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人間力で勝負する ~アトツギinCADDi vol.1 佐藤亮介編

実家が家業を営み、将来その代表の立場を継ぎ、大きな責任を負うことになる”アトツギ”。キャディでもそうしたアトツギの社員が、将来家業に入ることを見据えながら活躍しています。

なぜ彼らはキャディを選んだのか。キャディで得られるものは何なのか。アトツギならではの迷いと、その先にあったキャディという決断に迫るインタビュー企画です!

第一弾は弾ける笑顔と筋肉が眩しいSCM本部の佐藤亮介さん。ご実家は佐藤精機株式会社という切削加工全般をやられている会社を営まれています。

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<<告知:2/22にキャディでアトツギイベントやります!!>>

来る2/22(月)、キャディのアトツギメンバーと社外のゲストを招いてのトークイベントを企画しています!どなたでもご参加可能ですので、ご興味ある方は是非こちらよりお申込み下さい。

家業を継ぐことを意識してこなかった学生時代

-早速ですが、ご実家は何を?

私の実家は佐藤精機株式会社という会社をやっていて、金属加工業をやっています。いわゆる切削加工、旋盤フライスや放電加工、歯切り、研磨、研削…などなど、切削と呼べるものは全てやっています。ありがたいことにご評価頂けており、経産省が出されている「地域未来牽引企業」を受賞した他、過去にもいくつか受賞経歴があります。

-お父様で何代目?

父が2代目です。祖父が創業したのですが、当時の祖父は某大手企業の一技能工として、腕に覚え在りの職人でした。当時はそういう方が独立することが多かったそうで、祖父も独立して佐藤鉄工所を始めたという経緯です。1983年に父が25歳で家業に戻ってきたのですが、当時社員は数名、月商260万で借金がなんと8000万円。技術を持っていたのは祖父だけで、他の従業員は育っていない、という状況だったそうです。

当然採用も簡単ではなく、何とか人を集め育てながら、苦しい時代を乗り越えた後にバブルを経験。東芝姫路工場の仕事をもらったことで規模拡大し、その後も一社依存に陥らないよう営業活動を続け、努力を積み重ねた結果、2000年代に入ってからは借金も減り、年商2億5千万円くらいまでに成長してきました。

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-すごいお父様ですね。佐藤さんご自身は学生時代から前職までは何を?

あまり深く考えていなかったんですが、学生時代はずっとアメフトをやっていました。家業を継ぐとかは全然考えていなかったです。むしろこれまでの家業の変遷や父のハードワーカーっぷり(後で聞いたら深夜までずっと見積をしていたそう)を見て育ってきたので、正直なところあまり興味はありませんでした。まだ子供だったので、理解できなかったんですよね。

就活時は2つの軸があり、一つ目は人間力で勝負できることで、もう一つが社会にインパクトを出し貢献できる会社。実は元々は鉄鋼商社への就職を目指していたんです。鉄ってどこでもモノは同じなので、営業マンの腕次第だなと思って。他にも重電系の会社なども見ていて、縁あって三菱電機に入社しました。

-就活で鉄鋼商社を志望するあたりに、家業の影響を感じますね

それはあったと思います。小さい頃から実家の工場に置いてあった端材でおじいちゃんがキックボードを作ってくれたり、おじいちゃんと一緒にスクラップを捨てに行ったりしていたので。

三菱電機では工作機械向けの制御装置を扱う事業部で営業をしていました。その事業部に入ってからですね、実家のことを意識するようになったのは。実は、実家が三菱電機の放電加工機をたくさん保有していて。社内でもよく実家の名前を聞くようになったんです。

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斜陽産業ではなくブルーオーシャンだと思った

-放電加工機が家業を意識するきっかけになったんですね

自分が意識してなかった家業が実はすごいことをしていて、こういう大企業が評価するような仕事をしていたんだということを客観的に知り、率直な驚きがありました。三菱電機で扱っていた機械は町工場が使うものですが、その町工場がそれを使って作る製品が本当に素晴らしかったんです。日本じゃないとこの品質は出せないし、作り手も本当に緻密に考え抜いている。そのモノづくりの姿勢をみて、業界の面白さや実家のすごさに気づき、実家を継ぐのも面白いのではと思い始めました。

意識し始めてからは、町工場の実態を色々と調べ始めました。10名以下の会社がほとんどであることや、実家と同じようなことをしている会社がどんどん減っていることなどが分かるにつれて、ここにはブルーオーシャン的なビジネスチャンスがあると感じるようになったんです。

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-斜陽産業といわれることもありますが、むしろブルーオーシャンだと

確かに、一般的には製造業は中国にやられるのではといった雰囲気があります。ですが私は、製造業には国民性が反映されると考えています。日本人やドイツ人、アメリカ人には「いい機械をどう使いこなすか」というメンタリティやスタンスがあるんですよね。中国人は好きですが、実家がやっているような仕事は海外には流れないだろうという肌感があります。

今の経験は、きっと将来に生きる

-そんな中でなぜキャディへ?

前職の三菱電機はとてもいい会社で、若手を育ててくれるし、人情味もありました。大企業なので、守られつつ若手でもそこそこの活躍をさせてくれるんですよね。

親父と家業を継ぐことについて話したとき、32歳で戻ってこいと言われました。その年齢で経営層に入ることを想像したとき、このままで大丈夫なんだろうかと。もっと時代の流れに乗って、スピード感をもって、ハイレベルなメンバーがいるところで働きたいと思うようになったんです。大学アメフトでずっと日本一を目指していた中で、人は本当にハイレベルな集団にいると伸びると実感しました。しんどかったけど、楽しかった。あれは間違いなく、環境のおかげでした。そういう集団の中に入った方が楽しいし、自分も成長できると確信しています。

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-実際に入社してみてどうですか?

