第三章 大学受験 #03どん底まで落ちて

自分でもよく分からないけど、念じれば奇跡は起こると思っていた。内藤くんの時みたいに。でも、現実はそんなに甘くなかった。

推薦入試はボロボロ、センター試験は受けた学部すべて不合格、残すは一般入試。正直ここまで来ると自信はない。ただ最後の試験が終わってから、結果発表までに微妙に日にちがあるのが何ともいえない。何していいのか分からない時間がただ過ぎていった。そして、最後の結果発表の日。結果は、さんざんなものだった。もう奇跡なんて信じない。親に伝えるのも辛かったし、友達にも何と伝えたらいいか。親友のユウコは、一緒に残念がってくれ、私は今まで我慢していたものが一気に溢れ出て泣き続けた。泣きながら、いろいろなことを考えた。浪人?そんなお金ある?就職?高卒でできる仕事って何?どうしたらいいの?人生終わったな。

3月9日、卒業式の日。高校の卒業式とは、さっぱりしたもので本当にあっさり終わった。せっかく3月9日にやるのだから、あの歌でもみんなで歌えばよかったな。卒業式のあと、教室でいろんな人と写真を撮ったり、アルバムの後ろのページにメッセージを書いてもらったりしてそれなりに別れを惜しんでいた。初めは不安だった高校生活だったけど、何だかんだたくさん友達もできて、恋もして、部活も頑張っていい高校生活だったなぁ、と思いつつ、頭のどこかでこれからどうしよう、という考えが離れないでもいた。夜寝る前になると、いろいろなことを考えてしまったりして、結局結果発表の日から1ヶ月近く落ちるとこまで落ち込んで、泣き続けたと思う。

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