの?

前置きが長くなってしまったのですが、休学中、じゃあ具体的に何するの?ということについてです。
とりあえず半年は、島根とデンマークで過ごすことにしました。

残る半年はまだ未定なのですが、現時点ではアフリカかインドに行きたいと思っています。
(休学中の各種費用を自分で工面する予定なので、絶賛奨学金やオンラインでできる仕事(来年2月ごろから稼働可能で、とくに文章を書きたいです!!)を探し中です。もし知っている方は教えてください…!)

計画を柔軟に変えられる余白を残しておきつつ、自分の感じ方次第で過ごし方の詳細を決めていこうと思います。

2024年 4-6月:島根県の離島でインターンする

島根県の隠岐諸島で、3ヶ月インターンをしてきます。23年間東京で暮らしてきた私が島で暮らしながら、就労体験をしようと思います。
大人の島留学(リンク

まだ内容は迷っているのですが、医療・社会福祉系のプロジェクトに参加して「ないものはない」環境で人々がどう豊かに暮らしているか見つつ、自分もその環境に身をおいてみたいと思っています。

2024年 8-12月:デンマークのフォルケホイスコーレで福祉を学ぶ

北欧には、フォルケホイスコーレという「試験も成績もない学校」があります。
ずっと試験や成績に追われる人生を送ってきた身として、この文言にたいへん心惹かれてしまいました。
デンマークで世界中の人と寄宿生活を行いながら、福祉について学ぶことにしました。

なんで福祉なの?と言われそうですが、長くなるのでまた別の記事で書いていこうと思います。

時間的には余白の多いプログラムのようなので、空いた時間ではこれまで取り組んでこなかった自己表現活動をしつつ、色々な人・場所をおとずれて、北欧の生活に根付いた福祉や人々の生き方のヒントを吸収して来ようと思います。

休学中の目標

休学中の1年をどう過ごしたいか、とてもざっくり言うと
わたしとわたしを取りまく世界を見つめて、捉えなおす
時間にしたいと考えています。
(ちなみにこの言葉は、ひたすら休学のことを考え続けていたとき、銭湯で頭の中に降ってきた言葉です。結構しっくりきたので休学中のテーマにすることにしました。)

今回の休学の目的は、大きく分けて3つあります。

①表現活動をしていくこと

これまで、医師の先生や医学生にインタビューして記事を書いたり、自分の経験をもとにした記事を書いたりと「言葉や経験を自分なりに解釈し、組み立てなおして発信する」ということを結構やってきました。これは、やりがいがあってとても好きな作業で、今後も継続して取り組んでいきたい軸の一つです。

しかし、自分が今この瞬間に考えていることを人に伝えたり、自分の感情をアウトプットしたりすることにはずっと苦手意識がありました。
これからは、対話で目の前の相手に自分の考えを伝えることはもちろん、創作(文章・絵・写真・音楽など)を通じ、「今、この瞬間」を大事にした自分なりの表現をすることに向き合っていきたいと思っています。

文章を書くことはとても好きなので、より多くの人に自分の文章を届けられるような書き方を学ぶ機会も持とうと思っています。
休学中の生活・考えたことの発信も続けていく予定です。

あと、案外プレゼンなどで話すのは好きだったりするので、自分の経験を話すトークショーを休学中にしてみたいという、ひそかな目標もあります。

②自律・自立に向けて進んでいくこと

24年間、ずっと実家のお世話になってきました。正直、掃除も洗濯も家事も何もかも任せっきりで、物理的にも精神的にもかなり実家に依存してしまっている状況でした。

家は自分にとって安全な場所であるぶん、ある意味で外へ出ていくことを阻む場所でもあったように思います。
ひとまず半年はほぼ実家にいない予定なので、いったん離れてみて客観的な視点から、実家との丁度良い距離感を模索していきたいです。
また、今回の休学はほぼ自分の費用で工面する予定なので、経済面でも少しは自立に近づくのかなと思っています。

③将来どう生きていきたいかを考えること

大学の臨床実習が始まり、周りの同級生は将来に向けて進んでいくようになっていく中、自分は将来どんな姿で働いていきたいか具体的なことが何も考えられず、焦りが大きくなってきていました。

休学を選んだ理由のひとつには、このまま納得感のない状態で流れのままに国試に向かうよりも、ここで時間を取って自分を見つめ直すことが長期的には自分を成長させてくれると思ったからという理由もあります。
どういう場所でどういう働き方をすれば自分らしく社会貢献できるのか、考え抜く1年にしたいと思います。

時間的にも、自分のやりたいことを選び取れるチャンスが増えると思うので、自分の心の声を大事に生きながら、これまでの人生とこれからの人生をどうつなげていくか考えてみようと思います。
(ちょうど来年は24歳になり、人生の4分の1戦を振り返る良い機会だと思うので!)

