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XXXXLの解説・ひとこと

はじめに

TOKIQILお疲れさまでした。「XXXXL」制作のClearです。

10/29に行われた、1日限りの謎解きアパレルブランドであるTOKIQIL。
その会場と外では「XXXXL」という全体戦が行われていました。
この記事ではそこで使用された問題(前哨戦2問、分割謎6問、最終問題1問)についてコメントしていきます。
この先に問題画像が出てきますが、問題画像の少し下に解答と解説、その少し下にコメント、という形式になります。
(いるかは分かりませんが)自力で解きたい、という方はネタバレに注意です。
あと解説で事あるごとに「~から、○○と推測できる。」みたいな書き方をサラッと連発しまくりますが、心の中でツッコんでいただけると幸いです。





前哨戦1

Nakamuさんへと出題された問題。
90分以内に正解者が出れば参加者の勝利。









解説

まず、画像の明度を上げることで、隠れている灰色の文字が見えるようになる。

明度上昇

例示の「TOOL」という単語、Nakamuさんの活動から、これらの数字がゲーム「Minecraft」に登場するツールの耐久値であると推測できる。
それぞれ

32…金(GOLD)
59…木(WOOD)
131…石(STONE)
250…鉄(IRON)
1561…ダイヤモンド(DIAMOND)
2031…ネザライト(NETHERITE)

となり、赤文字は「赤文字が含まれる数字全体が示す素材の英単語の、さらに何文字目か」を表している。
(例示の場合、1文字目の「2031」は「NETHERITE」、その「3」が赤いので、3文字目の「T」を表す)
問題の方を順に読むと、「IRONの2文字目」「DIAMONDの5文字目」「STONEの1文字目」「NETHERITEの2文字目」となり、答えは「ROSE」となる。

コメント

マイクラ謎。

ほぼほぼ特徴的な数字のみがヒントの問題ですが、リプライを見る限りかなり多くの人が正解に辿り着いているようで驚きました。

そして9分で解かれるとは思ってませんでした。流石に早すぎる。





前哨戦2

Fraさんへと出題された問題。
60分以内に正解者が出れば参加者の勝利。









解説

1問目と同様、画像の明度を上げることで、隠れている灰色の文字が見えるようになる。

明度上昇

まず下部の文字列に注目する。4文字区切りにすると、これは「Unicode」を表している。
Unicodeにおける「0031」は「1」、「002d」は「-」…と変換していくと、「1-26mod9」と解読できる。
この「1-26mod9」という文は、「アルファベット(1~26)を9で割った余り(mod9)」を表しており、この文を上の4行に使うことで次の解読が進む。

アルファベットを9で割った余りということは、a~zの各アルファベットをその余りによって「9種類」に分別できる。
また、右上の4つの英単語は、どれも「13文字」となっている。
「9種類」「13文字」という情報と、Fraさんの活動から、これらの英単語が「麻雀」の手牌を表していると推測できる。
つまり、9で割った余りによって、a~zを1~9に変換する(例えば「w」ならアルファベット順の「23」なので、9で割った余りである「5」となる)。
以下、すべてのアルファベットをまとめると

a, j, s →1
b, k, t →2
c, l, u →3
d, m, v →4
e, n, w →5
f, o, x →6
g, p, y →7
h, q, z →8
i, r    →9

となる。
そして、各列の左辺は13個の数字に変換でき、これを「麻雀の清一色」ととらえると、すべて麻雀において聴牌している状態である(あと1枚で和了れる)とわかる。
そして、その待ちとなる数字が右辺に来ている。
(例として、「collaboration」は先ほどの変換を行うと「3633126912965」となり、理牌すると「1122333566699」、4待ちとなる。)
問題の「sophisticated」は「1678912931254」となり、理牌すると「1112234567899」、2と9待ちとなる。
この内、9を加えた形は「11122345678999」となり、これは麻雀において特殊な形、役満となる。この役満の名前である「九蓮宝燈」が答えとなる。


コメント

麻雀謎。
水面下の進捗が突然ドカッと見えての解答提出でした。こういうの見るの大好き。

最初の「mod9」は厳密には少し怪しい(余りなら1~9ではなく0~8が自然なため)ですが、伝わりやすくはある、と信じてこの表現にしました。
(最も自然なのは「数字根」ですが、「9種類」が強調できないことによって麻雀を連想できない、という迷走を恐れた)
しかし実際本番も含めた人々の強さを鑑みるにそこまで恐れなくてよかったのかもしれません。


