マガジンのカバー画像

物語

44
「手紙の返事」 「部活動」 「クラス決め」は ここに置いてあります
運営しているクリエイター

記事一覧

手紙の返事 第8話

少女が友人達に手紙をそれぞれに書いたのは、 しばらくしてのことであった 但し、メールアドレスは記載したものの、住所は記載されていなかった プライバシー保護のため、と手紙にも理由が記されていた 友人同士ではLineもあったため、随時回線が復旧していったのだ ~~~~~~~~~~ 転校直後のクラスは次の様であった 担任の教師は少女が転校したことを告げた後、こう言った 全く突然だが、送り際に挨拶も無いのは 手持無沙汰だから、それぞれで手紙を書いてもらうことにした こちらで

手紙の返事 第7話

少女からクラスに手紙が着いたのは それからしばらくしてであった 手紙の文面にはたくさんの手紙をもらい、 びっくりしたこととそのお礼、 突然引っ越しとなったこと、 挨拶無しに転校したことへの詫び、 そして、テニス部にはお世話になったこと、 最後に、皆元気でいてほしい旨が書いてあった なぜ、転校したかは引っ越しが理由としか ここからでは分からなかったのだ ~~~~~~~~ メールを読んだ日から数日、 母親は引っ越しが決まったことを担任に伝えた 大変勝手申しますが、何分主

手紙の返事 第6話

手紙の束をもらった母娘が ひとしきり、手紙を読んだ後 考えたんだけど、聞いてね、 うん、 返事はクラスになさい、 個別だとこちらの住所までわかるでしょ? しばらく経ってからにしなさい はい、 お友達には後ででいいでしょ? うん、そうする ~~~~~ それまで、少女はテニス部の期待であった 大事な大会の前で、練習を続けていた時であったのだ 遡ること2週間前である 少女は3年の上級生2人から交際を申し込まれたのだ 彼らも大会前であり、3年最後の大会であったのだ

手紙の返事 第5話

今回は第4話までとは、また違う少女にまつわる手紙の話です 少女は引っ越しに伴って、転校したのだった 少なくとも、表向きはそうであった 少女がふと見ると、郵便受けが見たことも無い状態になっている そう、一杯になって詰まっているのだ おかーさーん、見てっ どうしたの、と駆け寄った母親が見たのは、 目一杯に手紙を抱えた娘であった クラスの人からどどっともらったのを知った母親は安心した どんな人から来てるの? 今、見る テーブルは年賀状の仕分けのようになっていたが、

手紙の返事 第4話

話はもう少し遡る、 少年が手紙を渡す前のこと その日、クラスでは行事の係を決めないといけなかった 3人決まった、その1人は少女である、あと1人となった おい、お前、手伝え えっ なし崩しにメンバーは決まったのだった、 それもそのはず、「多数決」であっけなく決まった 係は4人となっていた、放課後の作業となった 男女それぞれ2人ずつ、混合チームとなった しばらくして、聞いてきたのだ なあ、メールってどうなったの? …その話は聞くな あのね、気にしてんだからね …じ

手紙の返事 第3話

少女の自宅、母親に諭された翌日である 今いいかな? うん? 今日、おばさん達がたくさん来るから、来たら挨拶なさいね うん、わかった いいわね? はい …? 母親たちの会合は数時間に渡った、そして、 三々五々帰って行った 所変わって少年の自宅、少年の母親が帰ってきた ちょっと来て~ ん、なに? お使い行ってきてくれる?頼まれものなの ん、わかった いい、ちゃんと挨拶なさいね は~い 自転車で10分も走ると、果たして少女の家に辿り着いた こんにちは、 母に言付かって来

手紙の返事 第2話

で、どうするの? と母親は尋ねた …やっぱり、考えたけど、学校で渡すのはやめておく、今日はやめる そう、それなら置いておきなさい それじゃ、行ってきます 行ってらっしゃい 今日はそのまま登校することとなった 話は少し前に遡る 少女の通っている中学でささやかだが深刻な事件が起きたのだ 手紙を渡そうとした所を、その子は友達に見つかってしまい、 周囲に知られてしまったのだ そのため、返事を渡すに当たって、少女は慎重に事を運ぶことにした 警戒すべき内容はあるのだ 別のケー

