参天台五台山記読記046
その後、石橋路坂の二十余間ほどの大きな廊室を回った。廊室を渡って石橋の元にある亭子に着いたら、五間ほど大きいものだった。朝廷の人が毎年、五百羅漢を供養する際のお宿になっている。山の方に礼拝し、お香を焚いて五百羅漢の供養をした。
次に、橋元で焼香礼拝した。橋は蒼白い色をしており、長さは約七丈であった。東側は幅二尺ほどで、西側は幅約七尺だった。竜の形にもなり亀の背中のような格好もし、虹が二つのような石梁になった。二本の谷水が合流し、その流れが橋の下を流れて滝となった。そして、西へ流れて剡縣界を出ることになる。下から仰ぎみると、まるで谷水を虹が引き上げているかのような観を呈していた。石橋は険しい所に掛けてあり、滝は雷のような轟きを発していた。橋の西側では長さ約二丈、高さ一丈の岩だった。通人でなければ、とても歩けない危ないところになる。近代の人は、半ばまで歩いたら、石橋を渡ったと言うようになった。それはちょっと可笑しい。
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