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物語

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「手紙の返事」 「部活動」 「クラス決め」は ここに置いてあります
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2020年9月の記事一覧

クラス決め vol2 第7話

←第6話へ                        第8話へ→ ここは市内の居酒屋 教師達は説明会の談判をしていた、予め、想定できる質問を用意する必要があるためである 最初に、委員会からの情報開示で、あちこち変わったことを報告する、というのはこれでいいんだね? 一番反応として多いのは、この1年で何が変わったかという質問です、 次いで、その改変を次の学年にいかにスライドさせるかです 最初に報告するのは私も賛成します わかった、それで行こう 無理な部活や体育の運

クラス決め vol2 第6話

←第5話へ                        第7話へ→ 元気な女の子の主張は続いていた が、もう授業時間となりつつあった、そこへ担任の先生がやってきた 説明会で、ちゃんと聞いておかないと大変なんだよ つまりね、先生で返事に詰まった人がいてね、そうしたら、 説明会でもう聞かれなかったから、了承済みだと思った、 って返事したんだって 先輩達びっくりして、その後、しばらくもめたんだって え~、本当? だって、そんな担任嫌だよ、 うお~、中学だけでいい加減プレッシ

クラス決め vol2 第5話

←第4話へ                        第6話へ→ クラスメイトの子、かく語りき ここは市内の小学校6年生の教室、アンケート用紙が各家庭に配られた後、 クラスメイト同士の情報交換が始まっていたのだ 元気な女の子は尚も主張し続けたのだった 決めるポイントは人気じゃないの、有利、不利なの いくら人気が高くっても、大勢いたら調整が入っちゃうでしょ、 この前は特例で2クラス分だったけど、今回はわからないじゃない、 だから、ちゃんと選ばないとだめなんだって そ

クラス決め vol2 第4話

←第3話へ                        第5話へ→ 教育長からの調査結果はやはり継続を望む保護者が圧倒的多数であり、確認事項の域を出なかったが、ともかくもこれで話は決まったのだ そうして、職員会議の場となった 当然ながら、新学年の担当を決めないとならない すると、一度でも経験のある人を入れるのが望ましい、という会話の展開となった 誰が良いか、人選の道筋は次の通りであった ベテランの人は今の学年に残さないとならない理由から、 初担任となった人はまだ経験上

クラス決め vol2 第3話

←第2話へ                         第4話へ→ 今回は新市長が今回の決定に至るまでのプロセスです 市の政策が周辺の市域にまで影響を与えていた頃、 新市長はPRと言いながら、政策の継続の判断に迫られることとなった 最初、この制度はあくまで特例というもので、継続するかどうかはまだ 決められている訳では無かった 反面、希望調査を待つまでも無く、継続を望む意見は多数であり、 新任の市長の支持もそちらから来ているのは重々承知していた が、議会に通すとな

クラス決め vol2 第2話

←第1話へ                         第3話へ→ ふとした人事異動から始まった、「クラス決め」、 担任選択制は、クラスが決まった後もドラマは続いたのであった まず、副担任となった英語の教師には、メディアが取り上げ授業参観となった、また、そのことを新市長がPRし、学校のHPはアクセスがやたらと増えたのであった その後も、何かあると「見学」はあったので、生徒達はそのうちに慣れてしまった、と同時に自由には責任が伴うとしっかり体験したのであった 副作用も

クラス決め vol2 第1話

                              第2話へ→ 前回に続いて、クラス決めのお話です 今回は、1年経った後の新入生の話です ここはとある中学校の新たな学年、新1年生のクラスである 教室に早く入っていた女生徒は、顔見知りの子を見つけると、こう言った あ~、クラスで見た人だ、また同じクラスだ 少年は一言、言いたげな顔をしながらこう返した そりゃそうだ、同じ先生にしたんだぞ それもその筈、同じクラスのメンバーが同じ先生を選んだのだから、 クラスが被る