努力や節制の先に。

先月で36歳になった。年男である。
誕生日を無事に迎えられてよかった、という気持ちももちろんあるけれど、それ以上に時間が過ぎる速さへの驚きのほうが大きい。昨年35歳になったのがつい最近のように思う。

おかげさまで仕事も続けられているし、将棋やピアノのように楽しめることもあるし、読みたい本も勉強したいこともある。今年は忙しい一年になると思うけれど、休むしかなくて先が見えなかった頃には(いい意味で)想像がつかなかった生き方ができている。ありがたいという気持ちと、今まで以上に心身を大事にしたい気持ちでいっぱいである。

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30代になってからは、「努力」や「節制」が私のなかで重要な要素だった。資格にせよ、仕事にせよ、将棋やピアノにせよ、努力でよくなるものはできるだけ努力したいと思っていた。
それはやはり、20代の頃に努力できたのにしなかった経験や、努力したかったのにできなかった経験があるからなのだと思う。もちろん、努力する理由なんていくらでもあるし、それをわざわざ言葉にするのは野暮だけれど、とにかく努力できることはしようというスタンスで過ごしてきた。

あとは、3年前に虫垂炎になったことも大きい。肉体面では比較的健康に自信があったのでさすがに堪えた。病気が病気なだけに睡眠には人一倍気を遣っているが、食事や運動もできる範囲ではやれることをしているつもりだ。

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ただ、この一年で「努力」や「節制」だけでは何とかならなくなってきたなというのを強く感じている。
まず第一に、今のままだと心身ともに追い付かないと思う。頭も体も、休ませたりほぐしたりするのに必要な時間が増えてきた。
「健康のためには節制が必要だけれど、節制のためには健康が必要なのだ!」というのが正直なところだ。

あとは、身も蓋もない言い方をすれば、「「努力」や「節制」だけだと現実が詰むよね」というのもある。時間や体力をある種のリソースと捉えるならば、仕事でもプライベートでも、やりたいことややるべきことはどんどん増えていくわけで、誰かに任せたり、力を借りたり、協力したりしていかないと、おそらくいい結果にはならない。もともとの性分が抱え込みがちなので本当に気をつけようと思う。

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でも本当に、10年前も5年前も3年前も、ここまで調子がよくなるとは思っていなかった。書きたいこともまだまだたくさんあるけれど、それも無理のない範囲で続けていきたい。

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