掌編小説275(お題:時代遅れのガラクタ)
UFOを、どうやらぼくは見つけてしまったらしい。
落ちつけ落ちつけ……心の中で、もしかしたら実際に小さく声に出してしまいながら、ぼくはUFOを胸に抱きしめて布団の中で丸くなっている。最近は電気を消してもすぐにはねむれなくてお父さんやお母さんが寝たあとまで起きていることもあった。ねむっているあいだに自分が、世界が、こっそりすり変わっていないとどうしていえるのか。そういうことを平気で言う大人向けの難しい本を図書館で借りてきて読んでからだ。
ホームズ、小五郎、ポアロに金田一。大