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物語

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「手紙の返事」 「部活動」 「クラス決め」は ここに置いてあります
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2019年12月の記事一覧

手紙の返事 第5話

今回は第4話までとは、また違う少女にまつわる手紙の話です 少女は引っ越しに伴って、転校したのだった 少なくとも、表向きはそうであった 少女がふと見ると、郵便受けが見たことも無い状態になっている そう、一杯になって詰まっているのだ おかーさーん、見てっ どうしたの、と駆け寄った母親が見たのは、 目一杯に手紙を抱えた娘であった クラスの人からどどっともらったのを知った母親は安心した どんな人から来てるの? 今、見る テーブルは年賀状の仕分けのようになっていたが、

手紙の返事 第4話

話はもう少し遡る、 少年が手紙を渡す前のこと その日、クラスでは行事の係を決めないといけなかった 3人決まった、その1人は少女である、あと1人となった おい、お前、手伝え えっ なし崩しにメンバーは決まったのだった、 それもそのはず、「多数決」であっけなく決まった 係は4人となっていた、放課後の作業となった 男女それぞれ2人ずつ、混合チームとなった しばらくして、聞いてきたのだ なあ、メールってどうなったの? …その話は聞くな あのね、気にしてんだからね …じ

手紙の返事 第3話

少女の自宅、母親に諭された翌日である 今いいかな? うん? 今日、おばさん達がたくさん来るから、来たら挨拶なさいね うん、わかった いいわね? はい …? 母親たちの会合は数時間に渡った、そして、 三々五々帰って行った 所変わって少年の自宅、少年の母親が帰ってきた ちょっと来て~ ん、なに? お使い行ってきてくれる?頼まれものなの ん、わかった いい、ちゃんと挨拶なさいね は~い 自転車で10分も走ると、果たして少女の家に辿り着いた こんにちは、 母に言付かって来

手紙の返事 第2話

で、どうするの? と母親は尋ねた …やっぱり、考えたけど、学校で渡すのはやめておく、今日はやめる そう、それなら置いておきなさい それじゃ、行ってきます 行ってらっしゃい 今日はそのまま登校することとなった 話は少し前に遡る 少女の通っている中学でささやかだが深刻な事件が起きたのだ 手紙を渡そうとした所を、その子は友達に見つかってしまい、 周囲に知られてしまったのだ そのため、返事を渡すに当たって、少女は慎重に事を運ぶことにした 警戒すべき内容はあるのだ 別のケー

手紙の返事 第1話

少年は学校から帰って、いつになく、部屋で考え事をすることにした 友人たちが次々と女の子に充てた手紙で失敗するのを見て、 少年はどうしたらいいか、考え始めたのだ 少年はインターネットでつぶさに調べることにした、 すると、あいつらはどこで失敗したんだ、と 少し、不思議に思われるかもしれない、この時代、手紙で、 というのは少し古風ではなかろうかと、メールが主流の時代に何故かと 学校、公立中学ではスマートフォンの類は原則禁止であった 加え、メールでの惨敗率もネックの要素となっ