休学を決断するまで

休学を考え始めたのは、大学2年生のときでした。
けれど当時は「休学して何をしたいの?」と聞かれても何も答えられず、ただ漠然と「日々の満たされなさが、生活を変えることで解消されるかもしれない」という、消極的な期待しかありませんでした。

コロナ禍もあり、自分の思い描いていたような大学生活が出来ていなかったので、特段やりたいことがあるわけでもないけれど、堕落した生活から抜け出したい、ダラダラと目標もなく過ごす現状を変えたいという漠然とした思いでひねり出したのが「休学」という選択肢だったように思います。

しかし、周りの人には「目的がないなら、休学はやめた方がいい」「せっかくコロナでオンライン授業で次の学年に進めるのだから、進めるだけ進んだほうがいい」と言われ、頭の片隅に休学の選択肢はありながらも、決断を先送りにしてきました。

大学3年から4年にかけては、大学に通いながらも活動の場を学外にも少しずつ広げていくことができて、自分のやりたいことも行動していくうちに少しずつ見えてくるようになりました。この調子でいけば、休学しなくても大学に行きながらやりたいことをして卒業できるかもと思っていた時期もありました。

しかし、大学5年になり実習が始まると、それまでは目の前の試験だけを考えていれば良かったのが、いつのまにか就職、そしてさらにその先まで考えないといけない状況に来てしまっていることに気づきました。
改めて将来のことを考えなくてはいけなくなったときに、自分のこれまでを思い返すと、
「まだわたし、人生でやりたいことを全然やり切れてないし、自分のことを何もわかっていない」
と気づきました。
正直、まだ自分のためにも生ききれてないのに、就職して人や社会のために生きるフェーズにはまだ進めないと思ってしまいました。

人にどう思われるかや、最短距離で進んでいくことよりも、一度自分の軸に従って生きる時間を過ごして、その上でこれからどうしていくか決めたいという気持ちが自分の中で無視できないほどに大きくなっていました。

様々な経験を経て、勉強してみたいことややってみたいことが具体的に浮かんでくるようになった今のわたしなら休学しても大丈夫だ、とも思えたことや、医学部で休学を経験した方にお話を伺ったこと、目的が固まって休学のことを人に話して思った以上に肯定的な反応が返ってきたことなどが、自分の決断を後押ししてくれました。

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来年からの休学を決断してから、約半年が経ちます。
結構いろんな人に、「休学してデンマークに福祉を学びに行きます」と伝えてきました。
「なんでデンマークなの?」と聞かれたり、「医者にならないの?」や「福祉学んでどうするの?」も聞かれたりしてきました。
正直まだうまく自分の中でも答えが出せず、建前のような本心のような答えになってしまいます。

自分の中にある本当の答えは、振り返ってみたときに初めてわかるものなんじゃないかとも思うので、いまは自分の選択を正解にしていく覚悟で自分なりに進んでいきたいなと思います。

おわりに

いったん来年は休学しますが、再来年には復学し、再び歩みを進めていく予定ですので、医学の勉強も継続してやっていかねばと思っています。(就活に国試と大忙しの1年になる予定なので!)

しかし、「医療者ではない自分」でいられるタイムリミットが残り2年ほどに迫っているからこそ、「一個人としての自分」を深めていく時間も、この1年でとくに大切にしていきたいと思っています。

引き続き医学生、医療者の方、そうでない方ともたくさんお話したいです!
定期的にかなり突飛な方向に進んでしまう私ですが、あたたかく見守っていただけると有難いです。
ひとまずは卒業試験が1月に迫っているので、その勉強を頑張りつつ、休学の準備も進められたらと思います。

そんなところですかね〜。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
もし質問や聞きたいことなどあれば、お気軽にX(Twitter)やコメントからお待ちしてます~

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