むりやり大学院受験させられ、院進が決定しました。

就活をしたが第一志望に決めることは出来ず、親に「大学院受けてみろ」と言われた。
私は会社で働いていきたかったが、無理やり研究計画書を書かされ、試験のための勉強も無理矢理やらされた。全く行く気のない大学院のための準備は苦痛だった。

試験当日。最寄り駅に着くと、受験生らしい人達がいた。彼らは非常に賢そうで、研究室にこもっている姿が容易に想像できた。彼らを目の当たりにした私は、会場に行く気がすっかり失せた。元々受かるわけがないと思っていたが、その気持ちがさらに高まった。彼らと共に研究を続けられるわけがない。

最寄り駅から会場に行きたくなさすぎて、受験しなくても不合格通知が来るのか問い合わせてみた。失礼極まりない問い合わせだ。だが、私はどうしても会場に行きたくなかった。不合格通知が来るなら、受験したことが親にも証明出来る。Uターンしてネカフェでも入ってのんびりしようと思った。


私「おはようございます。すみません、今日、そちらの大学院を受験する者なのですが、テスト受けなかった場合って不合格通知は来ますか・・・?」

理由を説明するのが面倒だったので単刀直入に聞いてみた。

院「あの、どちら様でしょうか?」

いきなり意味不明な質問をして怪しまれてしまった。

私「○○〇(本名)と申します。」
院「はい。あと、受験番号を教えてください。」
私「888です。」
院「はい。確認が取れました。あの~、何故、不合格通知が必要なのでしょうか?」

やはり理由を聞かれてしまった。それらしい理由をその場で必死に考えた。しかし、何も思いつかなかった。

私「えっと、大変申し上げにくいのですが・・・」
院「はい。」
私「親に、受験したっていう証明が必要だからです・・・」

何も思いつかなかったので、そのまま言ってみた。
すると、あっさり教えてくれた。

院「はい。え~、その場合は棄権ということになるので、不合格通知は来ません。」
私「はい。分かりました。すみませんありがとうございます。」

これで終わりかと思いきや、

院「今日は棄権するということでしょうか?受験されますか?」
と聞かれた。

私「あ、今最寄り駅にいます。これから向かうので、受けます。」
院「あ、最寄り駅にいるんですね。はい、分かりました。」

アホみたいな会話をしてしまった。

会場にたどり着き、普通に試験を受けた。真面目なので、受けるからには一生懸命問題に取り組んだ。

天気の良い日だったが、換気のために1日中窓が開けられており午後は寒かった。ユニクロのウルトラライトダウンベストを持ってきていてよかった。薄いのにとても暖かかった。

1日中机に向かっていたのは久しぶりだったので、結構疲れた。足早に帰宅した。

一ヶ月程度勉強を頑張ったところで受かるわけがないと思っていたが、なんと一次試験に合格していた。とても驚いた。両親も喜んでいた。

一次試験結果発表の5日後に、面接試験があった。何も考えていなかったので、研究の内容をきちんと話せるようにし、志望動機などを頑張って作り上げた。

当日、大学院とはいえ面接なので、スーツで行った。周りの人もみんなスーツだった。よかった。

優しい面接官だったが、企業の面接以上に緊張した。やる気のないことが見抜かれてしまわないように必死に答えた。元々行く気がなかったのに面接まで来てしまったが、ここまで来たからには頑張って合格したいと思っていた。

研究計画書についての質問や、大学で学んだこと、志望動機など、ありがちな質問をされた。研究の計画には粗がありすぎると思うので、とにかくこの大学院で研究したいという熱意が伝わるように頑張った。

5日後、結果発表。
なんと、合格してしまった。

複雑な気持ちだった。「合格」自体は嬉しいが、これから研究出来るのだろうか、ちゃんと卒業できるのだろうかという不安の方が大きかった。だが、微妙なところに入社するよりそれなりの大学院を卒業した方が今後のためかもしれない。次の就活は頑張って良い所に決めたい。

両親は私がうんざりするくらい大喜びしていた。

大学院に入ったら一人暮らしさせてくれる約束だったので、もう物件を探して決定してくれた。一人暮らしはずっとしたくてたまらなかったので大変嬉しい。親のお金で2年間の一人暮らしが保証されるのは大変ありがたい。大学院生活は不安だが、頑張って研究に取り組もうと思った。

面白かったらぜひ^ ^