制作過程にて。まずアルファベットと麻雀の変換規則を思いついて試しにアルファベットと数字を対応させてみたところ、1と9に使用頻度の高いアルファベットが来ている(a, j, s →1, i, r →9)ことに気付きます。
もしやと思ってコードを書いてみたところ、

いた

九蓮宝燈が見つかったのでこのような問題になりました。奇跡。
そしてFraさんが直前の麻雀配信で九蓮宝燈を和了ったのはまた別の奇跡。
知ったときコーヒー噴き出した

他にこの条件で面白い英単語見つけたよ、って方いたら是非。自慢してください。







分割謎1

当日チケットを持ってTOKIQIL会場に来場した人(現地班)は、トランプを引くことができました。
その表面には分割された謎の一部が描かれており、それをSNSにハッシュタグをつけて発信、Webで待機していた人(Web班)が整理して解き明かす、という流れが行われていました。

トランプ1枚はこのような感じです。
上部の数字は10枚の謎がどのように組み合わさるかを示していました



分割された謎は全部で6問。基本的には10ピースで1つの問題が完成し、
完成した1問目が下記の問題です。










解説

アルファベットの位置や配置から、「そのアルファベットを中心とした何かが埋まるのでは?」と推測できる。
すると、「アルファベットをモールス信号に変換したもの」を埋めることで、すべてのマス目が重複なく「・」か「ー」で埋まる。
その後、「ー」のマス目をON、「・」のマス目をOFFと解釈して横に読むことで、それぞれの行を再びモールスとして解釈することができる。
(例えば一番上の行はーーー・ー・ー・ー・・と埋まるので、「3, 1, 1, 1」、「ー・・・」と解釈でき、これは「B」となる。)
各行を変換することで、答えとなる「BLOCK」という単語が導ける。

コメント

モールスモールス謎。

立ち位置的にはチュートリアルですが普通に難しいです。一人で解けたらめちゃめちゃすごい。

モールス信号大好き人間なので今回も登場。本来の用途と異なり、もっぱら謎解きツールとして使い倒されてますねこの信号……。

解法が分かればステップ数は少なめですが、冷静に画像を振り返ると「この見た目で解ける」+「文字を変えればほぼ任意の単語が出力できる」という事実が結構好きです。





分割謎2

※文字にミスがありました。申し訳ありません。
左上の「3 11 6 2, 5 2 6」は「3 11 6 2, 5 3 6」と読み替えてください)










解説

左中央の長方形内部について、中盤省略されている部分の縦幅を測ると、上下の書かれた文字を含めて「26行分」の高さであることが分かる。ここから、この長方形の内部は「アルファベット」を表していると推測できる。
左上の「3 11 6 2, 5 3 6」が立ち位置的に全体の名前、つまり何らかの作品名ではないか? と考える。
すると、アルファベットが登場する作品の中に「ギャシュリークラムのちびっ子たち」というものが存在する。これは「アルファベット26文字それぞれを名前の頭文字とする計26人の子供たちが、それぞれがそれぞれ違う理由で死んでいく」という作品である。
その書き出しは「A is for Amy who fell down the stairs」であり、これは長方形内部1行目の「1 2 3 3 3 4 4 3 6」と単語の文字数で一致する。
同様に行うことで、省略されている数字列も含め、すべてA~Zに対応させることができる。

すると右の5つのブロックについて、それぞれの数字をアルファベットに変換できる。
上から「FITS」「AWL」「DRAIN」「ENNUI」「SLEIGH」となり、これは「それぞれの子供の死因」を表している。
対応する子供の頭文字を順に取り、答えは「SOUND」となる。


コメント

ギャシュリークラムギャシュリークラム謎。
何だそれ。

個人的にナンセンスな物が好きです。ナンセンスなものは謎にするに限る。ので使用してみました。

アルファベットが用いられてる作品、というところまで行ければ1人くらい思いつくかな……と信じ、この情報量での出題。
しかし当日、カードによって情報を分割したことにより「長方形の縦幅を測る」というステップに暗雲が立ち込めていることを認識します。これはマズった。

長方形の縦幅に気付かせるヒント、というのも少し回りくどいので、ヒントの出し方やタイミングを裏で相談していたところ、

あ! やせいの バケモンが とびだしてきた!

