すまき書を想感た観を『TENET』

『TENET テネット』を観てきました。 タイトルでは時間が逆転しています。序盤で「考えるな、感じろ」と、ブルース・リーみたいなセルフがありました。感じることが大事な映画なんでしょうね。話のが分からないので、評価もできない。ただ、なんかすごい感じがする。以下ネタバレをしつつ、映画を観て言いたくなった感想を言います。

中盤以降の高速道路のカーチェイスから、途端に何が起きているのか分からなくなった。さらにそれに続く空港の尋問シーンは複雑すぎてもう。終盤は時間が逆行する凄いアクションが連発する一方で、何のために、いつ行動しているのか分からない。画面に映っているのが誰かもはっきりしない混乱する映画でした。英語Wikipediaにストーリーが分かりやすく書いてありますが、英語なので分かりにくい。

分からん、分からん、と言っていますが、実は結構好きです。基本的にはスパイ映画。世界のいろいろなところへ出張して暴れる007的な映画です。空港に飛行機を突っ込ませたり、酸素がない部屋で息を止めてお宝を盗んだりとか。現金輸送車を大型車両で挟んで強奪みたいな、ケイパームービー的な面も楽しい。

ジョン・デイビット・ワシントンが演じる名もなき男(The Protagonist)と、ロバート・パティンソンのニールの友情。「時をかける少女」とか新海誠っぽい、かもしれない。時間SFで男女の恋愛が語られることはおおいけれど、このジャンルで友情が直球に描かれるのは珍しいと思います。

ジョン・デイビッット・ワシントンが主演の中で一番背が低いように見える。しかしそれでも175cm。ワシントンは俳優としては、若干身長が低いのかな。相棒役のロバート・パティンソンは184cm。そしてヒロインのエリザベス・デビッキが、なんと191cm。背が高い女概念だな、と思いました。彼女は敵のボスの妻で、ボンドガールみたいな立ち位置になりそうです。主人公との淡い淡いプラトニックすぎる人間関係は、ノーランらしさということでしょうか。

最近映画『メッセージ』と原作『あなたの人生の物語』を思いだすことがありました。哲学×映画『メッセージ』:私たちは未来を予期して生きている? 傑作SFを哲学で読み解くという記事を読んで結構面白かったのです。それで文庫の整理をしていたら『あなたの人生の物語』がいつの間にかなくなっていました。テッド・チャンの作品は決定論的な世界の中で、それでも自由意志がある、またはそんなものは無いという話が多い。「起きてしまったことは、仕方がない」と登場人物に言わせるクリストファー・ノーラン。未来が過去を決定する(らしい)『TENET』は、自由意志にとってもヤバい世界です。

いずれにせよもう一度映画館で観たい映画でした。



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