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心理的安全性について

為末さんのFBで心理的安全性に関して投稿されていて、なるほどと思う部分があったので、共有させていただきます。

心理的安全性を提唱しているGoogleが大規模なレイオフを行っています。心理的安全性を唱えながらレイオフを行うことについて、どう捉えればいいかを少し考えてみたいと思います。

心理的安全性は提唱者のエドモンドソンによると「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態」と定義されています。対人関係で少し踏み込んだり、自分の率直な意見を言ってもそれが受け入れられるような状態のようです。端的に言えば、誰でも話がしやすい状態でしょうか。

重要な点は二つあります。一点は生産性が高い組織は心理的安全性が高いと言っているところで、「倫理的観点からそうすべき」と言っているわけではないという事です。もう一点は立場の安定は保証していないという事です。時に心理的安全性は「どんな時でも安全が保たれている状態」と思われがちですが、あくまで発言や行動などのアウトプットに心理的な抵抗がない状態であり、身の安全を完全に守ってくれるわけではありません。

自分がいつ振るい落とされるかわからないようなプロスポーツチームにおいても心理的安全性が高い状態は存在します。十分に自分の意見を言い議論しています。それが可能であるためには、フェアであるかどうかにつきます。人種や背景に関わらず、自分の発言が許容され、合理的であれば評価されることがわかっていれば人は話し始めます。むしろプロチームは結果を出すことが前提とされているので、積極的に発言、行動します。

もちろんスポーツチームは性別も偏っていてモノカルチャーなので、通常の組織であれば多様性を担保することで発言しやすくすることは重要でしょう。それでも突き詰める先はフェアネスです。立場の安定を心理的安全性と紐づけると、どんなに怠けても生産しなくても淘汰されないという事になります。人は自分より明らかに成果を出していない人が評価されることを許容できません。いくら心理的安全性のためとはいえ、アンフェアな状況は耐えられないのです。

ですから「安定」も「公平」もどちらも手にいれるという都合のいい話はなく、結局組織ごとに「正当な評価」と「立場の安定」をどうチューニングするかなのだと思います。
2023年2月7日 為末大さんFB投稿から

【心理的安全性と身の安全は異なる】

為末さんが”心理的安全性の申し子“とも言えるGoogleのレイオフに絡んで心理的安全性を説明されています。いくつかのポイントを以下に抜粋します。

「(心理的安全性の定義は)対人関係で少し踏み込んだり、自分の率直な意見を言ってもそれが受け入れられるような状態のようです。端的に言えば、誰でも話がしやすい状態でしょうか。」

「時に心理的安全性は「どんな時でも安全が保たれている状態」と思われがちですが、あくまで発言や行動などのアウトプットに心理的な抵抗がない状態であり、身の安全を完全に守ってくれるわけではありません。」

「立場の安定を心理的安全性と紐づけると、どんなに怠けても生産しなくても淘汰されないという事になります。人は自分より明らかに成果を出していない人が評価されることを許容できません。いくら心理的安全性のためとはいえ、アンフェアな状況は耐えられないのです。」

ポイントとしては”心理的安全性が高い「場」が提供される“ことと、”結果が求められる“ことは独立した軸で考える必要があるということだと理解しました。


【市場原理の上に成り立つ】


時間軸を入れるとわかりやすい
心理的安全性が担保されるということは、そういう「場」が提供されるということ。
その提供された「場」は期限付きであり、永続的ではないということ。
ある時間軸の中で結果を出さなければ「場」は提供されなくなるということ。
求められるアウトプットのタイプによって求められる時間軸は変わるということ。(例えば基礎研究で数ヶ月などはありえない)ビジネス環境によって、時間の猶予は変わる可能性があること。
結果に対する評価の過程はフェアであること。(評価の軸がクリアであり、合理的に評価がなされること)
つまりは、フェアに評価される環境下であれば仮にレイオフの様な状況下であっても、その環境に残る人たちの心理的安全性は保たれることになると思います。

【心理的安全性を保つということ】

私の中では、心理的安全性が保たれて場の最たる例が二つあり、一つはカウンセリング(1対1)、もう一つがブレスト(集団)、です。
どちらにも共通しているのは、以下のようなポイントではないかと思っています。

  • 相手の発言を否定しない

  • 相手の発言を評価しない

  • 発言する事がポジティブであると捉える

  • 目的・方向性の軸が決まっている

実は4つ目の項目は心理的安全性を考える中で忘れてしまいがちかもしれないと思いながら、大前提としてとても重要だと思うのです。
ブレストではある目的を達成するためのクリエイティブなアイディアを出すため、カウンセリングでは相談主のストレスを軽減し状況が良い方向に向かうため。

為末さんの指摘されたポイントも、実はここなんじゃないかな、と思います。つまりは企業がプロフィットを出すために心理的安全性を担保しているので、プロフィットが出せないリスクがあった場合にはレイオフと言う選択肢を取らざるを得ないということだと思います。

【心理的安全性と放任主義】

最後に家族の中のことに絡めて書きたいと思います。
家庭内での心理安全性、我が家でも永遠の課題ではないかと。。。
子供には怒るし、夫婦では喧嘩するし。。。😅
でもまあ、家族の中ではこう言う会話ができる環境ではあります。
「こんなことをしてみたい」
「今こんなことがしんどい」
子供も親も、めちゃくちゃ波はあるのですが、ちょくちょくつまづきながらも立ち上がり、大事な時にはきちんと相談できる、そんな環境なのかな?と。

一方で、考えてみたいのが放任主義です。
「なんでも好きな事やっていいよ。失敗してもいいよ。」
一見、心理的安全性が高いようにも見えるのですが。。。さて本当にそうなのでしょうか?

やはり大事なことは、発言やチャレンジはやりっぱなしではなく、ある軸に沿ったものである、ということだと思います。子供の場合は「成長」と言う軸なのかな、と思っています。

失敗しても良い、だけではなく、小さな成功体験の積み重ねによって、自信につながり、自分自身で心理的安全性が保たれた場を広げていく。家族はその後ろ盾であり、いつでも戻って来れる心理的安全基地である、それが重要な事ではないかな、と思いました。


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