『Re:CREATORS』の築城院真鍳は改心していい人になったからではなく、超絶愉快犯サイコパス女だったから世界を救う手助けをしたんだよね、というだけのお話

 私いままでずっと動画配信サービスとかに登録していないのでアニメとか見れないけど、まあいっかなと思ったんですけど、先月末にAmazonプライムに加入していたという衝撃の事実が発覚したんですよね。しかも何時登録したのか不明っていう……。怖い、怖すぎる。

 まあでもそれならそれで折角なのでと思ってみたのが『Re:CREATORS』です。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B06Y1139N7/ref=atv_hm_hom_1_c_DEaieV_4_1

 まあ粗筋はpixivの百科事典とか適当に見てくれればいいかと思うんですが、ざっくりいうと、フィクション上のキャラクタが現実に現れて、世界崩壊を目論む軍服の姫君の陣営と、それを阻もうとする陣営(ここでは便宜上「創造主陣営」と以下で呼びます)に分かれて、戦う話です。すごい雑に説明したので、わりと語弊がありますが、後は実際にみてください。

 さて、本作には非常にトリッキーなキャラクタがおり、ようやく本題、それが築城院真鍳(ちくじょういんまがね)です。彼女は自分が口にした虚偽を相手に否定させることにより、その虚偽を真実に変えるという能力を有しており、両陣営と距離を置き、自身の面白さのために好き放題するというスタンスを取ります。


 実際、前半において、現実世界でも能力が使えるかどうか試すために一般人を殺すわ、自分の創造主(作者)を殺すわ、軍服の姫君の正体を告白させないように創造主陣営にいる少年・水篠颯太を精神的に追い詰めるわ、創造主陣営に意図的にヘイトを誘導させるわでやりたい放題です。

 しかし後半になると、創造主陣営が軍服の姫君に追い詰められていく中、水篠颯太の前に登場し、創造主陣営を強烈に後押しする手助けをして去っていきます。

 彼女の行動はパッと見、一貫していないため、ともすれば、「あれ、築城院さん改心していい人になったの?」とも感じてしまい、視聴者も惑ってしまう困ったさんなのですが、結論から言えば、彼女の行動は終始自身の楽しみ・面白さのために行動しており、愉快犯として一貫しているんだろうなというのが私の所感です。

 築城院さんは終始トリッキーで魅力的なキャラクタなので(彼女のスピンオフ漫画が出てる)、上記の一見するとちぐはぐな彼女の言動についても誰かが言及しているんだろうなと思ったのですが、軽くさらってみても纏まって言及している文章がないので、まあもしかしてみんなわかってるからかもしれないけれど、いちおう覚書として私が残そうかなと思った次第です。

 理由をまとめると 

①築城院さん、テレビの「中東の紛争、過激化」というニュースを見ながら、この世界が気に入った、紛争とかやってるところは自分にうってつけと笑う(第15話)

②助力した築城院さんに「どうして」と水篠颯太が問うと、楽しいことが全て、世界とかちょうどうでもいい、水篠颯太の試みが成功したときの軍服の姫がどんな顔をするのか見てみたくなったという(第18話)

③空港で戦いの映像を見ていた築城院さんは、キャリーバッグを手に立ち去る(第20話)

④やたらと何かを飲みくいしている描写が多く、この世界の食べ物は美味しいと答える(第18話)

 つまりラストで築城院さんは、紛争で人々で遊ぶために中東に行ったんだろうなと、そういう遊び場として彼女はこの世界を気に入っており、創造主陣営に助力する動機があったんだろうなと。

 ②で世界なんてどうてもいいと言っていますが、まあ気まぐれに助けてやってもいいかなくらいの感覚であったとすれば、矛盾しないと思いますし、むしろ積極的に世界の崩壊を防ぎたいなら、彼女の能力である「言葉無限欺」を使って、軍服の姫君の存在自体を抹消するとかいくらでもやりようはあったわけで、水篠颯太の助力程度しかしなかったことは、むしろ世界の結末はどうでもいいが気に入ってはいる、水篠颯太が成功したときの軍服の姫君をみたい、という彼女の言動に整合的だと思います。

 つまり、築城院真鍳は改心していい人になったからではなく、超絶愉快犯サイコパス女だったから世界を救う手助けをしたんだよね、というだけのお話です。

 私、こういうトリッキーなキャラクタ大好きなんですよねー。

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