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14-1.CANSLIMにおけるチャートの読み方と主要なチャートパターン

CANSLIM戦略では、成長株を発見するためにファンダメンタルズだけでなく、チャートパターンを重視します。これは、株価の動きに現れる投資家心理や機関投資家の行動を読み取ることで、成長を続ける企業の「さらに成長していく」タイミングを捉えるためです。チャートは単なる視覚的なツールではなく、マーケット全体の行動や需要の変化を示す重要な指標として機能します。

チャートパターンが示す投資家心理

チャートパターンは、投資家が株式をどう評価しているかを反映した「心理の記録」です。

  • 上昇トレンドの形成: 投資家が企業の成長を確信し、新規買いが入る段階を示します。

  • 調整局面: 利益確定売りや疑念が高まり、一時的に売り圧力が強まりますが、これを突破することで次の大きな上昇が期待されます。

  • ブレイクアウト: パターンを抜けるタイミングは、投資家が疑念を捨て新しい高値への挑戦を始める重要な局面です。

出来高の重要性

CANSLIMでは、出来高の増減が極めて重要です。

  • 出来高の増加: 特定のチャートパターンが完成した後に出来高が急増する場合、それは新たな上昇トレンドが信頼できる兆候です。出来高の増加は、機関投資家が大きな買いを入れた可能性を示します。

  • 調整中の出来高減少: 調整局面で出来高が減少する場合、それは一時的な売りであり、全体的な上昇トレンドがまだ健在であるサインです。

機関投資家の動き

CANSLIMのチャート分析では、機関投資家の動向を意識することが重要です。機関投資家は、マーケットで大きな取引量を占めるため、彼らの動きが株価に与える影響は絶大です。

  • パターン形成中の静かな買い: 機関投資家が徐々にポジションを積み上げると、チャートには安定的な底固めの動きが現れます。

  • ブレイクアウト時の大きな買い: 機関投資家が一気に買いを入れると、株価が重要な抵抗ラインを突破し、大きく上昇することがあります。

成長し、さらに成長する株を探す

CANSLIMの本質は「成長している企業の株を、さらに成長が期待できるタイミングで買う」ことにあります。これは、以下のような状況を探ることを意味します。

  • 企業の高成長: 売上や利益が急増している企業を特定します。

  • 株価の力強い動き: チャートパターンが示す「継続的な需要」を確認します。

  • 次の上昇への準備: チャート上で明確なパターンが現れた場合、それは株価が次の成長段階に向かう準備が整ったサインです。

主要なチャートパターン

CANSLIM戦略では、以下の3つのチャートパターンが特に重要視されます。これらは、株価が調整を経て新しい高値を目指すタイミングを示します。

カップ・ウィズ・ハンドル (Cup with Handle)

  • 緩やかな底を形成し、小さな調整(ハンドル)を経て上昇に転じるパターン。

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  1. ダブルボトム (Double Bottom)

    • W字型の底を形成し、重要な抵抗ラインを突破して大きく上昇するパターン。

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  1. フラットベース (Flat Base)

    • 狭いレンジで株価が横ばいを続けた後、大きく上昇するパターン。

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これらのパターンを深く理解し、出来高や機関投資家の動きと合わせて分析することで、リスクを抑えながら高いリターンを狙うことが可能になります。次章では、それぞれのパターンについて具体例とともに詳細に解説していきます。

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このマガジンは、成長株投資の基礎から応用までを網羅的に解説し、投資家としてのスキルを高めることを目的としています。市場トレンドの読み方や収益成長の分析、機関投資家の動きの見極め方など、実践で役立つ情報を満載。難しい理論も具体例を交えて分かりやすく説明しているため、初心者から中級者まで幅広く活用できます。投資の判断力を磨きたい方に最適な内容です!

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