【24】さまざまのこと思ひだす
さまざまのこと思ひだすおついたち。
新年度はちょっとスロースタートで(2018.4.1記)
「本当なら桜、かな」
さまざまのこと思ひだす桜かな。
芭蕉の名句を引き合いに出して、娘に思いを問う父は、文学的な嗜好を持つ一方、かなりど根性系のスポーツマンだった。
文学のそれは長女の私に、スポーツの分野は妹が、それぞれ継承した。
本ばかり読んでいた私と、与えてもまったく読まない妹。いつからか、その得意分野がきっぱりと分かれて、今に至る。
私は文を書き、妹は小学校低学年から始めた卓球の道へと進み、現役を引退して指導者で生計をたてている。
小さい頃から好きなことをさせてくれて、今も続けていられる手に職があることに感謝しているし、それを父にもっと伝えておけばよかったと思っている。