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XXXXL3 解説

TOKIQIL OSAKA お疲れさまでした。沢山のご来店ありがとうございました。
「XXXXL3」制作の沙竹唯です。

これは 2023年4月15日に TOKIQIL OSAKAで行われた全体戦「XXXXL3」の解説記事となります。少し間が空いてしまいましたが、当日どういったことが行われていたかをまとめてみようかと思います。つたない文章で恐縮ですがお付き合いいただけると幸いです。


開始

開店し、上記のツイートが公式から行われました。「十五文字がXXXXLの解を表す」とのことですが、当然この時点では意味がわかりません。
(ちなみにこの文章自体が十五文字なのはミスリードです)

会場には上記のようなパネルがありました。どうやら「獅子を見つけ、XXXXL3の答えを導き出すこと」が目的のようです。

また、会場に来たお客さんには3枚の紙とペンが渡され、「好きな漢字を1文字書いてスタッフに提出する」ように促されます。実際に漢字を書いて紙を提出すると、

このように、「書いた漢字に対応する何かしらのヒントが書かれたカード1枚」が貰えました。

貰えるカードはどうやら「青」「赤」「緑」の縁取りがされたものと何も縁取りがされていないもののようです。早速ネット上で有志によるスプレッドシートが作られ、この辺りの情報が管理されていくこととなります。

やがて「色付きのカードは2枚一組で何かしらの情報が出る」「そうでないカードにはそのカードだけでわかる何かしらのヒントが書いてある」ということが解り、どうにかして効率よく様々な種類のカードをうまく集めていくという方針が打ち出されました。


漢字とカードの法則について

漢字を書いて貰えるカードには法則がありました。

開始から1時間強で一つ目のポイントである「書いた漢字が小学校で習うものだった場合に色付きのカードが出力される」という推測が行われていたようです。
これは実際正解で、「教育漢字1026種のいずれかが書かれた場合、それに対応した色付きのカードが出力される」という処理が発生していました。
ちなみに該当しない漢字を書いた場合には「スタッフが裏向きで提示した10枚の無色カードから好きなものを引いてもらう」というイベントが発生します。

試行錯誤を経て、カードの上部に書かれた「No」の法則も順調に解かれていきました。

書いた教育漢字が、「何年生で習うものか」が「Noの10の位」に適用され、「部首画数とそれ以外の部分の画数の積の1の位の数」が「Noの1の位」に適用されるという法則が解き明かされます。

例:
雲 ⇒ 2年生で習うので10の位は「2」、あめかんむり8画×その他4画で32なので1の位は「2」。「No22」のカードが出力される。
好 ⇒ 4年生で習うので10の位は「4」、おんなへん3画×その他3画で9なので1の位は「9」。「No49」のカードが出力される。
穴 ⇒ 6年生で習うので10の位は「6」、あなかんむり5画×その他0画で0なので1の位は「0」。「No60」のカードが出力される。

1の位の法則は解明にもう少し時間がかかると思っていたのでこの辺りは皆さんとても優秀でしたね。お見事でした。

また、この辺りでタイトルの意図に感付かれる方も出てきました。法則に従ってカードのNoについて考えると「No17」を出力することができないんですよね。「No17」転じて「LION」が手に入らない。まさに「獅子隠し」。果たしてこのカードはどうやって手に入れるのでしょうか。


カードから得られるヒントについて


青赤緑で縁取られたカードのNo10~No19(No17は出力されない)

法則がわかったので効率よく色付きのカードが集まっていきます。コの字型と逆コの字型に縁取られたカードが同色同士で組み合わされて文章が出来そうなのですが、どのカードとどのカードがくっつくのかがまだ明確にわかりません。

しかしこの辺りで割りとクリティカルなカードが出力されます。

No付きのカードは下段隅にそれぞれ何かしらの1文字が書かれていました。それはひらがなだったり漢字だったりアルファベットだったりとバリエーションが多く一見法則が意味不明なのですが、「No39」のカードの左下に書いてある「繭」が状況を動かします。

TOKIQIL OSAKAが催された4/15、会場から移動が30分とかからない場所で大阪最宴祭が催されていました。
大阪最宴祭というのは簡単に説明をすると謎解き団体のフェスイベントです。​様々な謎解き団体が一堂に会する謎解きイベントで、難波区民センターを2日ほど貸しきって行われる日本最大級の歴史ある催しです。

大阪最宴祭7。いろいろあるよ〜〜〜😆✌️

この日、大阪最宴祭には数多くの団体が出展していました。
その数実に29団体。その中に「繭玉工房」という団体がありました。
(出展団体一覧はこちらを参照:https://banquestestfes.wixsite.com/04150416/services-9)

