★スコトーマ(心理的盲点)
スコトーマという言葉をご存じだろうか。私は最近知ることになった。しかし、教師になった頃から「年齢に関わらず、人それぞれ、同じ物事を見ても見え方が違う」ということに気づいていた。
苫米地英人博士によれば、スコトーマが生まれる要因は2つ。
1:知識がない(から見えない)
2:自分にとって重要ではない(から見えない)
教師をしていて同僚と話して気になるのは、1タイプのスコトーマである。ある、問題行動を起こした生徒がいる。その生徒を指導しなければならない。教師Aは授業から抜いて、別室で反省させるべきと主張する。教師Bは、教室から抜いてしまうと、生徒の学習権を奪うことになるから、休み時間か放課後に指導すべきと提言する。
教師Aは怒りキャラとして生徒に認識されている。厳しい教師であると同時に、生徒には「話をしても無駄な先生」として認識されている。教師Bは「話を聞いてくれる先生、気になることがあれば話をする先生」として生徒から認識されている。結果、「優しい先生」と生徒から言われる。
では、教師Aは教師Bをどう見るか。恐らく、「甘い教師、生徒に迎合する教師。私はああはなりたくない。」と認識される。教師Bは教師Aを、生徒指導力が不足した教師、スコトーマが大きい教師と見る。
過日の、指導死を招いた福井県池田中学校の教師はAタイプの教師ではなかったと想像する。Bタイプの教師がいなかったのか。残念でならない。
スコトーマは目に見えない。数値でも測れない。しかし、確実に存在する。スコトーマが大きい、勘違い教師が、生徒や親と日常的にトラブっている。
教員免許更新制度ができたのは、第一次安倍内閣のとき。民主党政権では廃止できずに現在も残る。もし、今後も制度が残るなら、私は、座学よりも体験を重視した講習にできないかと考えている。
私は平成26年度1年間東武鉄道株式会社に長期派遣され、宣伝の仕事に携わった。鉄道会社では、「お客様は絶対であり、お客様に文句を言うなどもってのほか」と考える文化があった。もちろん、理不尽な要求はきちんと理論的にお断りするマニュアルがある。
免許更新時に、短くとも一ヶ月、教師を民間企業、とりわけ接客業に派遣できると良い。そこで、CS(カスタマーサティスファクション)について、実践的に学ぶのである。学校で問題が起きたとき「生徒や保護者のせいにする」という発想を根絶するためである。
他人のせいにしている限り、その教師は成長できずに停滞する。向上心のない教師ほど、学校現場を混乱させる。そんな教師には一刻も早く教育現場からご退場願いたい。
参考HP http://re-sta.jp/scotoma-3053
学校教育には矛盾がいっぱい!