どこからともなく突然TLに「ギャシュリークラムのちびっ子たち」の文字が出てきたのを認識します。一体何があったんだ。
そこからは一瞬ですべてが解き明かされました。集合知本当に測り知れない……。




分割謎3




追加ヒント









解説

中央にある大きな立方体の内部に、「右上を向いた人間」が存在している。
また、アルファベットは「F」「B」「L」「R」「U」「D」の6種類であり、これはそれぞれ「Front」「Back」「Left」「Right」「Up」「Down」の頭文字であると推測できる。
内部の人間が乗っている「床」のみ、枠が強調されている。ここから、「中央の人間が移動したとき、その人間が乗っている床」に注目する、という考えが思いつく。
前後左右の床は現在の床に隣接するように広がっており、また立方体の高さが指定されていることから、上下方向への移動距離も確認できる。

中央から移動できる6方向の「床」。
上と下の床はその他4つの床と別の平面上に存在する

するとこの床は現在の画像の視点、「無限遠からの視点」によって、同一平面上にあるように見ることで「7セグメント(デジタル数字)」のように認識することができる。
内部の人間は向きを変えず(右上方向を向いたまま)移動する。こうして移動した床を塗りつぶしていくと、各行は「7セグメントにおけるアルファベット」の形を表していると分かる。
(例えば1行目の「UBDB」は「上、後ろ、下、後ろ」となり、右上を向いた人間がこの向きに移動すると考えると、画像の視点で言うと「上→左下→下→右下」への移動となる。この移動により踏んだ床は、開始位置の床を中央としたときに「上」「左上」「左下」「下」の4つとなり、これは7セグメントにおいて「C」を表す。)
同様にすべての行をアルファベットへと変換していくと、「COdEISFLASH」となる。答えは「FLASH」

コメント

立方体7セグメント謎。

無限遠から見ると立方体って7セグメントだよね、をやりたかった問題。
ルービックキューブはミスリードとして残しました。少し迷走を生んだかも。

ヒントが出た後、10分程度で全貌を明らかにしたツイートが流れました。
普段から立方体を7セグメントとみなすことを生業としてらっしゃる?

同じ床を踏む文字は出さないようにしたり、アルファベットに見えにくい文字を使わないようにしたりしました。
個人的なとある理由でとある別の6文字を答えにしたかったのですが、上記の理由で「R」を使いづらかったので断念。
答えにしたかった6文字のヒントは問題のイラスト。ピンときた人は良く知ってますね+覚えてますね。






分割謎4










解説

右側はサイコロの展開図の形となっている。文字が1つ赤くなっていることから、このマスが「1の目」であると推測できる。
それに従い上手く123456を埋めることで、ある1つのドイツ語の単語となる。上から順に「KLINIK(病院)」「SIEBEN(7)」「MORGEN(朝)」「HERBST(秋)」「MOMENT(瞬間)」となる。
左側は何かの説明であり、「サイコロの分類」と「単語の分類」によって、それぞれのサイコロが1~6の数字に対応することを示している。
「サイコロ」の2種類の分類、「ドイツ語」の3種類の分類、その分類の色が一部共通していること、などから、その分類は、「サイコロの雌雄」「単語の性(男性名詞、女性名詞、中性名詞)」であると推測できる。

サイコロは組みあがった状態の数字の配置によって雌雄が決まる。
1, 2, 3が見える面を正面に持ってきたとき、
123の順に時計回りに見えるのが雄、反時計回りに見えるのが雌。

ドイツ語の名詞には「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」という分類があり、
これらは意味とはあまり関係なく、単語によって定められている。

サイコロは青が雄、赤が雌。単語は青が男性名詞、赤が女性名詞、緑が中性名詞。
これらを考えると、右側のサイコロは上から
「雄サイコロ」に「女性名詞(KLINIK, 病院)」なので「2」
「雄サイコロ」に「女性名詞(SIEBEN, 7)」 なので「2」
「雌サイコロ」に「男性名詞(MORGEN, 朝)」 なので「4」
「雄サイコロ」に「男性名詞(HERBST, 秋)」 なので「1」
「雌サイコロ」に「中性名詞(MOMENT, 瞬間)」なので「6」
となる。それぞれの単語の数字番目を上から拾うと、答えである「LIGHT」が導き出される。

