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高校の情報セッション用試験サイトの試験結果とアンケート結果

前の記事の続きです。
JANOG51の「情報Ⅰ」の必須化がもたらすもののために用意した用意した

  • 「情報」の大学入試体験サイト

  • アンケート

の結果を公開します。

セッションは鹿野さんの12年間の闘いの集大成という感じでとても面白く動画も2月中は公開されているので是非見てくださいね。
そして以下の言葉は生で聴いて欲しい。

教えられないんじゃないかということで、高校教育含めて小中みんなそうだと思うのですが、方向性が変わったんですよ。
先生が教える、から、児童生徒が学ぶ、に変わったんです。

入試体験サイトの結果

情報の科目の大学入試体験ができるサイトは以下に公開しています。
沢山のアクセスありがとうございました。

https://高校情報.jp/

ユーザー登録者と試験参加者

100人を超える方々に体験してもらったようです。

  • ユーザー登録者: 114

  • 試験参加者: 100

大問題毎の閲覧数と閲覧者

大問題が4つあって、それぞれ別々にテストを受けられるようにしています。
それぞれのページの閲覧数とアクセスユーザ数は以下になります。

  • 第1問(配点20) 1175 件の閲覧 by 103 ユーザ

  • 第2問(配点30) 408 件の閲覧 by 48 ユーザ

  • 第3問(配点25) 257 件の閲覧 by 33 ユーザ

  • 第4問(配点25) 154 件の閲覧 by 26 ユーザ

半数が第1問で挫折している感じ。
まあ気持ちはわかる。
結構難しいのと時間がかかるので心が折れるよねえ。

大問題毎の回答者数と平均点

大問題毎の統計情報は以下

  • 第1問 回答者 62人 平均点 17.6 (配点20)

  • 第2問 回答者 28人 平均点 19.5 (配点30)

  • 第3問 回答者 18人 平均点 22.0 (配点25)

  • 第4問 回答者 16人 平均点 20.6 (配点25)

意外と平均は高め。
受験したのはJANOGに参加したエンジニアが多いと思うんだけど、さすがだね。

全問完走できた人は 16名。
全問完走した人の平均点は 82.9。
結構問題は難しかったと思うんだけど、これもさすがの出来だと思う。

最高得点

こんな難しい問題、満点は無理だよ、満点取れたらチートだろ、と思ってたんだけど、最高得点はなんと100点満点。
河野志行さんが叩き出してた。
20年以上前にISPにいてJANOG4、5、6で実行委員をしたことがあり、その後に高校の先生に転職したという経歴。
ある意味チートだよw
でも久しぶりに旧知の名前を発見して、メッセンジャーでやりとりできて、なんか嬉しかったよ。

サイトの更新状況等

試験サイトは最低1年ぐらいはオープンしておくつもりなので、途中で挫折して人も、続きを頑張ってやってみて欲しいなあ。
良さげな問題が手に入れば試験を追加するかもしれない。

ちなみにサイトをオープンしてからのアップデートは以下。

  • 12年前は大量のアクセスが集中して落ちたけど今回は落ちてない。わりと余裕。

  • JANOG関係者にチェックを入れないとアカウントが作れない不具合があったので修正。

  • 大学入試センターから問題利用許可を取ってるよ、という説明を追記。

  • 連絡先がわからないと言われたので、twitterアカウントにDMしてねという説明を追記。

  • 問題分にtypoがいくつかあったので修正。

アンケートの回答

セッション内でのディスカッションに活用するためにGoogle Formを使ってアンケートも取った。
いただいた回答数は35件。
これについても公開しておく。

あなたの年齢を教えてください。

なぜか25〜29歳の人がいなかったけど、まんべんなく幅広い年齢の方から回答をもらえた。
年齢幅は5歳刻みにしてたんだけど、最初のアンケート設置時に、なぜか35〜49という15歳幅の項目を間違って作成したて、そこに12人ほど回答があったのよね。
その12人はとりあえず4人ずつ、35〜39、40〜44、45〜49の3枠に按分した。

性別



やっぱり男性が多いね。

情報の授業を受けた方への質問です。選択した情報の科目名を教えてください。

おぼえてない、多分ない、がほとんどの回答を占めた。
まあ32歳以下しか授業は受けてないから仕方ない。
定型選択肢に回答があった4名のうちわけは以下。

  • 社会と情報: 2名

  • 情報C: 1名

  • 情報技術基礎(工業化): 1名

その他でコメントをもらった回答は以下。

  • 「情報」の後には何もつかなかったか、忘れているかです。

  • 情報の授業は、私自身の次の学習指導要領からである。

  • 情報という科目はなかった(昔過ぎて)

  • 85年から87年にかけて、工業高校の電子工学科で選択科目として、情報処理一種(当時)の範囲をやりました。

  • おぼえていない、高専(情報)にだったのでこういう区分ではなかったと思います

自分は理系・文系どちらと思いますか



やっぱり理系が多め。

高校で情報を教えているのを知っていましたか



9割近くが知っていた。

情報Iが必修になるのを知っていましたか



これも半分以上が知っていた。
セッション前にネタふりしてたのが効いたかしら。

情報Iが大学入試共通テストの科目になるのを知っていましたか



逆にこれは半分以上は知らなかった。

高校での情報教育は有効だと思いますか



有効だと思ってる人が多いね。
1(全く有効ではない)〜5(大変有効)

