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春だ!踊りだ!踊りだ!春だ!

新橋演舞場にOSK日本歌劇団の「レビュー春のおどり」を観に行ってきました。

OSK日本歌劇団は、宝塚歌劇と同じく女性だけの歌劇団で、主に大阪ベースで公演を行っていて、東京での一番大きな規模の公演が年に一度の新橋演舞場での公演になります。
OSKは「Osaka Shochiku Kagekidan」の略で、昔は松竹が経営していました。その後は近鉄など数社が経営にかかわり(バッファローズの試合に団員さんが出ることもあった模様)、現在に至ります。来年で100周年。OGには京マチ子や笠置シヅ子がいます。

ちなみに、OSKの東京部門が昔浅草の国際劇場(今の浅草ビューホテル)をホームにしていたSKD(松竹歌劇団)です。こちらは倍賞千恵子・美津子姉妹がOGで、残念ながら1996年に解散しました。
私より上の世代の東京東部で育った方は、宝塚よりSKDのほうがなじみがあったようです。これは国際劇場の上演形式はは映画とSKDの組み合わせだったからというのもあるようです。私の祖父もファンだったようで、祖父が生きていたら一緒にSKDを観に行きたかった!
SKDについては、↓リアタイで観ていた方のこちらのサイトが詳しいです。

閑話休題。今回の「春のおどり」は日本物の「ツクヨミ」と洋物の「Victoria」の二本立てでした。トップスターの桐生麻耶さんはこの公演を最後に特別専科に移籍されます。
その昔、OSKの団員名鑑に歌劇学校時代のあどけない表情をした桐生さんの写真が載っているのを思い出して、こうやって彼女のトップとしての最後の舞台を観ることは感無量でした。あと、桐生さんは確か朝香櫻子さんと共に、近鉄経営時代の最後の団員さんだったかと。

「ツクヨミ」は、月をテーマにして桐生さんが蘇我入鹿と伊達政宗と中山安兵衛を演じます。
中でも個人的にツボだったのは中山安兵衛のエピソード。「忠臣蔵」の討ち入りメンバーである安兵衛が、敵討ちの助太刀に高田馬場までダッシュしていく話ですが、この話は大好きだったのでレビューで観ることができたのはうれしかった!高田馬場までの移動を、桐生さんが疾走するだけでなく人をうまく動かして(早変わりも使って!)動的に表現していたのはナイスでした。
それから、狂言回しのヒトヒラ役の次期トップスター・楊琳さんの歌唱力とクールな佇まいは素敵でした。

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「Victoria」は、プロローグが印象に残ります。スターがどんどん歌をつないでいき、人のフォーメーションもきれい。それからカーテン前の使い方がうまくて場面ごとのつなぎがスムーズ。これはレビューで大事なことだと思います。
OSKの皆さんのダンスは男役さんも娘役さんもキレッキレなので、観ていて実に気持ちいいです。
最後に、千秋楽だったので桐生さんのためのショーが付きました。OSKの定番ソングのメドレー?でまとめてくれたのはうれしかったです。

そしてOSKの最後のお楽しみは「桜咲く国」!
公演の最後に、出演者が「桜咲く国」というOSKのテーマソングを、ピンク色のパラソルを閉じたり開いたりぐるぐる回したりしながら歌います。この曲が非常にテンポの良い曲で、帰り道にハミングしてしまいそうになります。下の映像は、OSKの現役生とOGが「桜咲く国」を歌っているものです。

ちょうど桜の満開の時期に「桜咲く国」を聴くことができるのがうれしいですね!

ちなみにお客さん用にもミニパラソルが売ってあります。なんとアマゾンでも購入できる!

そういえば「桜咲く国」はSKDでも使われていて、「男はつらいよ」シリーズで寅さんがSKDにハマるエピソードがあるんですが(マドンナがSKDの団員さんという設定)、寅さんも国際劇場でSKDを観てから「桜咲く国」を歌う場面があったりして、寅さんの気持が分かりますわ!!

それから、今年は新橋演舞場での公演が夏にも開催されることになりました!新しいトップスター・楊琳さんのお披露目公演「夏のおどり」。
もしOSK日本歌劇団に興味をお持ちになられたら、ぜひ観に行ってみてください。


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