コメント

ドイツ語ダイス謎。

立方体の謎(分割謎3)の方で様々な議論がなされている中、この問題についてはTL上で大きな動きがなく、非常に静かでした。
しかし、有志の作成したスプレッドシートを覗いてみると、水面下で黙々と進んでおり、そこには無音で置かれた答えが存在していました。ホラーかな

元々は「サイコロ」「ドイツ語」「何か」でそれぞれ3分岐させて27通り、それをアルファベット1文字1文字に対応させる、とか考えていたんですが、サイコロを3分岐させる綺麗な方法ともう1つの3分岐が思いつかず断念。
現状の案も比較的スッキリしていて好みです。

サイコロに雌雄があったり単語に性があったりする概念、面白いですよね。
ちなみに単語によっては「同一スペルだけど意味によって性が異なる単語」もあるらしいです。
「ORANGE」とか。色だと中性名詞、果物だと女性名詞。大変だ。






分割謎5








追加ヒント

1=黒
2=白
3=黒









解説

左右に分割されたQRコードが5組存在している。それぞれうまく組み合わせると、

「1行目左+3行目2番目」
「1行目中央+3行目3番目」
「1行目右+2行目右」
「2行目左+3行目1番目」
「4行目+3行目4番目」

の5組が組み合わさり、それぞれQRを読むと

「1.(0, 0)→2.(0, 1)→3.(1, -2)」
「1.(0, 0)→2.(1, 1)→3.(2, -1)」
「1.(0, 0)→2.(1, 1)→3.(0, -2)」
「1.(0, 0)→2.(1, 1)→3.(0, -1)」
「1.(0, 0)→2.(0, 1)→3.(1, 1)」

となる。
「座標、つまり格子点」「初手が座標系の中央」「2番目が必ずその隣(斜め含む)」というところから、ボードゲームの「連珠」ではないかと推測できる。できない。

ボードゲームの連珠は、
ルールが厳しくなった五目並べのような物である。
「初手(黒)は天元(盤の中央)」
「二手目(白)は初手の隣」
「三手目(黒)は初手から二マス以内」
に置かなければならない、というルールがある。
そのパターン数は26で、「珠型」と呼ばれる。
珠型はそのすべてに漢字2文字の名前が付けられている。

それぞれのQRの中身が表している座標を珠型の名前に変換すると、先述の順番で

「山月」
「水月」
「明星」
「銀月」
「花月」

となる。
左右に分かれていることを考えると、QRの左半分はその漢字2文字の1文字目、右半分は2文字目を表していると考えられる。
それぞれのマス目に漢字を当てはめると、画面上部から

山①水明
 銀 星

〇②⇔月=月=月=月

①②花→?

となる。
上の矢印は「水銀」「水星」が拾え、どちらも英訳すると「MERCURY」となり、等式が成り立つ。
埋まっていない部分は、周りの「⇔」や埋まっている漢字などから、「山紫水明」「太陽」と推測できるので、①=紫、②=陽となる。
つまり「?」に入るのは「紫陽花」を矢印で変換、つまり英訳したものとなる。答えは「HYDRANGEA」

コメント

QR珠型謎。

珠型という概念、面白いですよね。漢字二文字での呼称が使われるのは日本だけらしいです。
26種類と聞いて、アルファベットやトランプと組み合わせても謎になりそうだな、と思いました。他の問題との諸々のバランスを考えて今回はこういう形に。
座標だけで珠型は流石に無理すぎましたすみません。水銀水星ヒントになってねえ。
でも1黒2白3黒のヒントだけで行けちゃうんだからもう分かりません。解かれる解かれないライン、本当に紙一重。

連珠には色々なバリアントルールが存在しており、どうにかこうにか先手後手の手番差を埋めるルールを探しているようです。
「珠型五珠題数提示選択打ち」というめちゃめちゃ長い名前のルールがあったり、ゲーム開始後に対局者の持つ石の白黒が入れ替わったりします。調べてみると面白いかも。

余談ですが、QRコードの中に「見分ける必要がある、見た目がめちゃめちゃ似てる2つ」があるにも関わらず、そんなこと意にも介さず情報整理しているスプシ班を見て感動してました。迅速にして正確。
普段から分割されたQRコードを見分けることを生業としてらっしゃる?