ここが取っ掛かりとなり「カードの隅に書かれた文字はこの日の最宴祭出展団体名の頭とお尻の文字に一致し、どうやらそのカードがくっつく」という法則が明らかになりました。
「繭」というカードは「房」というカードとくっつく、といった具合ですね。(「房」のカードは「かえりみち工房」と「トロヴィ工房」を表すものもあるのですが、この辺りは別色にうまく割り振られているので誤認が発生しないつくりになっています)

ちなみに1026種の漢字からは59種のカードが出力されるわけですが、その中には当然出やすい/出づらいカードが存在しています。例えば「No20」のカードは「西」「秋」など実に54種の漢字から出力される(最多)のですが、逆に「No33」のカードは「予」でしか出力されなかったりします。

カードの法則がわかるまではなるべくクリティカルな情報のカードは出て欲しくなかったので、今回「繭」が書かれているカードは「No29」というかなり出にくい数字(向、州、安、守、式、薬の6種からしか出ない)に振っていました。この辺り、ある程度想定している通りの順で情報が集まって考察されていったのでとても嬉しかったです。

以下に出力される59種のカードを正しく組み合わせた画像を貼ります。

左上から「TokiTama」「リドレイク」「繭玉工房」「NAZONE」「よよまる」「シングルズ」「CrazyLemon」「haz箱」「ARROWS」「???????」
左上から「Apollogz」「ラジエル」「Nazogram」「テクテクカフェ」「かえりみち工房」「CrossXone」「ロボバコ」「運営公演」「じゆうじん」「ナゾのみかん箱」
※No40とNo18ですが、撮影時に逆に配置してしまいました。
左上から「NoA」「CubeFactory」「J's C Labo」「プライマレード」「GART」「なぞすぽっと」「トロヴィ工房」「ハテナボックス」「劇的ナゾ眼鏡」「!」


鍵について

赤枠のカードの情報を整理していくと、「何かしらの鍵の番号」が導かれます。どうやらこの鍵は「センターにある」ようです。

センターといえば大阪最宴祭が行われているのは「難波区民センター」でした。

大阪最宴祭の「???????」の位置に鍵付きの箱がありました。

開きました。中に入っていたのは「No17」のカードと謎のQRコード。
タイトル回収もしたところで謎解きは佳境に突入します。

緑のカードの読み方について

緑のカードの文章はそのままでは読めない作りになっていました。

とは言ったもののさすが謎解きの猛者達。ある程度織り込み済みではあったものの、だいぶ力技で解読が進められていました。

そんな中、重要な情報が共有されます。

「大阪最宴祭会場の至る所に、箱の中に入っていたようなQRコードがある」という情報が出てきます。

色枠のないカード全十種

色枠なしのカードの情報には「頭とお尻が揃うとコードが出現する」「頭とお尻は同時に揃えなくてもよい」「コードを読むと読み方がわかる」「隅の文字は"どこか"を示す」「コードは"どこか”に現れる」というものがありました。

実は獅子隠しには、「TOKIQIL OSAKA会場でペアのカードがどちらも出力された時、そのカードが示す大阪最宴祭会場の団体の企画付近にQRコードが発生する」というルールがありました。これらを読むと緑のカードの読み方がわかるようになっています。

さて、現地に居た方は薄々察していたかとは思いますが、俺は4/15当日に大阪最宴祭会場を縦横無尽に駆け回っていました。4/15当日、カード等の必要な物品をTOKIQIL OSAKAに納品した後に大阪最宴祭会場に向かいました。

そこで「???????」の設営をし、

ホールの2Fに設営
申し訳程度にパーテーションで区切りました
(QRは後から貼ったよ)

カードの出力情報をTOKIQIL OSAKA側からリアルタイムで受け取り、

出たカード管理リスト

ペアが揃った団体の企画の入り口付近にQRコードを貼り、

GARTの公演の入り口付近の扉付近に緑色のQRコードが出現
ロボバコの公演の入り口付近のポスター付近に赤色のQRコードが出現
リドレイクの公演の入り口付近の机付近に青色のQRコードが出現

全体の動向を見守っていました。


鍵を開ける瞬間、実は下から激写していました

めちゃくちゃ大変でした。特に終盤、カードが出まくるタイミングでの仕事量はやばかったです。(当初は現地に行く予定は無く大阪最宴祭のスタッフに諸々を任せようとしていたのですが、頼まなくて本当に良かったです。これは頼まれたら怒っていいやつ)

それぞれの団体にばれないようにQRコードを貼る作業にかなり苦戦しました。特にメインホールに構えている団体はなかなか隙が無く、同じところを行ったり来たりしてる俺の存在はかなり訝しがられていたかと思います。QRコードを貼った事で何かがバグってたらごめんなさい。大阪最宴祭の主催に今回の件の許可は事前に取ってあるので何かあったらそっちに言ってください!


