東大に入って経験した一生モノのトラウマ。
最近になってどうしてもこのことばかり考えてしまうので、吐き出すつもりで文章にしてみようと思う。全部自分のためです。
10数年前、私は地方の公立高校から東大に進学した。合格できたことは勿論うれしかったけど、最初の一年間は東京での生活に慣れるので精いっぱいだった。2つ上の兄との同居で一人暮らしではなかったけれど、親元を離れての生活や高校とは違う授業形態に慣れず、その中で抑うつ状態も顕在化した。人間関係にも戸惑った。クラスやサークルの同期は本当にいい子ばかりで、特に1・2年のクラスメートには本当に恵まれたと思うけれど、サークルの同期はあまりにいい子過ぎて、自分とは住む世界が違うことをまざまざと思い知らされた。何というのだろう、同級生も当たり前のように東大に進学し、自宅から通うことができる、そういった自分が置かれている環境に対して何の疑問も持っていないように見える…そのことが当時の自分にとってはものすごくカルチャーショックだった。
そういった中でさらに辛かったのは、そういう同期がいた一方で、地元の知人たちの自分を見る目が変わったように感じたことだった。前にも書いたけど私の地元はまだまだ閉鎖的で人を肩書や属性でみる傾向が根強い。自分は変わっていないつもりでも、周りがそれを許さない…そんな息苦しさがあった。その中で起こったことである。
彼女は私の女友達だった。中学の同級生で部活が一緒だった。明るい性格で人懐っこい性格だった。私は彼女のことが好きだったし、その思いを告げもした。その思いは叶わなかったが「友達でいたい」という彼女の思いを受け止めようと思った。別々の高校に進学したが「友達」としての関係は続いていた。
私が通っていた高校はいわゆる進学校で、おまけに部活もものすごくハードだった(現在だったら間違いなくブラックといわれるレベルである)。ハードではあったが曲りなりにも文武両道の生活を送り充実していた。そして、中学時代はまだまだ幼かった自分がもっとも成長した時期でもあった(私は心身ともに人よりも成長が遅かった)。彼女も高校で部活に入ったが途中で辞めてしまった。私は部活での姿を彼女に見てもらいたくて誘ったこともあったのだが、彼女にはいつも「試験前だから」と断られた。部活を引退して受験生になり、街で偶然会ったとき、東大を受験することを伝えたら彼女は応援してくれた。合格を知ったときには本当に喜んでくれた。ずっといい「友達」でいられる。本当にそう思っていたのだ。
大学1年の5月に学園祭があった(ちなみに東大では年2回学園祭がある)。首都圏のとある女子大に進学した彼女は学園祭に来たいと言い出し、彼女の友達と二人で大学を訪れた。私は二人を案内した。高校とはまた違う大学生同士の関係が続くのだろうかと思いながら。
夏場になるとそれまで気を張って生活をしていたせいか、少し調子を崩した。前述したような不安定さが顔を出し始めたのである。そんななかで私は高校からの友人に誘われてmixiを始めた(私が大学生だったころはmixiの全盛期であり、そのサービスは非常に画期的なものであった)。はじめは高校の部活の同期や先輩たちとつながるために始めたのだが、そのうちに彼女とも「友達」になった。
それが「始まり」だったのかもしれないと今でも苦々しく思う。(続く)
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