赤が「月」、緑が「星」です。マジで言ってんのか



分割謎6

分割された謎のうち、最も長期にわたって配布されていたのがこの謎になります。
他の5問は「10ピースで完成する画像謎」でしたが、この謎だけ画像ではなく文字の書かれたトランプとなっていました。

このような見た目
ダイヤ1	のみれくか
ダイヤ2	うどえざさ
ダイヤ3	きしやらさ
ダイヤ4	うぼうろた
ダイヤ5	いさやつな
ダイヤ6	いらわがに
ダイヤ7	りなりがま
ダイヤ8	ゆいせるま
ダイヤ9	れいいとや
ダイヤ10 くゃきいら
ダイヤJ	けづうゆり
ダイヤQ	きていせり
ダイヤK	うゅちりわ

ハート1	きたたたか
ハート2	らゅぎりか
ハート3	ずいらぷさ
ハート4	びすむまた
ハート5	りじいちつ
ハート6	しやめつな
ハート7	りきいらは
ハート8	いありじま
ハート9	くっあにま
ハート10 れだいまや
ハートJ	みすうょり
ハートQ	しきうゅり
ハートK	けかれすわ

スペード1  さぐりたか
スペード2  きていくさ
スペード3  しばのきさ
スペード4  りたあいた
スペード5  りいねきな
スペード6  ちうまかな
スペード7  ろいすいは
スペード8  くゅじらは
スペード9  えづばつま
スペード10 やりときや
スペードJ  なかざきや
スペードQ  すくっらり
スペードK  らはがだわ

クラブ1	ひくちいか
クラブ2	うよりいさ
クラブ3	ばうこいた
クラブ4	ちいざいた
クラブ5	りおばつな
クラブ6	きしげるは
クラブ7	らしばなは
クラブ8	りすぐりは
クラブ9	りざかみみ
クラブ10 つぶきうゆ
クラブJ	くっさびゆ
クラブQ	しむじらわ
クラブK	らくざびわ

この内、スペードのKである「らはがだわ」が配られたとき、「このカードは重要です」と言われました。


そして終盤、「非常に重要な情報」として、ジョーカー2枚の情報が出ました。

ジョーカー2枚

以上で情報は出揃いました。







追加ヒント










解説

トランプは合計54枚であり、そのうち2枚がジョーカーとなっている。
ジョーカーは「きりつぼ」「ゆめのうきはし」と書かれており、その他52枚には5文字の単語が右から左の向きで書かれている。

まず、「きりつぼ」「ゆめのうきはし」という単語は、「源氏物語」の第一帖「桐壺」と第五十四帖「夢浮橋」を指していると考えられる。
源氏物語は全五十四帖であることを考えると、この2つを除いた五十二帖に残りのトランプ52枚が対応しそう、と考えられる。

ここで、源氏物語の名を冠する遊びのなかに「源氏香」というものがある。

「源氏香」は実際に香を焚き、
その香と同じ匂いの香を当てる、という遊びである。
まず「5本の縦線が引かれた解答用紙」が各々に配られ、
5つの香が順に焚かれていく。
1番目の香が「右端の線」
2番目の香が「右から2番目の線」
…と右から左に対応しており、
参加者は2つ目以降の香が焚かれたとき、
「それ以前に焚かれた香と同じ匂いの香である」
と分かったならば、その香に対応する線の上部を横線でつなぐ。
例えば
「1番目と2番目が同じ香、3番目と5番目が同じ香。
4番目と同じ香はない」
といった具合の意思を解答用紙に横線を補うことで示し、
それを提出するのである。
最後に答え合わせをして、合っていたら偉い。

香は最小1種類、最大5種類焚かれる。



源氏香の匂いの組み合わせ、つまり線の引かれ方のパターン数は52であり、それぞれの線の形に「源氏物語の巻名」が割り振られている。
ただし先述の通り源氏物語は全五十四帖であり、ちょうど「桐壺」と「夢浮橋」以外の52種類からその名前が取られている。
つまりジョーカー以外の52枚のカードはそれぞれ異なる源氏香を表しており、その名前に対応する巻名が対応する、と考えられる。

トランプに書かれた単語が「右から左へ書かれていること」や「5文字である」ことから、この単語の1文字1文字が源氏香における「5つの香」に対応している、と考えられる。
また、源氏香の「最大5種類の香」というルールや、「スペードのKである「らはがだわ」が重要」と言われていた事実を手掛かりに考えると、源氏香で言うところの「同じ匂い」は、この謎においては「同じ母音」である、と推測できる。

