アメリカで格闘技だけをしていた話(6)〜プロ練技術編〜

試合前です。だけどもいつも通りです。

今回は向こうで感じてビビッときた練習のお話です。
試合も近づきインタビューも増えてきました。その中でも特に色々と話したMMAPLANETさんのインタビュー、是非ご覧ください。前編と後編に分かれています。後編はもう少ししたら出るかと思います。

日本に戻ってきてからは練習環境を変えるとか出稽古を増やすということは全く無くて今まで通りマスタージャパンでキックや柔術を学び、悟さんとのマンツーマン練習で技術確認や技研究をみっちり行い、松本さん(修斗前ライト級チャンピオン、元マスタージャパン所属の先輩)とマンツーマンスパーというリズムで練習をしています。MMAのスパーリングはアメリカと変わらず週に2回というリズムです。少しだけスパーリングを増やそうと思っていたのですが直近に試合が決まったこともあり今までと同じリズムで調整をした方がベターだと思ったからです。練習メニューに改善を加えるのは試合が終わってからです。

今回は自分史上1番大きな舞台で戦うことになるわけですがやっぱり試合前はいつも通りの心境です。過剰に舞い上がることもなく浮き足立つこともなくリラックスできているかと思います。
シンガポールに同行してくれる悟さんが以前ONEのセコンドでシンガポールに数回行った経験があること、トレーナーと対戦相手の映像を見てしっかり分析出来たこと、体重調整が順調なこと、
それに加えてやっぱりアメリカでの2ヶ月間を経験したことが1番の要因かと思います。
残りの調整もしっかりと行いベストコンディションとピークを6月9日に持っていきます。

アメリカ修行の2ヶ月間を経験したことが大きな要因ですがその中でも今日は練習メニューについて触れます。さらに掘り下げるとどんな打ち込みをやったかどんな風にコンビネーションを組み立てるのかなどを詳しく書こうかと思います。本当は書きたくないけど書きます(笑)

革命的だった打撃練習と内容

SyndicateMMAはどちらかというとストライカーよりのジムだなと思いました。だけども前の記事に書いた通りレスリングの重要性や必要性を深く理解し落とし込んでいます。コテコテのグラップラーやレスラーは少なかったように感じますがストライカーもみんな一定レベルまでのレスリング能力は持っています。アメリカに行く時に自分の中で学びたいものは主にレスリングとストライキングでした。前者は正直どこのジムに行っても学べると思っていました。アメリカはレスリング文化ですし下調べの際どこのジムもピュアレスリングのクラスは大体ありました。加えてレスリング素人の自分はとにかく基礎からのスタートと思っていたので正直ここは深く悩むところではなかったからです。しかしストライキングは全くわかりませんでした。当たり前ですがですがUFCに出ている選手は打撃が極端にできない何で選手はまずいなくってみんな強いです。その中でどんなスタイルがあるのか、何が強いのかをリサーチしたのですがあまり情報は得られずでした。だからここは運任せなところもありましたが行ってみて考えよう、と思っていたのです。
ところが自分は「とんでもない強運の持ち主」で結果として大変大きな収穫を手に入れるのです。
打撃に関してやりたい事は強いて言うなれば漠然と取り組んでみたいなくらいに考えていたスイッチを取り入れた打撃です。自分は左利きオーソドックスのスタイルなのでサウスポーに構えてもいけるんじゃないかと前々から考えていました。しかし試合が決まったり小さな怪我をしたり、そもそもスイッチのやり方や落とし込み方を全くわかっていなかったので困難を極めていたのです。
結果SyndicateMMAでの練習でスイッチコンビネーションを練習することになるのですが、ただ漠然とスイッチを入れるのではなくしっかりと理論的に説明をしてくれるので自分の型にハマりました。
スイッチを入れた打撃の上手さはヴィンス(ヴィンスモラレス)がダントツに上手で、打ち込みをパートナーとして沢山練習をしたはブランドン(ブランドンジェンキンス)とゼンダーラミレスの2人です。彼らも上手に自分のスタイルの中にスイッチを落とし込みます。

ブランドンとは同じ日に生まれた。
9月30日生まれ同士。

ちなみにブランドンは4月半ばの試合で膝を痛めてしまったらしく自分が帰る日の翌週から練習に復帰すると言っていたのですが自分と最後にスパーをしようと復帰を1日早めてくれたのです。本当にいいやつで最終日の忘れられない思い出のひとつになりました。
さてここから自分がビビッと感じたスイッチコンビネーションについて記していく事にしましょう。

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