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ノアさん、また会おう!

わが家の猫、ノアさんが新しい冒険に旅立った。

今年の4月6日。お昼のことだった。
いつも通り、お昼のカリカリを食べたノアさんは、和室の窓辺に。食後の昼寝だ。

ノアさんがお昼寝タイムに入ったことを確認して、私は元々あったキャットタワーの撤去を始めた。
この日の朝、私は前から買ってあげるねと約束していた大きいキャットタワーを注文。設置場所を確保するために片づけ始めて2,3時間経った頃だったろうか。

片付けがひと段落したから、気分転換を兼ねてコンビニに行くことに。

「ちょっとだけ出かけるね」

と、ノアさんに声をかけたけど、無反応。

寝てるからな、と思ったと同時に、なぜかすごく嫌な予感がした。不安に駆られながらノアさんに近づくと、既に息をしていなかった。

急なお別れ

なんで息をしていないのか意味がわからなくてパニックになった。

いつも通りお昼ごはん食べて、昼寝していたはず。

特に体調が悪そうな素振りも一切なかった。


なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?

頭の中はこれしかなかったと思う。


急いで動物病院に連れていき、緊急オペが始まった。


オペが始まって20分経った頃だったろうか。

先生が出てきて、まず誤飲など急に呼吸が止まる原因があったのかを聞いた。

答えは、誤飲はしていないし、外傷もない。
1週間前に受けた健康診断の結果がちょうど返ってきていたから確認したが、異常なし。

明確な原因はわからないと言われた。

そして、人工呼吸もやっているが息は戻らないから、正直息を吹き返す見込みはないと。

それから数十分後、ノアさんは新しい冒険に旅立っていった。


後悔だらけ

あまりにも突然すぎる旅立ち。

後悔の念に襲われた。

この日の朝に注文したキャットタワー、実はノアさんへの誕生日プレゼントだった。

ノアさんの誕生日は2月14日。そう、2カ月遅れの誕生日プレゼント。

すごく情けない話だが、ノアさんの誕生日の時期に収入に余裕がなく、キャットタワーを買うのを後回しにしていた。

やっと購入した4月6日。その日の夕方に、ノアさんが旅立つなんて想像もしていなかった。

約束破ってしまったこと。
大きなキャットタワーで遊ばせてあげられなかったこと。

死んでも後悔しきれない後悔が残った。

私は、この後悔は一生忘れないし、忘れちゃいけないものとして、ずっと抱えていくつもりだ。

ノアさん、謝っても謝り切れないけど、本当にごめんね。

カッコいいノアさん

ノアさんが旅立ってからやらなきゃいけないこと。

火葬。

皮肉なことに、「4月になって暖かくなってきたから、2,3日以内に火葬してあげてください。」と病院で言われた。

2,3日以内なんて早すぎる。

でも、きれいな状態で見送ってあげたかったから、火葬は2日後に行うことにした。


火葬当日まではたくさん泣いた。

10年分、もしかしたら100年分くらい泣いたかもしれない。


でも、ひとしきり泣いたあとに思ったのは、

「ノアさんカッコいいな」

だった。


私は、将来自分が旅立つ時は、前日の夜に大好きなとんかつと穴子のお寿司をたらふく食べて、「あーおいしかった。幸せだあ。」と思いながら、寝てそのまま旅立ちたいと、昔から思ってる。


そう、ノアさんは私の理想の旅立ち方をしていた。


ノアさんは大好きなカリカリをたらふく食べて、
日当たりの良い和室で昼寝して、
そのまま旅立っていた。

痛い思いも、つらい思いも多分していないはず。

そう思うと、なんかノアさんはカッコいいなと思った。


思えばノアさんは、いつも自分に素直だった。

元々野良猫だったノアさんは、直感で「この人だ!」と思ったのか、旦那に懐いて、仕事終わりには旦那の駐車場で待ち伏せ。(待ち伏せ生活半年の末、我が家にやってきた)

野良猫時代のノアさん。生後3,4カ月くらい。

お腹減ったら時間関係なく、私の顔叩いて起こしてくるし。(早いと4時に起こされるのつらかったな…w)

早朝に人をたたき起こしておきながら、大あくびするノアさん。

病院とシャワーは大嫌いだから、勘づいたら食器棚の上に乗って降りてこないし。

大好きなモンプチを食べてくて仕方なくて、おやつボックスをこじ開けて袋ごと食べるし。(この時はもちろんすぐ病院に行ったし、その後おやつボックスは頑丈なものに変えた)

仕事の撮影で使っていたお寿司を食べようとするノアさん。(撮影してたらノアさん映り込んできてびっくりしたな)



いつでも自分の感情に素直でまっすぐなノアさん。

世間体とか、そんなの関係ない。

自分の心に従って生きていたノアさん。リスペクト。

あなた、見た目も心もかっこよすぎるよ。


そう思うと、まだ涙は出るけれど、心がふっと軽くなった。

火葬当日までに、ノアさんへのリスペクト、キャットタワーの謝罪、そしてできたらまた生まれ変わった時に会いたいという思いを手紙に書いて、お棺の中に入れてもらった。

ノアさん、ちゃんと受け取ってくれたよね。(一緒にモンプチも入れておいたし)

ありがとう。


3カ月経ったいま

早いもので、ノアさんが新しい冒険に旅立ってからもう3カ月も経った。

あっという間だった。


もう大丈夫、淋しくない。

と言ったら正直大嘘になる。

4月よりは気持ちの整理ついたし元気だから、いまこのnoteを書いてみてるけれど、いろいろ思い出しながら書いてたら涙腺爆発している。

いま視界がぼやけているから、もしかしたら誤字があるかもしれない。


でも、ひとつ言えるのは、ノアさんは私に

1日1日を大切に生きろ
やりたいことを後回しにするな

ということを身を持って教えてくれたんだと思う。

キャットタワー買うのなんて、クレジットカードで買って分割払いにすればよかった話だし、何よりノアさんは6歳だから、まだまだずっと一緒に居られると思い込んでた。

でも、現実はそうじゃなかった。

当たり前は当たり前じゃない。

家があること。
ご飯を食べられること。
仕事があること。
毎日寝て、起きて、1日過ごせられていること。

当たり前になっているけれど、それは当たり前じゃないんだよ。

ってノアさんに言われた気がした。


大切なことを教えてくれてありがとう、ノアさん。

ノアさんと過ごした6年間は最高に楽しかったよ!

初めてだっこした日、
初めて猫じゃらしで遊んだ日、
全部覚えてる。

お腹空いて朝起こされるのは大変だったけど、ピンクのプリティーな肉球で、頬をぷにぷにしながら起こしてくるのは嫌いじゃなかったよ。

お留守番や通院頑張ってくれた日に、モンプチをあげると、目をキラキラさせるノアさん大好き。


これはお別れじゃなくて、お互い新たな旅立ち。

姿形はちょっと変わったけど、お互い自分のフィールドで前に進もう。


いつかまた会う時、恥じない姿で会えるように、生きるね。

ノアさん、愛してるよ。

ありがとう。また会おう!


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