つまり、その単語内で同じ母音の文字同士を結ぶことで生まれる線の形が52種類すべて存在する。
(例えば「らはだがわ」はすべて同じ母音なので、すべて同じ匂い、つまり5本の縦線をすべて同じ横棒でつないだ図、「手習」に対応する。)

このようにしてすべてのトランプを源氏物語に対応させたのち、ジョーカーを含めた54枚すべてを「源氏物語の巻名順」に並べる(桐壺→帚木→……→手習→夢浮橋)と、ある規則が見える。
それは「単語の頭文字が、か行2枚→さ行2枚→た行2枚→……→わ行2枚、そして再びか行2枚→さ行2枚→た行2枚→…」というループになっていることである。
このループは3回起きており、1ループである18枚ごとに改行することで、綺麗に9つの「同じ行の頭文字を持つ、横2×縦3のブロック」が左から右に並ぶ。
(正確には最初の「桐壺」と最後の「夢浮橋」のみ、このループから外れているので一部欠けた形とはなる)

ここで全体を俯瞰して見ると、トランプは赤と黒の2種類存在している。(ジョーカーは色合いから黒)
「横2×縦3」「2種類」というところから、これが「点字」を表しているのではないか、と推測できる。
実際に赤い部分を「点がある」、黒い部分を「点がない」として変換すると、ひだりから「こたえはしょうもう」と読み取れる。答えは「消耗」


コメント

源氏香点字謎。
表ボス。ラスボスより強かったかもしんない

時系列的には最後に討伐されました。本当にお疲れ様でした。
膨大な情報整理と処理能力が試される難問だったと思います。

この謎のみ、無策師さんにご提供いただきました。
分割の醍醐味、という感じでめちゃ好きです。
テーマ2つが「嗅覚」と「触覚」なの面白い。

この問題のみ「トランプの図柄を謎に使う」という関係上、他の5問の謎とはトランプの図柄の隠され方が異なっていました。(分割謎1の写真参照)
気付いた方はビンカン王。

現地でめくられたジョーカーを見て、その場で「あ~!」と理解していた方もいらっしゃいました。早い。
人の点と点がつながる瞬間見るの大好きです。




最終問題

この謎はTシャツにプリントされており、ゲーム開始時点から店内に展示されていました。
しかし最初の段階では「Tシャツの写真、内容についてのSNS等での共有禁止」というルールがあり、実際に問題を見ることができたのはチケットを持ってTOKIQILの会場に来た人、「現地班」のみでした。

しかしそのTシャツの隣には「一部の情報がテープで隠された、同じTシャツ」があり、こちらはSNS等での共有OKでした。
そして先述の分割謎を解くたびにテープが剥がされ、SNSで待機していた人々、「Web班」が情報を手に入れて集団で挑むことができる、という仕組みでした。

店内に飾られたXXXXL。
こちらは本来は「共有NGのTシャツ」。
実際は左側に少し見えるのが「共有OKのTシャツ」で、情報の一部が隠されていました
拡大画像。当日は一部の情報が隠されており、順々に公開されていました









解説

左下に「X」と書かれた4つの式がある。この4文字を導くのが最終的な目的となりそうである。

まず、上のほうにある「TOKIQIL」「659345 667042」「6.4.5=L」は、その近くにある点を装飾している。
ここで「TOKIQILが示す点」や、「点に付随する数値情報」などの情報を踏まえ、全体を俯瞰して見ることで、「数値は何らかの座標を表しているのでは?」と推測できる。
実際にTOKIQILの会場情報を調べると、「経度緯度の小数以下第6位まで」が、付随している6桁, 6桁の数値とほぼ一致することが分かる。
(「35.659345, 139.667042」の位置情報)

同様に考えると、画像中央の点はその数値、点の位置関係から「北極か南極のどちらかではないか?」と推測できる。
TOKIQIL会場が北半球にあることなどから中央の点を北極点と仮定すると、

・最も外側にある円は地球の輪郭を示している
・点線は経度0度、180度の線を示している
・中央の点から「TOKIQILの点」、外側にある円までの距離関係が、計算上正しそうである

と判明することから、この仮説は正しそうである。

次に、3つの数字が示すものを考える。
「6.4.5=L」という情報から、「3つ一組の数字から1文字のアルファベットが導かれる」とわかる。
「3つ一組」「位置情報に付随する」「〇.〇.〇」というところから、「what3words」というサービスが連想される。

what3words」とは、
「地球上を3m×3mの区域に分割し、
そのすべてに3つの単語で名前を付ける」
というサービスである。
従来の住所情報では表せない精度での位置指定が可能。