最後の答えについて

緑のカードの読み方は全てわかりました。「何かしらに対して変換を行うと最後の解答が出る」「それはポスターに関係がある」という情報が出揃った状態です。

さて、「ポスター」とは何なのか。

大阪最宴祭メインホールの一角に、TOKIQILのポスターが貼られていました。そこに怪文変な文章が書かれていました。これを使いそうです。

そこから色々と試行錯誤がされ、いよいよ最後の閃きが訪れました。

緑のカードの情報を順に使っていきます。

「はじまりのいちはぽすたーのしかくのにもじめ」
ポスターには11×11の四角形の文章があります。これの2文字目(西の所)を始まりの位置とします。

「うえからしたへ」
そこから縦に読んでみます。すると「西一里小粋に見て知加速」と、文章が成立しています。

「まずひらがなになおす」
にしいちりこいきにみてちかそく、とします。

「ごもじずつくぎる」
「さんこにくぎる」
にしいちり こいきにみ てちかそく と区切ります。

「さいごにえいごにへんかんする」
「へんかんのひんとはてもと」
「こたえはえいたんご」
「こたえはごもじ」
「こたえはもちろんさんこめ」

PCのキーボードを利用すると変換が行えます。
(た⇒Q、て⇒W、みたいな変換ルールです)
これによって「にしいちり」「こいきにみ」「てちかそく」が、
「IDEAL」「BEGIN」「WATCH」となります。

情報共有スプレッドシートより抜粋

「IDEAL」がXXXXLの解答(参照:https://note.com/clear3346/n/n17d6ffed8e99
「BEGIN」がXXXXL2の解答(参照:https://note.com/clear3346/n/ndb60e8ccd3f6#9f2c387e-be86-4c99-a142-f471a3a0772e

というわけで、XXXXL3である今回の最後の答えは「WATCH」でした。

問題文が「XXXXL3」ではなく「XXXXL」となっていたのは、
「XXXXLシリーズの解を表す」という意図からなるものでした。

お疲れ様でした。


終わりに

「この日ならではのギミック」「過去のXXXXLの先にあるもの」をテーマとして作った「XXXXL3 獅子隠し」、いかがだったでしょうか。

前作の「XXXXL」及び「XXXXL2」を作ったClearさんに敬意を表しつつ、それらをも利用する何かを作りたいよねってことで思考したのですが「IDEAL」が「西一里」になることを発見したところで企画の勝ちを確信しました。大阪でやるのにもぴったりすぎる。

大阪最宴祭の出展団体数が28だったという点も非常に噛み合いました。どう使おうかと情報とにらめっこしていた段階では25~6団体くらいだったんですよね。これはこれでなんかビンゴとかアルファベットネタが出来るかなあといったような感じだったのですが、主催者さんに色々と聞いた結果最終的にどうやら28団体になるということがわかり、TOKIQIL入れて29になるしさらにそれ+1で倍にするとカードの枚数60種と合うやん! と全部が綺麗にまとまりました。良かった。

タイトルの「獅子隠し」もいいですよね。「ししかくし」と、中に「しかく」が入っている点も含めて非常にお気に入りです。ちなみに作っている最中はこれに対して「四角」や「死角」の意味を持たせるつもりは全くありませんでした。「四角」に関してはポスターを作るかってところで文章を調整した結果偶然それが「正方形」になったので盛り込んだ後付だったり、「死角」に関しては何なら当日言及されるまでそういう意図は全く無かったです。(QRコードを貼る=死角、って認識がそこそこあるのに笑っちゃった) 手癖というか作風ですかねこの辺りは。どちらにせよ自分らしさが出たと思う愛しいギミックです。

死から始まるやばいイベント

今作、色々とアイデアはありどういったものにまとめるかという点で割と難航したのですが、最終的には「楽しい」ものが提供できたと思うので満足です。自分で書いたものになにかしらのレスポンスがあるのっていいよね。

長々とありがとうございました。
改めまして、当日参加してくださった皆様やTOKIQILと大阪最宴祭の関係者の皆様にお礼を申し上げます。また何か遊びましょう。









最後の答えがなぜ「WATCH」なのか。

「西一里小粋に見」のあとに続く5文字の英単語は他にも候補はいくつかありました。例えば WHICH とすると「西一里小粋に見て区に即」で、例えば WATER とすると「西一里小粋に見て誓いす」です。割と文章が通ります。

難しくない英単語であれば今回は何でも良かったのですが、最も自分らしいかなと思い、最後の答えはWATCHにしました。


なぜならWATCHには「視る」という意味がありますからね。



以上、ただの視覚謎でした。


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