高校での情報教育の有効性についてのコメント

たくさんのコメントをもらった。そのまま転記。

  • 文系大学で情報処理の必修科目を受け持ってるが、進学校出身者の情報に関する知識や能力、リテラシーが驚くほど低い。

  • 情報=理系というイメージをつけて忌避する理由にされないためにも必要だと思います。

  • 理転で高校は文系だったからわかんないいとをかし

  • 「情報教育」が何かはわからないですが、情報があふれている世の中なので、バイアスのかかっていない内容であれば、何等か関連する教育が高校の段階で行われるのは良いことだと思います。

  • 誰かが教えて、本人は学ぶときに一定の基準(文科省の認可や教科書検定で承認される)を満たした情報によって知識を培う事はとてもいいと思う。逆にここがごく額で学ぶと言葉の定義もあいまいで、いつまでたっても情報リテラシーが上がらないんじゃないかなって思う。

  • 日本の情報技術は世界イチィィィィ

  • 少しでもさわったことがあれば将来機器やサービスを利用するときの考え方の助けになりそう。

  • 今までのような「Office使い方講座」のようなどこぞのパソコン教室みたいな取り組みをするのではなく、しっかりと情報科学の基礎を教え込むことは今後のステップアップのみならず、自身が利用している端末について気づきを得られると考えており、とても有用であると考える。

  • 情報に限った話では無いが、取り組んだ時間が多い方が知識が増えると思われるため。

  • 教員のスキルが伴わない情報教育は無意味であるばかりか他の時間を圧迫し有害ですらある。 企業における人材育成の観点からは、論理的思考を学ばせる目的で特に数学と国語の教育を充実させるべきと考える。これらの基礎的能力が足りない若手が増えていて悩ましい。

  • 専門の教師が足りないという教師格差、それから授業がもう一杯なところにさらなる詰め込みは正直現実的ではない。ただし、自学自習前提であれば、検定教科用図書そのものは一定の評価はできる。このあたり情シスSlackにも書いた。

  • 大学に入ってからではいくら必修でも身につかない。大学入試の範囲に入ることは社会にとって有益。

  • 子供は親の説教は聞かないが、学校の授業なら聞くから。そもそも親側のリテラシーも低いので、子供とともに親も参加できる授業を作った方がよいだろう

  • 数学や理科でいいような気もします。

  • 必修化されるということで一部教材を見たことがありますが、かなりしっかりした内容だった印象でした。

  • 教える先生次第なところがある点が気になります。

  • 歴史、倫理同様に物の見方考え方を現代の情報化社会に合わせて教科化されたものだと認識しているからです。

  • よく言われることですが、授業で強制的にやらされて、逆に「嫌い」になる人が増えなければいいな、と思います。

  • 教科書に則った正当な授業が行われる必要がある。

  • 高校からでは遅い気がする

  • 遅すぎるし、教科として教えるのなら内容の再考が必要だと考えている。

  • 小学生ぐらいから情報リテラシーの教育をしてほしい

  • 「情報」でなにを取り扱うのかイメージできない

2003年から開始されてきた従来の情報について言いたいことがあればご記入ください (エピソード、愚痴、etc.)

これも沢山コメントをもらった。そのまま転記。

  • 形骸化してたし、教えられる人間がいなかったと思う。

  • 私は既に社会人だったらか、この科目を学ぶ機会がなかったんだけど、学んだ若者はどんな風に感じ、今どんな風に思い返してるのかな?なかったらどうだったと思う?って聞いてみたい。

  • 諜報について学んでいないのはいかがなものかと思います。

  • 1問1点で満点が100点の期末テストで32問しか埋められなかったが、32点取れた。

  • ・教員のレベル差がすごすぎる ・情報の授業なのに、年度の前半はほぼ精神論を教え込まれた(キーボードのタイピングが早くなるためには気合や精神統一が必要だという謎理論) ・できる教員だが内気な性格だろうと推測する教員はだまっており、できない口だけが達者な教員が指導している実情 これは、数年前(高校時代)の嘘のような現実の話です。

  • 従来の情報については、情報Bや情報の科学が現場で敬遠された時点で何らか対策をとるべきだったのではなかろうか。また、情報関係基礎の存在が分かりにくかった問題もある。

  • 2003年より前に高校卒業しており内容も知りません

  • 教える側への教育が足りていないと思う。学校内のITシステムの良いところと悪いところを10個ずつくらい、すぐに答えられるくらいの知識レベルは必要だと思う。

  • ・内容のアップデートができていないような ・基礎理論と実践的な内容のバランスって難しいですよね

  • 情報系の高校だったので逆に当時の「情報科目」にたいしての印象は(濃すぎて)無いのですが、初めてPCに触ってプログラミングするようなメンバばかりでしたがみんな楽しくやっていました(2006年頃)