手紙の返事 第1話

少年は学校から帰って、いつになく、部屋で考え事をすることにした 友人たちが次々と女の子に充てた手紙で失敗するのを見て、 少年はどうしたらいいか、考え始めたのだ 少年はインターネットでつぶさに調べることにした、 すると、あいつらはどこで失敗したんだ、と 少し、不思議に思われるかもしれない、この時代、手紙で、 というのは少し古風ではなかろうかと、メールが主流の時代に何故かと 学校、公立中学ではスマートフォンの類は原則禁止であった 加え、メールでの惨敗率もネックの要素となっ

クラス決め vol2 第12話 最終回

←第11話へ 家族の会話の結末 《少年の家の朝の会話》 考えたんだが、やはり自分で決めなさい それから、Excelはよくできていたよ 母さん、後はお願いね そう言うと、父親は職場へと出かけていった 《一方その頃、少女の家》 少女は自分の決定を姉に話していた だってね、ジッセキなんでしょ、こっちの方が有利なんだから ふ、甘いぞ えっ そのクラスで課題できなかったら、成績に響くぞ そんな~ そうだよ あんた達、どうこう言っても決めるのは母さんですからね えっ、そ

クラス決め vol2 第11話

←第10話へ                       第12話へ→ 少年の家の結論はまた次回に 説明会が終わり、アンケートの結果が各家庭に送られた ここは少女の家、母親は少女を呼んだのであった じょうや~、おいで なあに? 今回は人数調整しないって、よかったね 希望のクラスに決まったよ え、本当? やったね、ついていたね ほ、よかった 頑張っていたもんね、 うん そう、この少女は説明会の時も質問して参加していたのだ ~~~~~~~~~~~~~~~

クラス決め vol2 第10話

←第9話へ                       第11話へ→ 説明会が終わり、少年と母親は戻ることにした ここは少年の自宅 今日のこと、ちゃんとまとめておきなさい、 お父さんに見せるんだからね はい 少年は自室に戻ると、PCに向かって取り組み始めた ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 食事終わって、父親が言った それでは、書類を見せなさい どれどれ うん、少し時間をもらおう 《しばらくして》 この表は自分が作ったものかな? (ほ、

クラス決め vol2 第9話

←第8話へ                       第10話へ→ 説明会 続き それでは、今、ご説明した内容の他に、お聞きになりたいご質問のある方は挙手をお願いします はい、それではそちらの方 ひとつ、質問します 先生方の中で印象に残っている、給食のメニューをひとつ教えて頂けないでしょうか 周囲が一瞬騒めいて、沸き立った、がすぐに止んだ 給食のメニューをそれぞれひとつ、でいいのかな? はい そうですね、 コーヒー牛乳です、 冷凍ミカンです、 わかめご飯、と答

クラス決め vol2 第8話

←第7話へ                         第9話へ→ そして説明会の日 少年は母と連れ立って中学校へと向かっていた 質問は自分で言いなさい、との母親の意見であった 少年は納得した、が、その先は複雑であった 質問としては、結構月並みなものであった 印象に残っている、給食をひとつ教えて欲しい、というものであった 会場の席順は心理学の様な状態を展開していた そう、中央から埋まっていき、だんだんと後ろの方に移動し、 前の席は後から来た人で埋まって行ったので

クラス決め vol2 第7話

←第6話へ                        第8話へ→ ここは市内の居酒屋 教師達は説明会の談判をしていた、予め、想定できる質問を用意する必要があるためである 最初に、委員会からの情報開示で、あちこち変わったことを報告する、というのはこれでいいんだね? 一番反応として多いのは、この1年で何が変わったかという質問です、 次いで、その改変を次の学年にいかにスライドさせるかです 最初に報告するのは私も賛成します わかった、それで行こう 無理な部活や体育の運