例えば
「toned.melt.ship」
という3つの単語の組み合わせは、
「自由の女神像の持っている松明を含む3m×3m」
の位置を示している。
そのくらい細かく指定できるため、待ち合わせ等で非常に便利。
残念ながら日常での普及はまだ少ない。どんどん広めよう。

ちなみに1つ単語を間違えると、
座標が地球の裏側まで飛んでしまったりする。
「これは伝達ミスによるすれ違い」を防ぐために、
あえて「近い単語は遠い場所へ」という
調整が行われていることによるものである。賢い。

what3wordsの精度上、「TOKIQIL会場」という指定だけではまだ甘く、特定の3m×3mの区域を特定できない。
しかし、先ほど導出した「35.659345, 139.667042」ならば、1つの区域に特定できる。

(what3words上でも経度緯度検索が可能。言語は右上から英語に設定できる)

するとこの座標は「///prefix.joke.music」となる。
ここから、「6.4.5」が「what3wordsにおける単語の文字数を表しているのではないか?」と推測できる。

次に、TOKIQIL会場の点を含む、同一円周上にある12個の点を考える。
中央が北極、上方向にあるのがTOKIQIL会場。
そして、「6.4.5=L」という式。
ここで、Lは12番目のアルファベットである。
「円周上に12個の点」「上方向が12」という情報から、「この円は地球上に置かれた大きな時計なのでは?」と推測できる。

つまり、12個の点は等間隔に配置されており、その点は「中央を北極とした同一円周上」、つまり「同緯度上」に存在している。
12時方向が「35.659345, 139.667042」であったことから、この視点で考えた時の時計の時間との対応は、

1時:35.659345, 109.667042
2時:35.659345, 79.667042
3時:35.659345, 49.667042
4時:35.659345, 19.667042
5時:35.659345, -10.332958
6時:35.659345, -40.332958
7時:35.659345, -70.332958
8時:35.659345, -100.332958
9時:35.659345, -130.332958
10時:35.659345, -160.332958
11時:35.659345, 169.667042
12時:35.659345, 139.667042(=TOKIQIL会場)

となる。

最後に、先ほど導出した12個の座標をwhat3wordsで変換する。
すると、最初に注目した問題部分の3つの数字に対応する座標が1つずつ存在する。

「8.12.9」=「///penguins.recognitions.improving」=「9時」
「7.8.8」=「///smarten.ambushed.pediment」=「4時」
「7.10.11」=「///stoking.biodiverse.frightfully」=「5時」
「6.4.8」=「///gentle.move.referred」=「1時」

これらを「6.4.5=L」の例示と同様にアルファベット順、つまり
「1時=A」「2時=B」…と変換することで、「XXXX=IDEA」となる。

ここで、もう1つ飛躍する必要がある。
このTシャツの展示名は「XXXXL」であり、Tシャツの近くにもその名前がずっと飾ってあった。
つまりこのTシャツは「XXXXに入る4文字を表している」のであり、答え自体は「XXXXL」である、という飛躍である。

「XXXX」に「IDEA」を代入すると「IDEAL」(理想)という単語が導かれ、これが最終解答である。


コメント

地球規模時計謎。
解いていただきありがとうございました。

最終問題でしたが、当日は「分割謎5」「分割謎6」の2つより先に解かれました。すごい。
本来は分割謎が全討伐された後、「最終問題の直接的なヒントが次第に与えられ、それを元にWeb班含めた集合知で立ち向かう」といった図式を想像していました。
実際に順調に6問中4問が解かれ、次第に公開されていくTシャツの情報。
残り2問を解き進める人々と、それとは別で既に最終問題に立ち向かっている人々がいました。
(2問が残っているこの段階では、まだWeb上ではTシャツ中央の「000000 000000」、上部の「TOKIQIL」の文字が隠されている状態でした)

しかしTwitter上では早い段階から「what3wordsっぽさ」(「8.12.9=X, 7.8.8=X」公開タイミング)や「緯度経度の小数点以下かな」(「659345 667042」公開タイミング)などのクリティカルな発言が飛び交い、その後有志の作成したスプレッドシート上で「TOKIQIL会場は///prefix.joke.music」という大きな進展が生まれていました。

そしてついに終了まで1時間と少し、というところで「8.4.5=L=12時」「同一緯度上、30度ずつ」という意見が出たことにより、決着が付きます。
一切のノーヒント、何なら情報2つ確定していない状態での出来事です。
人類怖い。人類?

