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ベネチア、アドリア海の女王

 皆様こんにちは。無事イタリアはベネチアに到着いたしました。
 ベネチアを訪れるのは3回目。何度来てもいいですベネチア(ちなみに夫はベネチア生まれ)。
 ベネチアはイタリア北部のベネト州の州都で、アドリア海のラグーンに浮かぶ100を超える小さな島々からなり、アドリア海の真珠とも女王とも呼ばれる水の都。その成り立ちは5~6世紀に遡ります。ゲルマン人であるランゴバルド人がイタリアに侵攻し、568年にランゴバルド王国を建国した際、そこから逃れたイタリア本土の人々が潟(ラグーナ)の島に移り住んだことに始まります。
 そして、中世に巨万の富を築き繁栄を極めたこの水上都市が、今でも、丸ごとそっくりそのままあるんですよ。この衝撃と感動。最初に訪れた時は腰が抜けそうになりました。イタリアには中世の街並みが手付かずで残っているところが山のようにあるのですが、それでも水上都市がこの規模でというのは極めて稀。
 外国人観光客過剰でとうとう観光税を導入したベネチア、日本の観光地も同様の問題に悩まされているので気持ちはよくわかる…のだけれど!

……ベネチアは一度は見て欲しいなぁ、とも思う…。

 海面上昇で消滅が案じられる今、保護が優先されるのは当然とはいえ。
 以前冬に訪れた時は、洪水でサンマルコ広場が水浸しになっているのに遭遇したんですが、どうやら洪水が増えるのは冬場だそうで。今の時期は大丈夫そうです。今の時期は、ですが。
 観光税をもっと上げて(現在たったの5€。安すぎる)観光客の数をうまく調整できると良いのではないかと思います…。

 到着翌日、まずベネチア本島ではなくベネチアを構成する島のひとつ、ムラーノ島へ向かいました。

 水上バスにて移動。ラグーナは水深が浅く、平均1.5メートル程度だそう。運河なんて1メートルもないところも。
 ただここベネチアは水上都市だけに下水道が未発達。ホテルや商業施設は浄化槽を備えているものの、古い住宅では下水が運河にそのまま排出されているそうでして…。
 運河の水には触ってはいけません!!(かつては潮位変化を利用して水をきれいに保っていたものの、現在は人間の数が過剰で水質が悪い)
 こういう面からも、やはり入島人数には制限が必要なのですよね…。
 
 話を戻しまして、ムラーノ島に上陸。

 ここ、とっても好きな島です。美しさと重厚な歴史に圧倒される町並みときたら、一度見たら忘れられない。

 中世イタリアが目の前にある…。

 ムラーノ島はベネチア形成期の最も初めに人々が定住した島のひとつで、ガラス職人が多く棲みつき工房を構えました。世にいうヴェネチアン·ガラスとは、このムラーノ島で作られるムラーノ·ガラスのこと。高品質にして堅牢。今でも職人が手作りでひとつひとつ作り出しています。

 ガラス職人が作る希少なモザイクガラスもとみに知られております。建物にも美しいモザイク画があちらこちらに。どのくらい古いのやら、想像もつかない…。

 鐘楼のある広場。手前の白い石造りのものはかつての井戸。これはベネチアのそこここでよく見かけます。水源がなかったベネチアでは、雨水をこのような井戸に集めていたそうです。

 古い。時が止まったかのように、とにかく古い。1000年以上の歴史が平然としてそこにあるのが、ものすごく不思議でならない…。

こういう路地が最高ですよね。
 気が遠くなりそうに、古い。

 宿泊はベネチアからほど近いメストレという街。正直あまり雰囲気のよろしくない場所ですが、アパートメントホテルで部屋はとても快適です。

 ベッドルーム2つにバスルーム2つ、バルコニーもやたらと広くて設備もハイテク。
 イタリア人は家の居住性に命をかける国民性らしく、外見はボロっちいのに内装が素晴らしい…というのはよくある話。間取りの合理性とか、操作性や堅牢性重視の窓枠とか、床に貼られた石やバスルームのタイルが完璧にピタッと揃っているだとか(当然水漏れなどしない)、家具のこだわりだとか、日本人に近いものがあります。
 
 今日はリド島へ海水浴に行きました。「ベニスに死す」の舞台になったところですね。(あ、念の為、リドは本島から離れていて外海に面しておりますので水質はたぶん大丈夫です)
 その話はまた次回ということで。
 お読みくださりありがとうございました☆
 
 

 

 
 

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