#45 ストリートピアノでドレミのうたを弾く
前髪と似合わない髭が伸びて見窄らしい自分。引っ越したばかりで新しい美容院に行くことへの不安があり、前髪を自分で切ることにした。文房具のはさみで。鏡の前に立ち、1cmかそこらを切っただけだったにも関わらず、「切ってやった」という悦に浸り、笑みが溢れた。
恥ずかしいことがとにかく嫌だ。間違っていないという自信がないと答えることを躊躇してしまうし、周りの人と同じように歩けているかを確かめるためにショーウィンドウの自分を見てしまう。髪型や服装も最低限のラインは超えるように綺麗に