想像以上にスピードが速いです。ベンチャーなので、実はちょっとスタイリッシュなところも期待していたのですが、想像以上に泥臭い(笑)最近は少しずつ慣れてきましたが、最初は毎日圧倒されていました。入社してからの部署異動も多く、環境変化がとても激しいです。大変ではありますが、ありがたく感じています。

-得たかった経験は得られていますか?

経営者になるための経験、スキルアップという観点では、所属部署関係なく、キャディという会社に入ったことで得られています。今はある新規事業の立ち上げを進めているのですが、お客様の要望にお応えするためにはどういうタイムラインで、どういう要件を満たす必要があるのかを日々考えながら動いています。

代表の加藤も大きな刺激です。自分の一歳上とはとても思えないスコープの広さと、広い中でも絞るべきところは適切に絞る、鳥の目と虫の目の使い分けが本当にうまいなと感じます。

かつ、本当に人を良く見ているんですよね。仕事で直接関わることが少ない私にも本当に細かいことまでフィードバックをくれます。仕事中の仕草や、このExcelのショートカットを覚えた方がいい、みたいなことまで(笑)僕だったらそんなこと忘れてしまうなと思います。

36歳くらいから攻めていく。いざアメリカ。

-ご実家に戻られた後で、何を成し遂げたいですか?

まずは、町工場ってITリテラシーが低いので、一社員として課題を抽出して、細かいところを解決して生産性を上げていきたいと思っています。今後労働人口も減っていくし、採用観点で町工場のイメージ向上も必要です。そのためにtwitterもやっています。twitter経由で採用に繋がる事例も増えてきていますし、今後の土台作りもかねて。

今佐藤精機は積極的な海外展開はしていないのですが、自分が家業に戻って、36歳くらいからは攻めていきたいと思っていて。具体的には、アメリカに出たいと思っています。新規加工分野の開拓もしていきたいですね。

ヨーロッパには世界最高峰の加工技術があります。だからすぐにヨーロッパは厳しいと思っています。一方のアメリカは製造業従事者も減っているし、モノづくり産業が衰退傾向。日本で将来起きるだろうことが今実際に起きています。小さい町工場が海外進出して頑張っているという点でプロモーションにもなるし、何より夢があっていいと思っています。

-そこに向けて今後キャディで積んでいきたい経験は?

たくさんあります(笑)一番は人間力です。経営者には人間力がとても重要だと思っていて。しんどいとき、ほんまにこれどないすんねん…みたいなときに、「この人ならついていこう」と思える人っていますよね。キャディにもそういう人がたくさんいて、裏で自分たちがしていることまできちんと見てくれながら、ハードな状況でも率先して自分から先陣を切って動いているような人を見ると、ついていこうと思いますよ。こういう人間力を身に着けていきたいです。

あとは、課題解決能力をもっと磨いていきたいです。加藤からすごく言われるので、佐藤は課題解決力が足りんと(笑)自分は中途半端に細かいところがあって、つい細かいところに目がいってフォーカスがずれがちなところがあります。今後経営者になることを考えると、フォーカスをしきれずに失敗するというのは全然起こり得ることだと思うので、これも身に着けないといけないと思っています。

世の後継ぎに伝えたいこと

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あり方は人それぞれだと思います。自分は社会人になるまで家業に興味もなかったですし。

そういう自分だから言えるのですが、もし家業に関心がなくても、一旦自分の家がどういうことをしているのかは早い段階で知っておいた方がいいと思います。社会に出た後で、それがたとえ小さい世界であっても、家業が貢献しているということがわかってくることもあると思うんです。その上で、その素晴らしい技術、会社を自分が継いでいくかということを考えればよいのではないでしょうか。

今後は、これまでの家業経営とは変わってくると思っています。以前と比べ、今は変化のサイクルが物凄く早いですよね。それこそ突然キャディのようなプレーヤーが表れたり、サプライチェーンが劇的に変わるようなことがいつ起きても不思議ではありません。

だからこそ今は、そういう変化に対応できるような人材に成長できる環境を選ぶべきだと思っています。キャディには、優秀で熱量のあるメンバーがいて、加工知識やビジネスの経験も身につきます。町工場の後継ぎである僕からしたら、こんな場所は他にないと思っています。

もちろん楽しいことばかりではありませんが、ハードな状況でもそれを乗り越え事業を成功させたい、家業を大きくしたいという人はぜひキャディへ来てください。自分もそういう同志を作っていきたいと思っています。

キャディではアトツギの皆さんを積極採用中です!

最後までお読み頂きありがとうございました。

キャディでは現在全ポジションで積極採用中です。まずはカジュアルな面談からでも対応させて頂きますので、少しでもご興味ある方は是非ご連絡ください!twitterのDMでも何でもOKです!

■ 採用サイト:https://corp.caddi.jp/recruit/
■ 会社説明資料:https://speakerdeck.com/caddi_eng/caddi-recruit-202008

また、2/22(月)のアトツギイベントもご興味あれば是非お申込み下さい!よろしくお願いします!



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