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アンチアルゴス・サテライトオフィス

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近未来、突如日本で確認された未知の生物「アルゴス」その数は徐々に数を増やしアジア全域に広がっていた。 多国籍軍は、その対応のための治安部隊を編成。民間の傭兵部隊と連携し、駆除に乗…
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記事一覧

56 すれ違い注意

目が覚めて体を起こし、首と肩を回す。 軽く伸びをして部屋を見渡した時に違和感があった。ハ…

大石笹身
2週間前
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55 酒とベッドと男と女

ミドリが旅行のお土産として買ってきてくれた日本酒は、とてもおいしかった。甘みがあり飲みや…

大石笹身
3週間前

54 ヒトの所為にするのは良くない

ハルキはサイバネアームを外してベッドの脇に置くと、寝ようとしているフォルクハルトの隣にす…

大石笹身
4週間前

53 最近は落ち着いた?

夕立が上がり、日が傾き始めるとあちこちでネオン看板が点灯し始めた。ケバケバしい光は濡れた…

大石笹身
1か月前

52 スポーツジムで会う男

いつものスポーツジムで、ロッカーに荷物を放り込んだあと、最近見なくなった常連が受付に来て…

大石笹身
1か月前
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51 甘い甘えは甘くない

ほのかに照らされた店内で、いくつもの静かに談笑する声がふわりと浮かんでは消えていく。カウ…

大石笹身
1か月前

50 かわいいのは誰?

フォルクハルトがシャワーを済ませてリビングに戻ると、ハルキがソファに座って料理番組を見ていた。 「珍しいな。食い物に興味のないお前が料理番組なんて」 「まあ、多少は覚えようと思ってな」 ハルキは少しだけフォルクハルトに顔を向けたあと、画面に目を戻す。フォルクハルトは隣に座って一緒に画面を見た。画面には男が二人おり、片方は私服にエプロン、もう片方はシェフらしい格好でコック帽も被っている。エプロン姿の男が玉ねぎを切っているところだった。 「手つきが素人だな」 ゆっくりと丁寧にタマ

49 誘われない

休日の朝、ハルキは今日は何をしようかと考えていた。買い物は昨日済ませているし、取り立てて…

大石笹身
1か月前
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48 思い出すあの頃

ハルキはいつも突然何かに誘ってくる。 「パンケーキを食べに行こう。男一人じゃ入りにくいだ…

大石笹身
1か月前
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47 お耳を掃除しましょうね

「耳掃除は自分でするの限界あるよな」 シャワーを終えたフォルクハルトは、ソファに座って綿…

大石笹身
2か月前

46 クリスマスどうする?

風呂が沸くのを待っている間、ハルキは予約が始まったクリスマスケーキの広告を眺めていた。 …

大石笹身
2か月前
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45 隠し事

トミタロウはオフィスのドアを開けるのを一瞬躊躇した。中からハルキとフォルクハルトの言い争…

大石笹身
2か月前
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44 河戸くんと田中さん

研究の中間発表会が無事終わり、研究室の面々との打ち上げもお開きとなり、僕と田中さんは自宅…

大石笹身
2か月前
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43男子会の合間の話

「はいはい!ミドリさんとの馴れ初めを聞きたいです!」 フォルクハルトがトイレから戻ってくると、トミタロウが元気よく手を上げて発言していた。 「えー別に面白い話はないよ」 ショウゴは渋ったが、トミタロウは引き下がらない。 「今後の参考にしたいです!」 ショウゴは「えー」と言って少し考えたようだったが「参考にもならないと思うけど…」と言ってから、話し始めた。 「学生の時に、僕の入った研究室とミドリちゃんの入った研究室が共同研究してて、一緒に研究する事になったのがきっかけかな」