あとは仮説の検証が行われ、現地での解答判定が行われ。
タイムアップ48分前、7時間12分にて「XXXXL」の解答提出、挑戦者の勝利となりました。

本当に集合知の強さを思い知らされた時間でした。
what3wordsって無から思いつくものなのん?


制作過程。
当初常春さんから「サイズが難易度になる」というコンセプトを聞きました。オシャレ。
「これのXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXLを作ってほしい」という依頼でした。張り切っていろいろ考えます。

様々な案が出る中で、「サイズ指定がでかいなら、謎の規模もデカくしよう」と思い立ち、地球規模の謎を考えます。
無策師さん作の001も地球テーマなので、原点回帰感あって良さそうです。

ここで時計モチーフを持ち出すことで、1~12の数字で「IDEAL」という単語が導き出せると考えます。
(その後「XXXXL」というタイトルが回収できると思いつき、仕上げます)

当初は「TOKIQIL含む任意の2点と時間(12時と2時の位置、など)を固定することで、時計が確定する」と考えて謎を作っていたのですが、あることを見落としていました。
それは「地球は真球ではない」ということ。自転の影響などから、実は地球は少し横長の扁球の形です。

扁球の上に斜めに正円を置く……? その状態で経度緯度を3m×3mの精度で測定……???

計算するのもさせるのも異常な謎が爆誕しました。
(何なら地球を扁球へ近似する方法すら様々で、一意に定まらないので解かせる際に指定する必要がある)

そこで計算を極力減らすよう、現在のデザインにしました。スリム。

経度緯度が小数第6位までというのは、6位までだと10cm以下の精度で指定できるためです。
what3wordsとの干渉がちょうどいい具合になりました。

デザインについて。
例示が1つだったりと極力ヒントとなる情報を削っている反面、
存在しているものについてはほぼすべてがヒントになっています。
外周円と内周円の比率、点線の角度など……。
結果、諸々の情報の意図を読み取っていただいたのか見事な解かれ方をされました。嬉しかった。
難易度調整をしていただいた制作メンバーの方々やデバッグ班、そしてデザインをしていただいたMagic Penさん。ありがとうございました。

ヒントについては最後まで悩んでいました。本当に人々の強さが読めない。
前哨戦にてその気持ちは強まっていました。
結果としてXXXXLについては1つもヒントが使用されなかったわけですから、「人数×時間×熱意」の強さが想像をはるかに超える、ということを改めて思い知らされました。
ちなみに、分割謎の方で一部同じ題材を使用することで、サブリミナル的に間接的なヒントを出す試みをしていました。
具体的には「無限遠からの視点」「単語をその文字数の数字に変換する」という部分。実際どう働いていたんでしょうか。


余談ですが、出そうと思っていたヒントの中に「6.4.5=L, 6.4.5≠X」というものがあります。
これは「12時=Lという確定、例示1つでは甘いのでは?」という危惧により、迷走が始まった際に軌道修正を目的として出す予定でした。
「6.4.5はLでありXではない」、つまり「12時だけど24時じゃないよ」という例示です。
実際ヒントとしてはどうか分かりませんが、「12と24でLとXが出る」の、XXXXLのヒントとしてちょっとオシャレで面白いね、というお話でした。





最後に

以上がXXXXLの全貌でした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後まで遊んでいただき、ありがとうございました。
当日来ていただいた方、トランプに参加してくださった方、Webで積極的に参加していただいた方。
そしてTOKIQILに携わった方々へ。本当にありがとうございました。













ちなみに。
自分は制作特典として「XXXXL」のこのTシャツをいただきました。
このTシャツは理論上単体で解けるので、他のTシャツ同様、解ける人が見れば答えが出る仕組みになっています。難易度はともかく。

ただ1つ特殊な点として、この謎単体では「このTシャツがXXXXLである」、という情報が抜けています。
このTシャツの答えが「IDEAL」となるのは、あの日あの会場にあの形式で存在していた瞬間のみです。



どこかで皆さんとお会いする機会がありましたら。
その時はこの「IDEA」Tシャツを着てるかもしれませんね。




































~当日のゲーム中盤、スタッフとの和やかな会話のワンシーン~

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