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取るに足らない夫への不満

まったくどういうつもりだと思うのは、ほとんどが些細なことだ。

たとえば今朝なら。

洗面台の窓は猫が出て行ったら困るからその場を離れる時は閉めてね、と伝えているのに開けっ放しにすることを繰り返すことだったり(昨日、改めて閉めて欲しい理由を伝えたばかりなのに)。

または、数日前の朝に「俺のパンツがない!」とシャワーから出た夫が、洗濯物干しの前で騒ぎ立てていて、それは洗濯のために畳んでしまったのだけれど「シャワーを浴びたらここでパンツを履くのがルーティンだから取り込まないで」と注意された。
だから取り込まずにおいたのに、行ってらっしゃいと見送って洗濯物を干そうと戻ったらまだそこにぶら下がっているのを発見したり、とそんなこと。

どれも取るに足らない些細なことだ。

クリクラ(ウオーターサーバー)に目隠し用のボトルカバーを取り入れたいと強く望み、「中身が減っていることがわかりづらい」という私の意見を無視したのに水は空っぽ、「無くなったから取り換えて欲しい」と言うと「見えないから替えるタイミングがわからない」と返答する。

どういうわけかサイダーはキンキンに冷やしておきたい夫が、夕ご飯に間に合わせるよう冷凍庫に入れたのだが、一杯飲んだら「あとはお風呂上りに飲む」と言って忘れ、翌朝になって思い出したときに「冷凍庫に入れたの誰?俺?」と言い出す。

洗面台が考えられないほどびしょ濡れでそのままだから、「ここで顔洗ったの誰!?」と問うと、どれほど顔に『俺だよ、俺』と書いてあるかも知らずに「知らない。俺じゃない」と言い張る。

週末しか息子と触れ合えないのに息子が話しかけると苛立った声で「なに!?」と返すが、「WEB漫画しか読んでないだろお前は」と思うのに、方や知らぬ間に『インドの山奥で~』から始まる歌で口に出すのもおぞましい下ネタ8割の替え歌を息子にインプットしている。そして夜、楽しそうに大声で歌っているけれどももう夏だし窓は網戸だからご近所に聞こえるし勘弁して欲しい。

これらの本当につまらない些細な出来事を、面白いと感じることが出来れば苦労しない。
でもこんな出来事を日々折々に積み重ね、「何度言ってもわからないとんちき野郎め」と私の心がどす黒く濡れている。

今朝は雨。ベランダに置き去りにしたサンダルが濡れていて、取り込んでおけば良かったと後悔する夫は、濡れたサンダルを持ち出してゴミ出しに行こうとしている。
「やめて。帰ってきてもどうせそのまま家の中に入るつもりでしょ」
「……うるさいなぁ、、」
変なところで几帳面、かと思えば面倒くさがりを持ち合わせる夫の行動パターンが見えすぎてて指摘せざるを得ない。
こうやって悪事を働いてバレなきゃいいと思っているところもまったく気に食わない。

そしてなにより、「毎日天気予報をチェックしているから失敗することがない」と豪語していたくせに!と思う。
「雨降るかどうか事前にチェックしないの?そういうところ雑だよね」と以前私に言い放った言葉が蘇り、些細なことながら朝から苛立つ。

しかし何より「いやだな」と思うのは、こういう些細な出来事をもう長いこと覚えていられないということだ。

前にも同じことがあったなと思って「前だって」と言い返したくても思い出せない。
時も場所もシチュエーションも。なんなら出来事もまるっとそっくり。

些細なことの苛立ちは続かない。
でも些細なことが起こると一瞬で不満に溢れたバケツが表出する。

これは、また同じような些細なことバケツが溢れたときに振り返って確認する用だ。
「こんなことで何を苛立っていたの?」なのか「やっぱり前にも同じこと言ってるよな」なのか、使用用途はわからない。


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