掌編小説218(お題:ポンチョを着て出没します)
目的地付近に到着しました、とカーナビが音声案内を終了したので手近なコインパーキングにミニバンを停める。
「着きましたよ」
「あいよ、おつかれさん」
パーカーのポケットにスマートフォンを突っこんで織田さんは車を降りた。雨が降っている。フードをかぶった織田さんがうしろへまわりこんでドアを開けたのでわたしもすぐあとにつづいた。黒色の味気ないボストンバッグのうち小さなほうを引きよせ、まずは、骨組みをつくる。
「釜須ちゃんさ」と、織田さん。
「はい」
「最近、なんかあったの