夏川椎菜「クラクトリトルプライド」の歌詞解釈


「クラクトリトルプライド」
一見、何のことかな?って思う。
ただ作詞は夏川椎菜。
ただ音とリズムで付けたタイトルじゃない。
そうすると見えてくる…

「クラクとリトルプライド」
      ↓
「苦楽とリトルプライド」
      ↓
「苦楽と、なけなしのプライド」

という意味になる。
ナンスはこの曲の歌詞に自分自身の弱いところ、情けないところ、頑固なところ、変なところなどを戒めのように綴っている。
そこまで曝け出さなくても良いのに…ってくらい全てをぶつけている。
だから私はこの曲を聴くと涙が溢れて止まらなくなる。
私自身もナンスと同じことをいつも感じて生きているから。
この曲の1番のポイントはCメロの歌詞だが順を追って歌詞解釈を書いていく。

※最後にUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんの話しも少しします。


「どんなに道が選べたって遠回りする癖だもん。悔しいのは悔しいのは全部、多分、自分、性分のせい」

自分の人生なんだから楽をしようとしたり、ズルをしようとすれば良いのにそれが出来ない。
敢えて困難な道を選んでしまっているのは自分なのに、それが上手くできなくて悔しくて悔しくて堪らないけど、それは自分で選んでしまってる…と負のループに囚われてしまう自分の性分に嘆いている歌詞。

「The Choice of Hercules」という言葉を知っているだろうか。
「ヘラクレスの選択」
悪徳に通じる快楽に満ちた安易な道か、栄光に通じる困難な茨の道か。 ヘラクレスはいつも後者の困難な道を敢えて選ぶ。という話。

ナンスはヘラクレスに憧れているけど、一生それになれないという事は自分自身で分かっている。
でもそう生きようとしてしまう心の葛藤を吐露した歌それが「クラクトリトルプライド」

「次はわかんないし、またねとか言えんからさ。繊細なところも臆病なところも感じられる所まで投げといて」

自分が大切に思っている誰かが突然自分の前からいなくなる。
それはとてもとても怖いことで、ナンスはそれを想像しただけで恐ろしくて仕方がない。
耐えられない。
だからその最悪の事態は避けたいから、貴方の譲れない事とか、嫌な事とか、許せない事とか、何に恐れているのか全部私に教えて欲しい。という意味の歌詞。

「折られたところで砕かれたところで、一度掴んだポイントで顔上げんだ」

ナンスは自分自身の事を「クソ雑魚ナメクジ」とい言い、とてもネガティブで打たれ弱い性格だと自覚している。
だからその対処法として凹んだ時に立ち直るポイントを心に作っていて、本当に凹んだ時はそのセーブを読み込んで立ち直るという秘技を編み出したという意味。

【Cメロ】
「『どこにいっても僕は、裸一貫』キラリ。
そんな真っ直ぐな奴に、勝てるわけないだろ。どこまで無理しても、結構な裏表を使わなきゃなどうせ…。そんなの分かってるから諦めて」

ポジティブの塊!みたいな前向き星人に、クソ雑魚ナメクジの私なんかが勝てるわけないでしょ!!
だから私がそれに対抗しようとするなら、どんな代償を払ってでも、ポジティブに見せた強がりや、不得意な愛想のいい自分を演じ分けたりして、自分の全てをぶつけて対抗するしかないんだよ!!
私はもう腹は括ってるんだ。
…っていう意味。
ここが1番泣ける。今も涙が出てしまう。
根っからのスーパーポジティブ人間を本当に羨ましく思ってるし、同時にもの凄く妬ましくも思っている。
「そんなの無敵じゃん!勝ち目ないじゃん!」ってイジケテ、ヤケになってしまう時もある。
でも、それでも抵抗しなければならない。
『ここにだけ居たい』し、
『ここにしか居れん』から自分の全てを武器にして勝ち取るしかないと、自分の性分をグッと受け止めて受け入れた、かなり覚悟と決意を書き殴ってる部分。

「こればっかは消えんからさ」

この劣等感は死んでも治らないからさ

「ほら馬鹿って言っていいさ」

馬鹿だね…もっと気楽に生きればいいのにって思われてるのは分かってる

「繊細なところも臆病なところも隠せないから投げるね受けてみて」

私はもう逃げも隠れもしない!
だからこの曲の歌詞に全て込めてみたから、それを少しでも感じ取ってもらえたら嬉しい

「なんでもかんでもできるって信じるだけだ『得意です!』」

もう開き直ってやろうじゃねーか!
私は何でも出来る!
何にでもなれる!
そう自分を信じ込ませるしかない!

「どんな無茶振りも『最高』って飛び込んじゃえば、過程です!」

どんなに苦手な物事でも、尻込みして逃げたくなってしまうような物事でも、
勇気を出して始めてしまえば、もうやるっきゃないでしょ!
さぁ!私!どんな事にもぶつかっていけ!

「悔しいのも楽しいのも、ほら目を見て話すように。それじゃ受け取って」

私の良い部分も、弱い部分も、情けない部分も、頑固な部分も、変なところも全部全部、曝け出してやったぞー!!
受け止めてくれー!!


以上です。
凄くネガティブで後ろ向きなナンスが、
そんな自分自身をまず受け止めて理解してから、
でもこのままじゃ良くないから、なんとか自分を奮い立たせて、思い込ませて、ポジティブで前向きになれるように吠えて叫んで終わる歌詞ですね。
夏川椎菜らしいです。そういうところ大好きです。

「クラクトリトルプライド」はナンスがこの時点の自分の全てを吐露して書き殴った歌で、喜怒哀楽をぶち撒けた歌詞は凄まじいエネルギーを感じます。
それが抗い生きるということなんだろうなと、自分はとても励まされるので泣けてきます。

この曲の。
夏川椎菜の喜怒哀楽を感じ取った人がいます。
それがUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんです。
次曲の「ハレノバテイクオーバー」は田淵さんが作詞作曲です。
「ハレノバテイクオーバー」はMVだと分かりやすいですがテーマは「喜怒哀楽」
ナンスの感性に触れてしまった田淵さんは、そのナンスの凄まじい熱量を「受け取って」しまい、「ハレノバテイクオーバー」を作り出さないと消化できなかったのではないかなと思います。

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