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『サイバーパンク2077』の迎撃準備を進める

『サイバーパンク2077』のまとまらない話。2020年、もっとも期待されているゲームが本作『サイバーパンク2077』。発売日に買って家にひきこっもって、徹夜でプレイする予定の人もいるだろう。私は毎日トレーラーを観て、ゲームメディアのニュースを漁っているよ。

まあ私の周りではいくら力説してもいまいちピンと来ていない人もいるようだ。そう、お前のことだ。ひとつのゲームで盛り上がれることなんか滅多にない。せっかくだから『サイバーパンク2077』を買ってくれ、という気持ちである。目を覚ませよ、サムライ……。この街に火をつけるぞ。

『サイバーパンク2077』

『サイバーパンク2077』の基本的な情報をまとめておこう。本作はポーランドのゲーム開発会社CD PROJEKT REDの最新作。CD PROJEKT REDは2015年にアクションRPG『ウィッチャー3 ワイルドハント』を発売。その高い完成度から全世界で愛される作品となった。美麗なグラフィックで描かれる中世ヨーロッパ風の壮大な世界観。血の通った主人公ゲラルトはじめ愛すべきキャラクターたち、選択肢によって分岐し、なおかつ作りこまれた物語。そんな作品を作り上げたスタジオの最新作が『サイバーパンク2077』なのだ。

『サイバーパンク2077』はその名前のとおり、サイバーパンクな世界が舞台のアクションRPGだ。舞台は2077年のカリフォルニアの架空都市「ナイトシティ」。この街では人々は身体の改造に取りつかれ、犯罪がはびこり、日本語で書かれた妖しく光るネオン看板が乱立している。まさにサイバーパンクど真ん中な光景だ。主人公「V(ヴィー)」は、とあるインプラントチップの謎を追うことになる。YouTubeでトレーラーを見れば、世界観はすぐわかるはず。発売日は12月10日。

サイバーパンク概念

サイバーパンクは一筋縄ではいかない概念。説明しろと言われると困ってしまう。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の特集「"サイバーパンク"について復習・予習しておこう!」 (ゲスト:大森望・添野知生)」がすごくわかりやすい。Spotifyで聴ける。超面白いから聴いて!!

いわゆるサイバーパンクというジャンルは1984年の小説『ニューロマンサー』を筆頭に、ウィリアム・ギブスンと友人のブルース・スターリングの小説のことを指す。彼らの小説を中心にサイバネティクスやコンピューターネットワークが浸透した世界を、SFの新ジャンルとして押し出す運動があったとか。硬直したSFに革命を起こすパンクな運動なわけですね。あとノワールというのも重要な要素。『ニューロマンサー』の超かっこいいビジョンと「サイバーパンク」という言葉は、厳密な定義を超えて広がってゆく。伊藤計劃の文体が翻訳者の黒丸尚から影響もあるというのもいい話。

サイバーパンクというと、夜の街にネオンがあってというイメージ。これはニューロマンサーとは直接関係ない。しかし1982年の映画『ブレードランナー』と1984年の『ニューロマンサー』の影響元はメビウスなどのヘビー・メタル誌だった。『ブレードランナー』は厳密にはサイバーパンクではないけど、ビジョンは共有されていた、ということらしい。

オープンワールド『サイバーパンク2077』

ゲームとして楽しみなのは、トレーラーから伝わるその高密度な都市。都市というのは、オープンワールドゲームの華といっていいんじゃないかな。『ウィッチャー3 ワイルドハント』のノヴィグラド、『グランド・セフト・オート V』のロスサントス、『レッド・デッド・リデンプション 2』のサンドニとか。まあ、あくまでトレーラーの情報ではあるのですが、いままでにない都市を見せてくれそう。最新のグラフィックで、サイバーパンクな街を散策できる。言語化するのが難しいけれど、とにかく情報量が多いのだ。

オープンワールドの形式としては『ウィッチャー3』に近いのかなと妄想している。たとえばロックスターゲームズのオープンワールドは、ミッション以外では、ランダム生成されたモブキャラしか基本的には出てこない。逆にBethesdaのゲームは、かなりかっちり箱庭として作られていて、NPCも基本的に手作り。『ウィッチャー3』はそのどちらでもなかったと考えている。『サイバーパンク2077』はいまだにオープンワールドゲームとしての質感が分からないね。

キアヌ・リーブス

そしてキアヌ・リーブスがゲームにジョニー・シルヴァーハンド役で出てくること。彼は1999年の映画『マトリックス』の主人公ネオを演じた俳優だ。ジョニー・シルヴァーハンドは『サイバーパンク2077』の原作であるボードゲーム『サイバーパンク2.0.2.0.』のキャラクター。伝説のロッカーボーイで、企業との闘いで命を落としたという。そんな彼がインプラントチップの中の人格として、主人公Vの前に姿を表す。

『マトリックス』は私は本当に好きな映画で、DVDで10回以上は見返したんじゃないかな。ラジオで添野知世氏が引用していたけれど、決め台詞が素晴らしい。「人々にはお前たちがいない世界を見せる。規則も束縛もない国境も境界線もない、すべてが可能な世界を。」そして同じくキアヌ・リーブスが演じるのがジョニー・シルヴァーハンド。ネオと同様、アナキストなのだった。

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キアヌと僕、奇妙な共同生活が始まる




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