#33 「山にお礼を言ってきた」

#今日の学校 #33
暑いときは仕事を早く始めて、早めに終えるときがある。

そんなときに娘を連れてちょっと山へ行ってきた。
草や枝をかき分けて、岩から岩へ移るのを見てなぜか嬉しくなる。
自分が好きなことを子供がやっているのを見ると喜ぶのは親心なのだろうかな。

木に囲まれていると涼しい。
川の上を通る風も涼しい。
エアコンの効いた部屋のほうが涼しいけどそこにはない気持ちよさがあった。
マイナスイオンとかスピリチュアルなパワーを感じることはできなくても杉の樹皮を触ったり、からまる藤のツルをどかしたり、苔の匂いに顔を歪ませたり、どうでもいいようなことが気持ちよかったりする。

車に乗り帰ろうかというときに、山へ感謝しようぜと話した。
すると突然大きな声でお礼を言うもんだから軽トラの鉄ボディがビリッと響いた。気がした。
いまは大きな声を出せる場所も限定的なんだよね。

家で娘が嬉しそうに妻へ「山にお礼を言ってきた」と言いだしていた。
「山に行ってきた」ではなく、「お礼を言ってきた」と。
山は何かおっしゃってるでしょうかね。
楽しかったね。