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久々に読書中

 改稿した原稿を一旦編集部へお預けしたため、フィードバックを待つ間久しぶりに読書でも…と積ん読状態の本を読んでおります。

 いやー作家さんによって語り口も対象へのアプローチもまるで違うものだなぁ…としみじみ思いました。ジャンルが違うし当然といえば当然なんですが、世の中にはこれだけ大勢の作家がいるというのに、それぞれ千差万別のスタイルを持っているって、よく考えると凄い気がします(プロ・アマ問わず)。使用しているのは同じ日本語なのにね、人間の脳は神秘だ…。

 で、そう考えていると、優れた小説ってなんだろうというところに行き着くんですが。
 基本的な文法や言葉の用法の誤りが多いだとか、過度に攻撃的だとか露悪的だとか、読み手に配慮していないものは良くないと思っています。が、そこをクリアしていると、後は正直基準は曖昧。エンタメ小説は特に、アイデアや切り口、キャラクターの魅力といった要素が他の欠点を凌駕してしまうことがままあって、さらに混沌としている。
 商業出版向けに原稿を変えていく作業をしていると、それを否応なしに意識する機会が増えました。ものすごく不安を覚えて、これで大丈夫なんでしょうか…方向性合ってますか…!?と担当の方に確認して安心する状態です。最近少ーし泳ぎ方を覚えてきて、ましになった気がしますけれども。しかし今も、編集部からのフィードバックを戦々恐々としながら待っている最中。何だこの改悪は!こんなん売れるかー!なんて来たら…などとあらぬ想像が頭を過るノミの心臓です。
 ただ、商業なんだから売れるものを目指さなくては!「売れる物=優れた作品」の世界なんだから、という観念に囚われていたのはどうも私の方らしい、という気付きもありました。編集者さんは、もっとよくしましょう、この表現素敵ですね!このシーンもいいと思います、と私の長所を伸ばして、作品をよりよくすることを真剣に考えていらっしゃる。「これじゃあ売りになりませんね。今の流行りはこうでああで、ターゲット層にマッチするのはこうだからそちらへ寄せて…」みたいな「売る戦略」を押し出すことがとんとない。いや、もちろん想定している読者層はありますし、そこに届くように改稿しているのですが、それがすべてではない。すごく楽しそうに、のびのびと作品を見ていらっしゃるのが大変印象的です(おそらくものすごく言葉を選んで伝えてくださっているんだろうなぁと思いますが…)。

 なんだそうか、商業だろうとなんだろうと、面白いものは面白い、いいものはいいという感覚は地続きなんだ、売り物にしなくては…!と身構えていた私の方が頭が固いらしい、と発見した気分でした。
 とはいえ、よい作品とは何ぞや、という部分はやはり曖昧だし、全然わかっとらん、ダメだこんなん!と来週あたりお叱りがくる可能性もありますが…(←ガラスハート)
 自分の成長に期待しつつ、試行錯誤の日々です。

 さて、我が家のある住宅地には芍薬を植えているお宅が沢山あって、今見頃を迎えています。芍薬、ほんと美しい。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…なるほどなぁとため息が出ます。(ところでこのことわざ、元は漢方の処方から来ているんだとか…?何だか夢がなくなるので、聞かなかったフリをしたい 笑)
 優美な姿をお楽しみいただけたら幸いです♪

こちらはもう散り始めている…
遠いですが、奥の赤紫の芍薬が艶やか♪

 それでは皆様、よい週末をお過ごしください。
 

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