  • 情報分野が得意な方なので、大変効率的かつ物事の原理や考え方を深く考え紐解くきっかけづくりに役立つツールだと感じます。

  • 教科書はそれなりなのに、教師の能力のせいで実際に行われている授業はダメダメだったようだ。

  • 教員養成、採用が全く足りていない。

  • 全ての教科で、高校以前に、教科特性に合わせて分散させて学ばせておくべきだった。

今回の情報Iに対して言いたいことがあればご記入ください (期待、懸念, etc)

これも沢山いただいた。

  • 教師しかやったことない人には教えられないと思う。

  • 教科書はともかく、教育をする側の準備は整っているのだろうか。

  • 始まってすぐに完全を求めるのではなく、いろんな情勢や情報、環境、進歩を取り入れながら道徳と同様に進めればいいと思う。

  • おつかれさまです。

  • 本当にすぐ終わるとき以外「ちょこっと直しといて、すぐ終わるでしょ?」と言われないような世界になるといいですね。

  • ・やはり、教員のレベル差は大きな懸念事項になる。事実とは異なる、あるいは湾曲された知識が指導されてしまう可能性もわずかながらにある。 ・情報という分野が大変注目されている現代において、必修科目として情報分野を学習し、情報の波に出ていくというのは期待がある。(また、情報の世界に進む学生が増えることも期待)

  • 検定教科用図書の内容は悪くないし、なんなら数多の基本情報技術者試験の参考書でもカバーできる。教員格差をまず真っ先に無くしてほしい。

  • 大学に入ってからではいくら必修でも身につかない。大学入試の範囲に入ることは社会にとって有益。

  • 共通テストの項目にするもんじゃないと思う。ITパスポートみたいな別の資格にしておいて、内申点に加算されるというほうがよいのではないだろうか。

  • 教員の方々が追い付いているか心配です

  • ちゃんと教えられるんだろうか? (先生側)

  • 1.手を動かし学ぶことも重要だとは思うのでそういう教育も重視してほしいですね。 2.共通テストで配点しないとした大学は本当にどうかと思いました。

  • 身の回りにある物をただ与えられたから使う需要者から、何で使うか、どんな物なのか、より良い使い方は何か等を考え、知ることのできている需要者そして、供給者になる力をつけられるのではと期待しています。

  • GIGAスクール構想もそうですが、「学生は持っていない」事が前提に「与える」事にフォーカスされているように思います。 「学校のデジタル化」を「学生の自治」の元でやらせてみる、みたいな大きな枠組みの中で、「セキュリティ」とか「情報の取扱」とか「必要な技術」などを学ぶような、学生の「自主的な取組」にできないかな、と妄想する時があります。

  • 教えられる人を確保できるのかが心配

  • カリキュラムがそれなりであったとしても、それを教える教員次第なので、誰が教えるかが大きな課題。

  • 教科横断型への幅も考えて欲しい。

今回のセッションに対して言いたいことがあればご記入ください (取り上げてほしいこと、期待、etc.)

これも沢山いただいた。
なんか応援コメントももらったけど、私は実は今回は企画も登壇もしてないんだよね。
悪いおじさんに騙されて働いた系だ。
まあ楽しかったから良しとしよう。

  • 活発な議論を!

  • 相変わらず素敵なセッションを企画しますね。ささけんさん枠、楽しみにしてまーす。

  • あけましておめでとうございます。ことしもよろしくお願いいたします。

  • 家庭学習環境は各ご家庭の経済事情の影響を回避できるでしょうか。ラズパイを配るか、、、

  • 一時的とはいえ、コロナ禍で世界的にオンライン教育をせざるを得ない状況において、東京の小中学校の先生が学生の自宅にプリントを配って回収するという非効率的なことを行っていたという話を聞きました。情報の授業を軸(きっかけ)として、教育環境そのものを改善する余地があるのではないかと考えています。

  • みなさんほとんど知らないと思うが 情報関係基礎は日本教育工学会ベース 情報1は情報処理学会ベース 頼むから学会同士でいらぬいさかいはしないでほしい。昨年の共通テスト報告書を見ると、既に対立の萌芽が見えているので危ない。

  • 情報教育は生涯学習なので、継続して幅広い世代にリーチするように頑張ってください。

  • 情報Iはインターネットやネットワークに限らないですよね。 JANOGの観点でいろいろな意見が出ることを楽しみにしています。

  • どういう議論がされるのか楽しみにしてます。

  • 実際のところ、現場・学生・専門家はどのように感じているか。また、どうあって欲しいと考えているのか。

  • ささけんさん、がんばって!おうえんしてます。

  • 方針が決まってから実施までのタイムラインについて、共通の認識が必要なのではないか。(例:指導要領が決まってから実際に教科書が完成するまでどれくらいかかるか等)

  • 情報を教えている現役高校教諭の話も聞いてみたい。

  • なぜ、教科化されたのか、その社会的背景の、世の中の変化について、伝わるような構成にして欲しい。

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